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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.1 お客様事例

株式会社ジーティーエム

株式会社ジーティーエムは、業界でのリーダー的存在として活躍する試作金型メーカーです。続々と生み出される新製品、多様化するニーズに対応し、より精巧な試作品を作るために早くから3次元CAD/CAMシステムに取り組まれています。

7年前にGRADEを導入され、今では設計者1人1台にあたる17台が常にフル稼動している状態です。昨年末にはVERICUTを加え、効率のよい作業のための環境づくりを目指されています。

GRADE,VERICUT導入の背景とその効果についてのお話を中心に、代表取締役 石井巌様、第1生産グループ 小玉仁様にお伺いしました。

会社概要・事業内容について

当社で扱っているのは主に自動車のヘッドランプ、テールランプの試作品など、試作開発に関わるものが80%を占め、残りの20%は量産品として市場に流れる製品の製造です。過去にはカメラ、計測器なども扱っていましたが、今は自動車関係がほとんどです。

一時期に比べ自動車業界にも回復の兆しが見えはじめています。モデルチェンジの期間が短くなったり、車の種類も増えてきたことから、実際にバブル時期に匹敵するくらいの受注量になってきています。不況で苦しい時期でも人材育成、設備投資には力を入れてきましたので、現在のニーズにあった短納期、高精度、およびデータ渡しに対応できる体制にできたのです。しかし業界全体を見ると、不況の時期にリストラを行い、せっかくのこの好機に対応できるだけの設備、人材を確保できていないところも少なくありません。

人物写真
代表取締役 石井 厳様

設備構成について

現在GRADE/NCが9台、GRADE/CUBE-NCが8台設置されており、そのうちの4台でVERICUTを使用することができます。

試作開発の製品でも、最終的には金型からプラスチックの製品までを作りますので、そのための設備が必要になります。本社工場にはフライス盤や放電加工機など、いろいろな種類の工作機を約20台揃えており、GRADEはDNCによってそれらの工作機とつながっています。

CAD室
工場

GRADE/CUBE-NC導入の背景について

今思えば、3次元に取り組むということは、自動車業界の設計思想がCAD/CAMに流れてきたことが要因だったように思います。自動車のデザインは丸みのあるものに変化し、微妙なカーブを帯びた複雑な形状が増えてきたので、CAD/CAMは必要不可欠だったわけです。試作業界というものの性質上、新しい情報は比較的早く入ってきますので、いずれ取り組まなければならないのであれば、できるだけ早くと考えました。

また、金型の現場というものは、ある種"職人の集まり"ですので、若い人を育てるのはなかなか難しいと感じていました。もっと若い人を原動力にできる場はないものか、新しい思想を取り入れることで、新しい方向に発展していきたいと考えた結果、CAD/CAMの導入を決心しました。

17年前に自動プロを導入し、まさに手探りという状況のもと、試行錯誤を繰り返し、徐々に複雑なものにも取り組めるようになりました。その後、12年前にはLCDMというプレス業界でよく使われていたシステムを導入し、5~6年間使用しましたがそれにもだんだん物足りなさを感じるようになり、7年前にGRADEを導入しました。新しいシステムを検討するにあたって、いろいろなデモを見学し、最終的に2社のシステムに絞って検討した結果、"こちらの方が使いやすいのではないか"という現場の意見を尊重し、GRADEに決めました。

GRADE/CUBE-NC導入の効果について

GRADEの導入により、一度にいろいろな加工が同時にできるので納期が短縮でき、製品の精度も上がりました。現在の受注量をこなせるのもGRADEを導入した成果だといえます。

現在はこれまで以上の効果がでていますが、その要因は次の3つです。まず一つは昨年11月にマシンを Indigo R3000ELAN から Indigo2 R4400XZ にリプレイスしたことで処理スピードが上がったことです。二つめはGRADE/CUBE-NCをVer.8にバージョンアップしたことによってNCデータの作成時間が大幅に短縮されたことです。例えば等高線の経路作成に関し、これまでは形状によっては簡単に作成できない場合があったのに対し、Ver.8では簡単に作成できるようになったので、データ作成時間も従来の1/5~1/6程度に短縮されました。また、NCデータを効率よく供給することによって、工作機の持つ性能を十分に引き出して稼動させることができるようにもなりました。三つめの要因は、工作機の工具の性能向上したことです。切り込み量を大きくしても安定した加工ができるようになりましたし、工具も長持ちするようになりました。

この3つの要因が同じ時期にうまく重なったので、それぞれの効果がより大きな効果を生み出しました。

CAD画面
車のリアコンビネーションランプのランプ

VERICUT導入の背景とその効果について

現在、金型の製作は直彫りが主流になっていますが、カッターの条件、例えばカッターの突き出し量、カッターの種類などによって、どれくらいの切削スピードが得られるかなど、より最適な値にしていくために、VERICUTを導入したいと考えました。

導入後間もないので、効果についてはまだはっきり現れているわけではありません。今のところ、ブロックから削ったときの仮想値の確認と、シャンクやチャックの形状によってどれくらいのカッターの突き出し量で加工できるかを検討するために使用しています。カッターの突き出し量を長く出せばそれだけ加工速度は遅くなりますから、最適な突き出し量を決めることが、加工速度に大きな影響を与えるということになります。

人物写真
技術1課 小玉 仁様

VERICUTで突き出し量を調節することによって、加工の速度ができるだけ早いケースを確認できるので、直彫りに関しては格段のスピードが得られているといえます。今後はVERICUTのもつ最適化機能(切削抵抗のかかる部分では減速させ、エアカット部では高速移動させるなどの機能)を利用し、より生産性と品質の向上を目指していこうと考えています。

今後の課題・目標・取り組みについて

GRADEを使い始めた頃に比べると様々なノウハウが蓄積されてきたので、今後はGALなどのカスタマイズ機能を使って、実作業に即した使いやすいシステムづくりが課題となります。

社員の育成にも力を入れていきたいので、試験制度を設けるなど、現在検討中です。

昨年12月からは欧米の仕事も手がけており、今後も海外の仕事には積極的に取り組んでいこうと考えています。

稼動率を上げ、コストを下げるための方法としてもいろいろ考えています。まず、NCデータが工作機に追いついてきたこともあって、夜間フル稼働させること。そのためには勤務形態も交代制にする必要性がでてきます。また、現在はモデリングからNC加工までを一人で担当しているので、将来は分業にし、ゆくゆくはエンジニアリングとしての会社を目指したいと考えています。

HZSに期待すること

HZSとのオンラインサポートについては、機密性の高い製品を扱っている関係上なかなか難しいというのが現状ですが、将来は機密上の問題を解消した上で地方工場や得意先とのオンライン化を目指しています。

パスを自動作成するためにはソリッドモデルが必要であるとされていますが、ソリッドで曲面をきれいに出せるようなシステムはまだ出回っていないようです。パスの自動作成化が実現すれば設計の効率化につながりますので、早急に商品化されることを望んでいます。

設計者は忙しさのため視野が狭くなりがちなので、機会があればいろいろと紹介してください。設計者側もGRADEのバージョンアップに遅れをとらないよう、コマンドを研究していく一方で、他社のシステムについても研究し、良いところがあればGRADEに取り込んでもらうなど、積極的な働きかけをしていくつもりです。

また、まだまだ金型の製作現場に立ったシステムづくりができていないのでは、と感じるときがあります。加工者側が求めているのは、あくまでも加工しやすいデータを作るための機能であることを忘れないでください。

おわりに

会社を訪問したのはとても寒い日だったのですが、職場には活気があふれていて外の寒さを忘れてしまうほどでした。平均年齢30歳という若さが、その源になっているのでしょうか。GRADEを扱っている方々は、全て20代。社長曰く「働きすぎて困るくらい」だそうです。

お話をうかがっていくなかで、いろいろ研究されているなという印象を受けました。特に、「新しい思想を取り入れることで、新しい方向に発展していきたい。」という言葉には、現状に甘んずることなく、常に向上し続けようとする姿勢が感じられました。従来のノウハウを活かしつつ、新しい技術を取り入れる。そうすればさらに新しい発見があるということを教えていただきました。

たいへんお忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

会社プロフィール

会社写真
本社工場神奈川県横浜市港北区
函館工場北海道亀田郡
会社設立1972年5月
資本金5,000万円
従業員本社工場 52名
函館工場 11名
事業分野
  • プラスチック金型設計製作、射出成形
  • 3次元CAD/CAMデータサービス
  • グラファイト電極製作
会社写真
製品