2004年、関西文化学術研究都市の大阪府域における文化学術研究地区のひとつである津田サイエンスヒルズの企業立地に応募しました。そして2005年7月、大阪府の審査・選考を経て、津田サイエンスヒルズに念願の新社屋を竣工しました。
これまで津田サイエンスヒルズは、研究開発施設、教育、研修施設だけの公募でしたが、当社が入る1年前ほどから、商品開発の機能をもった製造メーカーの立地が可能になったため応募しました。なぜ、当社が審査に合格したのかを考えると、地球温暖化の防止、二酸化炭素の低減、その他の環境問題が重視されるなか、公害、騒音に関係のない企業であったからではないかと思います。また、ITとものづくりの先端事業にも敏感な時期で、3次元CAD/CAMを使って設計をしていた当社が、ものづくりの根源を担っていたことも認められたと思います。
津田サイエンスヒルズは、関西文化学術研究都市(京阪奈=けいはんな)に所属し、13〜16社の企業群になると想定されています。「けいはんな」は、京都府、大阪府、奈良県にまたがり、文化、学術、研究、産業の新しい拠点を形成し、居住環境、都市環境の街づくりと融合した都市の実現を目標としています。ロボットから最先端技術などのいろいろなテーマがあり、たくさんの研究施設があります。その中で津田サイエンスヒルズは、大阪の東部地区の核となる大阪大学大学院
工学研究科 自由電子レーザー研究施設、そしてイオン工学研究所などがあり、世界でここにしかないような技術があるため、海外からたくさんのお客様がいらっしゃいます。また「けいはんな」は、42大学が参加した産官学の連携があり、いろいろな情報があふれています。当社がその中に入れたことは、すごいことだと思います。
■20年先の将来の計画
中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画承認企業の申請をするため、20年先までの新たな取り組みの計画を文書化しました。会社の目標、方向性、毎年の計画、働く意味など明確に文書化して、それを具体的に実現していかないといけない。これは、社員が一丸となって達成していく必要があり、そのため毎週、社員と勉強会を開きました。
ドラフターからはじまり、CAD/CAMを購入して、4坪の事務所から12坪に移って、その次は22坪と36坪の事務所を両方借り、北へ北へ移動してきました。そして、申請を出すときは1フロア60坪のテナントでしたので、本当に津田サイエンスヒルズの900坪に自社ビルを建てようと申請するの?とはじめは思っていた社員も、大阪府、枚方市、商工会、工業会、中小金融公庫などいろいろな方が来社され、着実に状況が進んでいく様子を見て本気になってくれました。
承認を得られると、優遇措置があるため、企業選考の審査には非常に多くの書類を提出する必要がありました。最初の1年は毎月の計画書を作成し、それが実現できているか大阪府は月2回ほど確認にきました。期限までに自分の夢、計画を文書化し、計画を実績にしていく。それを延々と繰り返して承認されるわけです。非常に難関でしたが、経営トップの考えを社員と共有して、具体的に実践できることが、こんなに素晴らしいことだと初めて知らされました。また、当社の進むべき道を再認識できたことも良かったと思います。
■設立当初の思いは変わらず
来年(2007年9月)には、会社を設立して30周年を迎えますが、「金型製作現場の職人さん達の苦労をどうにか助けて楽にしてあげたい。」という設立当初の思いは、今だに変わっていません。現場の金型製作技術を理解して設計を行い、機械加工や仕上げのことを考慮した図面を作成できれば、現場の無駄な作業を削減でき、工数も大幅に短縮できます。この思いがあるので、当社の設計者は現場が好きで、必ず現場に行きます。良い設計者になるには、人とコミニュケーションをとれるかどうかがポイントになります。特に職人さんとのコミニュケーションです。普通に聞いても教えてくれない頑固な職人さんは、やはり心を開いてお付き合いする必要があります。それから現場の職人さんと話せるだけの技術を自分で勉強する必要があります。現場の職人さんと話せるようになって、はじめて設計者としての喜びがあります。
当社がお付き合いいただいている会社の多くは、少人数で取り組まれている会社です。なぜかというと、そこに行けば、自分が設計した内容が全部確認できるからです。そこには、機械に頼らない職人の技術があり、創意工夫がたくさんあります。「こんなやり方はいけない。」、「これはうまくいった。」と、ものを見ながら教えてくれます。ところが、会社の規模が大きくなると外注に出している場合もあり、設計の良し悪しが確認できないことがあります。やはり、ものづくりの技術は現場に行かないと伝わってこないと思います。
■地域社会への貢献
インターンシップとして、学生を受け入れています。また、地域の人を採用することによって、雇用促進に貢献しています。今までは採用していなかったパートの女性も受け入れて、設計、NCデータなどの業務に携わっています。今後も増やしていきたいと考えています。 |