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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.1 社長インタビュー

金型業界の今後の動向

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株式会社松岡鐵工所 専務取締役
高野 輝雄様
型技術協会 理事
「型技術」誌 編集委員長
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九州工業大学 情報工学部教授
鈴木 裕様
型技術協会 理事 企画委員
福岡県金型研究会 企画委員

当社はシステム事業を始めるときに、お客様に近いところで、お客様と技術的なコミュニケーションをはかりながら、事業を推進しようとしてきました。他社と比較すると技術部門、お客様と接する部隊が多いのが特徴です。その結果として、現在、全国13ケ所の拠点に55名の営業と110名のSEが、お客様と日常活動を共にしています。現在、お客様は約1200社です。お使いいただいている台数は5000台強で、1社平均5台となります。この数字が示すように、比較的中小の規模のお客様にお使いいただいています。その中でも全体の約60%が金型関係のお客様となります。今回は、型技術協会で業界をリードすべくご活躍の、株式会社松岡鐵工所 高野専務九州工業大学 鈴木教授に、金型業界の今後についてお話しをお伺いしました。

はじめに

植田 創刊号ということで当社でも大きな比重を占めております金型関係について、色々なお話しをお伺いしたいと思います。

まずはじめに、日本の金型業界がこれからどのように変化していくでしょうか。将来像に対してHZSはなにをすればよいのでしょうか。

一言お願いいたします。

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聞き手
日立造船情報システム
専務取締役
植田 俊

高野 世の中は急速に変わりつつあります。力があっていい仕事をしているところでもいろいろなことを考えています。

安く、早く金型を作る機械加工側ではそれに応じた技術革新が進み、時間短縮が図られています。加工側が縮まることによって設計からプログラミングするところまでの比率が大きくなってしまったということは事実です。この問題についての解決は、 利用するシステムの発展なくしてはありえません。まさにHZSの出番なのではないでしょうか。

時間・納期を短縮することは避けられない。競争がそれだけ激烈になっているわけです。自分のお客様が生きるか死ぬかの競争の中で、生き残っていくためにはついていかざるをえない、ということになります。

鈴木 加工の方は高速加工の技術が達成されましたが、今はそのためのNC情報作りがネックとなっています。

加工が速くなったのに、従来と同じ時間をかけてNC情報を作っていたら全体として効率が上がらない。そのことを改良していかなければならないと思います。

力のあるところは開発力を身につけて独自のCAMを作り込もうとする動きもあります。自社のノウハウを生かそうと思うと、自社開発するか、HZSのようなメーカの力を借りて開発するかでしょう。ただし、大半はオペレータを育成するだけで精いっぱいだというのも現実 です。

もう一つは加工の方は技術開発されてきたが、設計業務にメスが入っていない。設計業務にはCADが使われているので、CADの方から見直しをする必要があります。

高野 今、先生がおっしゃったように、設計のところは道具が代わっただけなんです。たしかに便利になりましたが、設計変更などがおきたときには、かえって不便になるというような問題が一方ではクローズアップされています。

一方、加工側について考えてみますと、高速加工・高速切削により、加工は確かに速くなり、仕上面品質も良くなりました。そのために磨きの機械の需要が減るという話も聞きます。高速加工技術というのは既成の概念からはずれた領域にも入ってきました。従来ですと、工作機械メーカが開発し持ってきたらすぐ使えた。ところが、高速加工というのは、持ってきただけでなく、それを動かすための CAMソフトに細工を加えなければならない、あるいは市販されている刃物に細工を加えなければならないという時代にもなってきています。加工とそれ以前の両者で改革が起こらないと問題があります。

ソリッドモデラー+サーフェイスモデラー→ ハイブリッド モデリング

植田 設計業務の見直しとなると「ソリッドモデラー」は重要なキーワードだと思っております。製品・構造の解析などを1つのモデルデータですべて処理したい。モデリングに少し時間がかかっても、データの利用価値が飛躍的に高くなると思いますがいかがでしょうか。

高野 もちろんそのとおりです。CADの「D」はみなさん「DESIGN」だとおっしゃいますが、今までは「DRAWING」でした。どうしてもそれを、「DESIGN」にしていくためには解析をやらなければならない。解析をするならまず最初にモデラーという形になり、そこはずっとつながっているような気がします。それが設計だと思います。

植田 モデルをつくると図面はなくなるのでしょうか。

鈴木 機械設計の分野でも図面を作らない方向に動いています。型作りでも、製品があって三面図を作って、その図面をみて型面をおこすのは二度手間、三度手間です。モデルから図面データも確実に取れるわけですから。

高野 日本は3次元CADの実用が遅れていますが、その方向に向かっていることは間違いないです。

CAE(解析)

植田 今の高野専務のお話の中にもありましたように、徐々に解析が普及してきています。もちろん大手の自動車会社では自分のものにしていらっしゃいますし、上手に使えれば効果は絶大ですが、産業の構造が下へいけばいくほど、現実問題はなかなか普及していません。解析が普及するために、我々はどのようなお手伝いをできるでしょうか。

高野 2つの角度から考えなければなりません。

金型専業メーカの立場で考えるのか、内製金型工場の立場で考えるのかです。後者は普及しますが、前者は複数のお客様と付き合っているためそれぞれの仕様・条件が違います。使い方が違う、金型に対して要求する設計思想が違います。将来は普及すると思いますが、この辺がしばらくはネックになると思います。

もうひとつは、いろいろな条件の基でシミュレーションしますが、条件の変更が楽にできることが普及の大前提だと思います。

鈴木 現状の解析システムでは、初期条件・境界条件などを何にするか理解しないと使えないですね。導入しても、解析結果をどう解釈するか、どう評価するかができないと意味がないのです。

植田 では、我々は技術者を育てるお手伝いをするということでお役に立てるでしょうか。

鈴木 どこかで勉強しないと使えないのですから、ぜひやってほしいと思います。数十名の金型専業メーカが時間をさいてまでできるかというと、時間的な面でも技術的な面でも難しいでしょう。我々大学も含めて誰かがそういうことをしないといけないと思います。

植田 当社の経験からいたしますと、半年から一年、我々自身もお手伝いをさせていただき、お客様も経験を積まれると'モノになる'ようです。

鈴木 小さい金型専業メーカでも試行錯誤でしているところが多いですね。たとえば福岡県では金型研究会*1を毎月開催しています。そういう組織で、解析し、結果をフィードバックしよう、という動きはでてきています。

高野 100点満点とはいかなくてもどの程度で満足するかだと思います。それは、今までコンピュータを使わないでやっていた方法と成果がどの程度合致するかでしょう。

大手で既に解析を持っているところは、成形品の金型設計の解析をして経験との突き合わせの繰り返しで自社に適したデータを蓄積しています。どこかが手を挙げてやることは非常に大事だと思います。

解析はこれから先、金型作りにおいて最も魅力ある道具です。ただ、いい商品としていくためにはかなりの時間がかかると思います。

植田 どんな解析ができればよりたくさんのお客様のお役に立てるでしょうか。

高野 樹脂成形や鋳造で最も必要なのは流動解析だと思います。トライ回数をなくし、一発合格するというのが世の中の流れです。トライのコストや時間短縮させることが時代の要求です。当然、流動解析には熱の解析も加わります。

植田 型構造についてはどうでしょう。

高野 構造解析はシンプルにしてコストを下げたいということでしょうが、材料費が金型の中で占める割合は10%前後です。そこでコストを縮めるより、全体コストを縮めることの方が現在では賢明だと思います。

鈴木 まずは流動解析をきっちりやって、それから型構造ですね。たとえば冷却管の配置問題の現象についてシミュレーションするとか。

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高野 そうですね。まずは製品の品質、生産の安定性です。型の耐久性、重さも必要ですが次でよいと思います。

日本で作られている金型の40%が樹脂ですから、流動解析としては樹脂のマーケットが大事だといえますね。

金型メーカでは解析ソフトを利用して製作した金型をお客様の成形メーカの有する経験・データで検証してもらう共同作業の体制構築からスタートすべきでしょう。しかし金型が商品である以上、金型メーカが自らトライして自社の解析力すなわち設計力を高めるの が本来の姿かも知れません。

植田 型の構造は解析と二人三脚で決まるものでしょうか。

高野 今までは経験に頼っていましたが、今後、より解析を使うことにより技術の確立が見込めます。

削る

植田 構造が決まって図面が出せれば、後はいかに速く削るかでしょうね。

高野 削るのは機械がするので削るプログラムを早く作ることでしょうね。

鈴木 最近は、荒取りをとっても、刃物の使い方に神経を使ったNC情報作りがされるようになってきました。

今までのCAMシステムでは等高線は満足に使えず、往復モードで無理矢理削っていました。

等高線機能がサポートされて、さらに荒取りも刃物が長持ちするように、適切な加工をしながら最短でできるような機能開発が行われています。

これからは、もっと使いやすくなっていくと思います。加工上のノウハウも最初から含まれた状態のシステムが実現できてくると思います。オペレータは形状データを与えるだけでよく、CAMシステムはNC情報を完全に自動で出すというイメージに近くなっていくでしょう。

みんなが同じようなシステムを使うようになると、みんな同じところに行き着く。そうしたら安く作れるところで作るようになっていくでしょう。

高野 そうですね、人件費の安いところで作る時代がいずれくるのでしょうね。

CAMの自動化

植田 CAMの自動化についてはいかがでしょう。

鈴木 その方向には開発はされています。カッターやカッターボディと素材との衝撃チェックも今は自動でできます。

加工はDNCで自動化できます。また高速加工機を使うと磨きレスなどもできます。CAMシステムを使うと、加工に適した情報は自動 設計できる可能性があります。

CAMシステムの自動化レベルがあがっていくと、トータルとして自動化レベルがあがっていくでしょう。CAMシステムのアルゴリズム自体がいろいろな考え方で作られているために、荒取りから仕上げまであらゆる場合に対して完璧に出 せるかというとそうではない。アルゴリズムの開発がまだまだおこなわれる必要があります。

植田 パスを出すツールのメカニズムはボディーのような大きな形状用のツール、小さな形状用のツールなどいくつも必要でしょうか。

高野 統合されるのが望ましいが、それが難しいならいくつかあった方がいいでしょう。統合されるまでの間、いろいろなものを使っていいものにしたいですね。

鈴木 干渉チェックのレベルの差ではないかなと思います。最終的には自己干渉チェックができないとカッターで小さなフィレットを削れな いですね。フィレットとフィレットがからみあった場合に、パスを出すときにフィレットRの時よりも大きいカッターRを使うと干渉しますから、自己干渉チェックで逃げるとかですね。

パスそのものを出すことは難しくないのですが、干渉チェックしたパスを作ることは難しいですね。

また、いろんなカッター形状に対応する必要があります。たとえば、ボールは出せてもフラットは出せないなどの制約がないことですね。

要するに、安心して削れる情報を自動的に出したいということですね。

パソコンCAM

植田 パスを出すことにウエートを置いたWindowsベースでの安いパソコンCAMについてはどのようにお考えでしょうか。

鈴木 パソコンCAMは価格的にはずいぶん安いと思います。モデラーでも安いものは100万円切っています。

金型専業メーカの技術レベルが上がっていますから、こうしたシステムを使ってCAMの部分に自社のノウハウを組込むこともできるようになるでしょう。

今はCAD/CAMシステムの能力不足を金型専業メーカのノウハウで補いながら使いこなしているのが現状です。そのノウハウをいかに早く作り込めるかの差がメーカの差になっていくと思います。

植田 あるパソコンCAMシステムを評価いたしました。数学的にはいい答を出しますが、先生がおっしゃったように刃物に対する考慮はあまりないように感じました。

パソコンNCが普及すると、分業の仕方というのは、変わってくるものでしょうか。

鈴木 コントローラも含めた形でネットワーク化し、パソコンかEWSかは使い勝手によって決める。現場でCADデータを作り、ネットワークにつながっているCAMシステムでデータを作ってダウンロードする。

CAD/CAMシステムだけでなく、ネットワークを考慮したシステム作りを考えたほうがよいでしょう。CAD/CAMシステムメーカが、ポスト処理も含めて使えるような、全体のシステム化をする必要があります。

要は、ネットワークコンピューティングです。

GMが提唱しているOMAC(Open Modular Architecture Controller)の考えはネットワークCNCのような気がします。

高野 問題はたくさんありますが、そちらに向かって世の中が動いていますね。

金型業界の将来像

植田 日本の製造業が海外に出ていっていますが、日本の金型専業メーカの将来はどうなるでしょうか。

高野 海外進出に関してはいくつかの視点で考えてみるべきだと思います。

第一には、日本のコスト・インフレはとどまっているものの、高くなったコストはなかなか下げれない。いつまでも外国が日本製の金型を買ってくれるだろうか。優位性はいつまで保つか。

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第二は、地場調達、その国で必要なものはその国で生産し調達するという流れ、そのための産業育成。

第三は、情報通信の発達、加工機械の進歩が、技能レスの分野を拡大させる。設計開発は日本、生産は海外、という時代の到来が予測できうる。

最近の貿易統計では、金型輸出に対し輸入の伸び率が上回りはじめている。特にプラスチック金型が目立ちます。

電機・情報通信のこの分野では海外製の金型の輸入が多いと聞きますし、このことは、日本のメーカが現地の金型工場を育て、あるいは自から海外金型工場を設けた結果でしょう。現地に進出するかどうかは別にして、かなり錯綜しはじめたことは事実です。

日本の金型メーカが今後共、有利に金型作りをしていくために、日本がどのような形でイニシアティブを取り、展開するかが判断のポイントでしょう。いずれにしろ時代の流れは早く、変化は大きな世の中です。

植田 技術的には、現地の会社は日本の要求にこたえるのに時間がかかりますでしょうか。

高野 技術的な面以外にもいろいろな差があり、いろいろなことが日本と違います。

どういう形態で国際分業するのが良いかはまだよく分かりませんが、国際分業する必要は絶対にあるといえるでしょう。

植田 金型専業メーカで海外に進出されているケースはどれぐらいでしょうか。

高野 金型専業メーカではまだ多くはありません。内製の金型工場が出ていったというケースは結構聞きます。静かに静かに皆さん出ていきますからね。

営業政策として工場を海外に出したという例もあります。お客様に対して協力することも必要です。

出ていってすぐ金型ができるわけではありません。組立産業や部品産業とは違いますので、軌道に乗せるためには最低でも出ていって2,3年かかるでしょう。その間どのようにして食べていくかということも考えなければなりません。

植田 グローバル化を推進することができる企業の規模についてはいかがでしょうか。

高野 最低でも100人程度の規模から上でしょうね。そのような規模の金型メーカはわずかです。しかし、その位の規模の会社ではそういう活動、試行をしているところが増えてきています。経済的な問題は別にしても、日本人を現地に派遣しなければならないですから、優秀な人材を派遣すると日本の会社の人材がいなくなってしまいます。

植田 では、残りの多くの金型専業メーカは、将来のために今なにをすればいいのでしょうか。

高野 企業として特徴を持つことです。特徴があっても世の中の技術革新の流れが早いので、それによって特徴が失われていく可能性も高いのです。

使う道具は一緒だから、設備さえ持てばその部分に関しては、たとえば日本と中国でも変わらなくなります。

ところが、違うところが3つあります。ひとつは設計、もうひとつは仕上げ、あとひとつは生産技術です。

植田 直接、人が携わるところですね。

高野 そうです。この3点の差には時間がかかるでしょう。

設計のところはしだいにコンピュータで取組めるようになる。仕上げもかなり機械で取組めるようになる。しかし、生産技術はというと、簡単に取得できる部分ではないですね。

日本のテレビなど、どんどん海外で生産されていますが、その工場は日本の生産技術力によってささえられています。派遣されている人達が生産技術を定着させているからです。

当面の金型産業における競争相手の台湾と韓国は、人件費という点で日本に追いついてきていますが、どう考えてもまだ日本の人件費が高すぎます。

植田 金型を作る技術も追いついてきているでしょうか。

高野 金型を作る全体技術、それは以外にそうではないと思います。

それは、終身雇用か契約雇用かの違いも一つの理由と私は思います。企業に対する帰属意識の違いが企業の技術力の差をなかなか縮めない要因だと思います。台湾でもいい金型ができていますが、たとえば設計は日本からです。

植田 アメリカから日本へ金型の注文がきていると思いますが、その注文が東アジアへと変わっていくのでしょうか。

高野 アメリカの工業会の会長の話では、アメリカの金型産業も復調し、自給率が90%近くになっていると聞きました。アメリカが輸入する金型は自動車のボディー・ダイのような大形プレス型が主体です。これらは日本の得意とする分野です。

現在、東アジアが得意としている分野は、プラスティック金型やプレス金型の中形の分野です。これらはアメリカ国内でも供給しうる分野ですし、東アジアの金型消費も大きいわけですから、当面は無いでしょう。

金型製作では、熱処理や、表面処理また、標準品の供給や賃加工の下請け構造等の整備が良い金型作りの体制が必要だと思います。

植田 ということは、急激にシフトしていくということはないですね。

高野 家電関係はだんだんシフトしていますが、これには背景がありまして、86年に円が急激に上がり、電機業界が海外の金型を輸入し使いましたが、その時は一時的に失敗しました。現地のローカルな企業から買うとやけどをするので、その結果、自分達が現地に工場を作る。このような経験から、昨年の円高では電機メーカには道ができていました。

自動車部品業界は、昨年の円高にて海外調達に走りましたが、最近になって失敗したとかいう話も聞きます。

87年の電機業界と同じ繰り返しがおこっています。結果として自動車部品業界も海外へ金型工場を設けるでしょう。日本の自動車メーカは自家用金型を作るためにアメリカに既に工場を持っていますから。

一朝一夕に採算にのる金型工場はできるはずがないので、時間をかけながら体制を構築していかなければならないでしょう。

植田 金型工業会は海外進出に対して支援をされますか。

高野 金型工業会は政府の構造改善事業の指定業種となりました。政府が支援策を講じる体制はできましたので、どう活用するかです。

植田 私達メーカが海外に拠点を持つとしたら、何かアドバイスをいただけますしょうか。

高野 最近、中国ビジネスで感じたことがあります。日本の企業は、工作機械メーカ、素材メーカなど、中国でビジネスをするときにリスクを考え日系企業をねらいます。それでは将来においていいビジネスにはならないでしょう。

私どもの中国のお客様で、中国の五指にはいる優秀な会社があります。ここが日本のマシニングセンター3台、アメリカ製を3台入れました。それを量産試作で使った結果、日本が破れて、アメリカ製に決まり、すぐに60台もいれました。

アメリカ製の競争力は、北京、上海、広州を拠点にしてアフターサービスを行っていること、社員は、中国におけるトップを除いて全部中国人。北京だけで30人いるそうです。クレームがあれば翌日には飛んで行き、ビジネスは直販です。

日本では商社が2社もからんでいる場合もありますから価格競争力もありません。日本とアメリカ流の商売の仕方が全然違います、価格とサービスという合理性です。

中国では大学が商売をします。工学部では機械設備を持ちますから、それで物造りをして販売もします。また、設備を民間に貸して大学内で製品加工している例もあります。まさしく産学共同ですね。

鈴木 日本ではようやくセンターなどできていますが、まだ形だけなので、大学にも企業の人がきて共同研究するというのはこれからでしょう。

植田 中国のお話しが出ましたが、先生の大学には中国からの留学生の方はいらっしゃいますか。

鈴木 今、留学生は3人います。日本に来たい中国の学生は大変多いです。共通して言えることは、勉強あるいは研究をしたいという意欲が大変強いということです。

HZSに期待すること

植田 最後になりましたが、HZSに何を期待するか改めてお伺いしたいと思いますが。

高野 お客様からみて便利であることですね。

金型にもいろんな種類があります。また、金型の作り方も思想も各社違います。そのためには、ユーザからみて便利な会社である事が一番大事ですね。

若い人達が、車を買ったりパソコンを買ったり、いろんなオプションをつけて、自分の満足感を得ようとしています。

自社製品のこだわりなんか持つ必要はないです。もちろんメインの太い幹はないといけませんが、枝は他社のものでも何でも利用して、お客様が便利であるということが一番です。

たとえば、デパートの中はテナントがいっぱいです。それが消費者にとっては一番便利です。

植田 もともとの生い立ちはシステム・メーカですので、GRADEにはこだわり、世界一を目指します。

鈴木 歴史を見ると、HZSは来年で20年。はじめてGRADEをみせてもらったときから考えると、ソフトのデパートだけでなく、加工技術やシステム・インテグレーション技術を含めたデパートであってほしいと思います。そして、HZSは日本のメーカのリーディングカンパニーになっていかなければならないと思います。

自社製品にこだわるのではなく、自社開発力にこだわって、使い勝手のいいシステムを作って欲しいです。

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これは、お願いですが、大学でやっているような研究を実現化するための援助も考えて欲しいですね。

高野 先生方が考えていらっしゃることを吸収して協力しあう力が必要ですね。

植田 今日は大変有益なお話しを長時間にわたり本当にありがとうございました。グローバルな活動をしてシステム関連の事業で社会のお役に立つ、目指すところは、総合的なシステム・ソリューションをお届けするリーディングカンパニーです。お客様のニーズにより幅広くお応えするために、こつこつと細かい配慮をして、お客様のお役に立つよう努力いたします。これからもよろしくご指導をお願いいたします。

福岡県金型研究会

1985年、福岡県内の金型産業の振興発展のために設立。
金型技術に関する情報提供および会員企業の紹介、新技術の紹介のための機関紙「型研ニュース」を発行。
福岡県の金型企業を集めて、月1回技術的なディスカッションを開催。

  • 共通のモデリング形状に対して、モデリングからNC情報、加工までし、加工物の精度検定やモデリングの時間、加工時間など、各社の加工技術レベルを比較し、研究会内で切瑳琢磨している。
  • 会員からCAD/CAM、放電加工、ワイヤー加工などの技術的な問題を出してもらい、各メーカから回答してもらう。