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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.11 お客様事例

GRADE/CUBE-NC、GRADE DASH/DRAWを使った金型設計

株式会社村越機型製作所様は、自動車部品全般を取り扱っている金型メーカーです。エンジン周りの部品であるシリンダヘッド、シリンダブロック、マニホールド、インレットダクトなど非常に複雑な形状を主に扱われています。平成2年に最初に導入いただいてから定期的に増設されて、現在では13台のGRADEをフル稼働されています。

今回は、GRADE/CUBE-NC、GRADE DASH/DRAWを使っての金型設計、製造について、そして今後の課題などを中心に、代表取締役社長 村越誠様、設計課 課長 蛭田様、堀越様にお話をお伺いしました。

事業内容について

当社は試作木型及び金型の設計製作の仕事をしておりまして90%以上が自動車関連製品で自動車メーカー様と直接取引をさせていただいています。

仕事の内容としては、自動車部品でも、エンジン周りの空気の流れを扱うシリンダヘッド、シリンダブロック、マニホールドなどの部品が多いです。当社は、試作品が45%、量産品が55%の割合になっており、試作木型から量産金型まで一貫生産できるのが特長です。

人物写真
代表取締役 村越 様

試作木型と量産の金型を別々の会社で作ると、それぞれにモデルが必要になり不経済です。試作品からいろいろな検討を経て量産品になっていきますので、一貫して生産することでお客様のトータルコストを低減できます。

また複雑な形状や、難易度の高い製品を、短納期、高品質、低価格でご提供できることをアピールして営業しています。

GRADE導入の背景

以前は手作りでモデルを作り、倣い加工で金型を製作していました。昭和61年に自動プロを導入し4年ほど使いましたが、モデリングやNCプログラム作成に手間がかかり、今後の効率アップに期待できないことが判り、CAD/CAMの導入を検討し始め、平成2年にSUN版のGRADE/CUBE-NCを導入しました。

GRADEに決定した理由はいくつかあります。まずCADとしては、作成できる曲面の数が多く、モデラーの機能が他のCADより進んでいたので、複雑な形状を作成することが可能だということです。またマニホールドの形状が作りやすいことも重視しました。次にCAMとしては、その当時3次元での等高線加工、複合曲面投影加工ができるのはGRADEだけでした。また、現在では当たり前の機能ですが、当時シェイディングやダイナミックビューイングができて形状を理解しやすく操作性の良いシステムは唯一GRADE/CUBE-NCだけでした。自動プロの経験もあり、DNCシステムも構築してありましたので、導入して1.5ケ月程でGRADEを実務に使えるようになりました。立上がりは早い方だと思います。今では、自動プロとは比較にならない程効果がでています。GRADEを導入後は順調に売り上げも伸び、事業を着実に拡大しています。

設備構成

現在、GRADE/CUBE-NCが9台(その中の1台にGRADE/CUBEIIを入れています)、GRADE DASH/DRAWが4台の計13台です。設計からモデリング、NCデータ作成、そしてマシンによる加工、検査までを一貫して行うシステムを平成8年に構築しています。

工場風景 会社風景
挿絵

GRADE/CUBE-NC,GRADE DASH/DRAWを使った金型設計、製造

以前は自動車メーカー様から、紙の図面だけを頂くことも多かったのですが、最近はIGESやDXFで2次元データも頂いて金型設計に利用することが多くなりました。DASH/DRAWで描いた金型図もCUBEでモデリングする際に利用しています。また3次元データも頂いて利用していますが、そのままでは型にならないため、縮み代や抜き勾配、見切り面など型のモデルとして必要な修正を加えます。また、設計の段階から参画して型として成立するような部品の配置を提案するなど、お客様のところに入り込んだ仕事をしています。

型のモデル 型のモデル

デザインの変更や機能の改善の目的で、形状に修正が入ることがあります。お客様の手で修正した実モデルを測定して3次元モデルや2次元図面にするリバースエンジニアリングも4~5年前から手掛けています。その修正したデータをお客様にお渡しして、お客様のほうで解析用のモデルとして利用され、コンピュータシミュレーションを行い、実モデルとの比較をされております。

当社での仕事のやりかたですが、お客様から従来の半分の納期を要求されるようになってきていますので、コンピュータの台数を増やし,仕事を分散して一つの型を複数の人員でモデリングからパスまで作成しています。たとえば、1人でやる仕事を数人でやれば納期も短縮できます。このように御希望の納期に近づけるように日々努力しています。

パス落ちは、Ver.8以降少なくなりましたが目視で見つけています。パス落ちではありませんが、切削に不適当な動きをする場合もありますので、そのチェックもおこなっています。パスの評価をするソフトも使ってみましたが、どの部分をチェックしたらいいか経験で判っていますので、目視したほうが早いです。

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設計課 課長 蛭田 様

当社は常に効率アップを考ええています。効率アップするには、いかに人間の作業を少なくするかで、マシンの使用時間を長くするかで、機械にできることは極力機械にやらせることです。加工に関していえば、人的工数は短くなっています。通常は試し彫りをして加工しているところが多いと聞きますが、当社は一発加工をしており、荒加工から仕上げ加工までマシンをストップすることはありません。トラックのマニホルドなどの大物になると、連続10日間(240時間)程度をノンストップで加工しています。

社員には帰宅する前に必ず、マシンにセッティングして夜間に無人加工するように指導していますので、マシンの稼働率は高くなっています。夜も貴重な時間ですから、少しでも加工できる時間があれば、マシンを稼働させます。

また、たとえば切削時間が20時間のNCデータの加工を12時間でマシンを止めなければいけない場合には、止めた後からのNCデータに編集し直すよう工場から設計室に連絡して、無駄のない効率の良い加工を心がけています。

現在では、NCデータの作成がマシンの稼働時間に追いついてきましたので、マシンの空きを待つようになりました。

社員教育

当社の平均年齢は33歳です。13台のGRADEがありますので、1人1台で13名で使っています。

これまで社内の教育は、実践で仕事を覚えていくというやり方でしたが、実務の忙しい中で基本的なことを教えていくことは難しいことです。そこで社員の技術力を上げるために、教育に力を入れていきたいと考えています。いろいろなノウハウを伝授していくために、教育もマニュアル化していきたいです。

将来的にソフトの機能は良くなってくるので、それを操作する社員のレベルを高めようとしています。パソコンでも使いこなす人がいて、はじめて威力を発揮しますが、使えなければただの箱にすぎません。

どこの会社でもCADを導入していますので、他社との差別化をどこで図るかを考えなければいけません。このままでは、低コストか短納期の競争になります。先ほどもお話しましたが、当社は、他社が嫌がる難易度の高い製品を取り扱うことで他社との差別化を図ろうと営業していますが、それだけではなく、その納期やコストもお客様の要求に沿えるように常に社員のレベルアップを行っています。

社員の向上心、研究心が非常に高い会社で、たとえばGRADEが新バージョンになると、新機能を使って効率アップできるかの検討を行い、できるものはすぐに取り入れ、コストに反映しています。

現在、勉強中の若い社員が多いので今後を期待しています。

今後の取り組み

自動車メーカー様もソリッドデータでモデルを作成することが多くなっているようなので、今後はソリッドモデラーの検討もする必要があります。テスト的にソリッドデータを面データに変換してみましたが、そのままでは使えませんでした。お客様のソリッドデータをGRADE/CUBEIIに取り込んで、GRADE/CUBE-NCでNCデータを作成できないか現在検討中です。

また、ボスやフランジ、巾木などの形状はソリッドで作成したほうが早い場合もあるので、ソリッドと曲面をうまく使い分けることにより、モデリングする時間を短縮できないかと考えております。

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設計課 堀越 様

現在加工に使うカッターを標準化してありますので、今後GRADEの削り残し加工機能が充実すれば、加工工程設計(IM)を利用して加工パターンも標準化していきたいと考えています。

等高線最適化加工、削り残し部中荒加工、隅残し部仕上げ加工機能が完全に使えるようになれば、NCパス作成時間、加工時間が約2~3割短縮できそうです。そうなれば、今3台ある高速加工機をもう数台増やして、本格的に高速加工での切削を始める予定です。

それから、昨年工場を増設したときにISDNを引きましたので、お客様の機密保持やインターフェース等の問題がありますが、将来的にはデータ通信を行いたいと考えています。

お客様にいつまでもかわいがっていただける企業でありたいので、今後も常に研究と努力を続けていきます。

HZSについて

HZSにはGRADEのNC機能をより充実させるためにも、金属を切削するときの特性や、いろいろな加工のノウハウをもっと勉強してほしいと思います。HZSは加工技術センターを開設されたそうなので期待しています。

HZSはユーザの細かい要望を聞いてくれます。出した要望がすぐに聞き入れられるわけではありませんが、次期バージョンなどで反映されたシステムがでてきます。SEのサポート体制もいいと思います。

おわりに

株式会社村越機型製作所様にお伺いして、従業員の皆様の常に向上していこうという熱意を穏やかな中にも感じました。工場内を案内していただいて、鋳造型のことをいろいろと教えてくださいました。実際にシリンダヘッドを見せていただきましたが、非常に複雑な形状で、どのように作成されているのか見当もつきませんでしたが、複数の型を組み合わせて1つの製品が完成していくことなどを教えていただき、非常に勉強になりました。

大変お忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

会社プロフィール

本社川崎市幸区南幸町3丁目86番地
創業昭和13年(有限会社)
資本金2千5百万円
従業員30名(平成10年)
主な営業品目自動車関連部品(シリンダブロック、シリンダヘッド、インテークマニホールド、その他自動車鋳造品全般)の木型、金型
福島工場福島県東白川郡棚倉町上台字古宿66-6(昭和50年)
製品
シリンダヘッド
製品
インテークマニホールド
製品
インテークマニホールド
会社写真
福島工場
工場写真
工場全景