人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.26 | 社長インタビュー
RPへの期待 ―短納期の実現―
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HZS
専務取締役 石塚 敬

石塚 HZSで、最初にEOSを訪問したのが私と前田であったといういきさつから、進行役をつとめさせていただきます。これから期待されるRPの分野でEOSINTをご利用いただいています皆様の取組みや今後への期待などお伺いしたいと思っています。
最初に各社様のご紹介と、どのようにシステムを使っておられるかご紹介していただけますか。

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沖電気工業株式会社
マニュファクチャリング
サービスカンパニー
生産本部 メカトロ試作部
生産技術開発チーム
西山 和也 様

西山 沖電気工業株式会社の西山です。1998年の夏にEOSINT-Mを導入し、ずっとDirectMetal50(ブロンズニッケル系材料)を使ってきました。当社ではスタートの時点から社内の量産品に適用するという方針がありましたので、量産に耐えられる金型を作るということで、進めてまいりました。
DirectMetal50の金型品質に限界が見えてきた頃、DirectSteel50(鉄系材料)がリリースされ、時間がかかりましたが評価していく上で、これならいいものができる感触を得たので装置を鉄系対応に改造し、今は鉄系をメインにしています。

また社内でも量産にこだわらず、試作から適用するように取り組み、外部からも注文をいただくようになり、外販にも注力する方向に変わってきています。

当社が扱っている製品は、金融端末ATMや自動発券機などです。それらの製品の内部メカ部品に造形金型を適用してきました。ギア部品は、効果が出にくいので、搬送系の小物や、レバー、メカまわりのカバー部品です。鉄系になり、造形金型の品質もあがりましたので、今後試作品からスタートし、外装品への適用も検討しています。

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株式会社コンネット
SE部
部長 川崎 祐一 様

川崎 株式会社コンネットの川崎です。当社は、従来のEOSINT-Pナイロン造形体制に、EOSINT-Pのポリスチレンの機械を増設して、ポリスチレンでのロストワックス鋳造を協力メーカさんと進めていくことに力を入れています。
私自身は、オペレータをやりながら、技術営業という立場でお客様の所へ行って、他の光造形やRPの機械のメリット、デメリットの交渉をしたり、形状が造形できるかどうかなどの打合せ等をやっております。

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樫山金型工業株式会社
技術部 技術課
課長 丸山 和生 様

丸山 樫山金型工業株式会社の丸山と申します。名前のとおり金型が専門のメーカですが、金型だけではなく、もう少し幅広い業務をしていこうと取組でいます。

金型を起こす場合に、部品の形状や、金型の耐久性などについて、上流側で事前に検討していただくよう金型メーカから提案していく必要があるだろうと光造形機の導入を考えていました。

EOSのシステムを当社のトップが見つけてきまして、HZSさんとEOSに見学に行かせていただきました。このシステムは金型を作る技術がないと使いこなせないというのがありましたし、当時国内の台数も非常に少なかったので、参入していくには一番適当なマシンだという判断で導入しました。

当社も西山さんのところと同じで、最初にDirectMetal50を進めていましたが、金型を作るとなると、強度面で問題が出てくるケースがありましたので、昨年の11月に鉄系のパウダー、DirectSteel20に切り替えました。
今はお客さんから金型も受注しており、金型以外の金属製の部品の話もいただいていまして、金型と金属部品の比率は半々ぐらいです。

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株式会社ジェイエムピー
山田 晃裕 様

山田 ジェイエムピーの山田です。当社はプレス金型屋ですが、私がCADのオペレータをしていた経験もあって、社長と何か別なことをしようと、まず光造形機を導入したら何ができるか探してみました。

粉体の装置ならヨーロッパのドイツがいいのではないかと、EOSを訪問しました。

EOSINT-Pですと、クールダウンが庫内冷却ではなく、造形時間のほうを主としていけることもあって、会社の命運をかけるような形で1台入れ、翌年に2号機を入れました。1号機のときはトラブル続きで、これはたまらん、どうしても2号機がいると2号機を導入すると、トラブルが起こらなくなりました。
最初はナイロンが主でしたが、自動車関係が多いこともあって、どうしてもガラスを入れてほしいという要望があり、今はガラス入りのナイロンが一番多いです。

鋳造のほうもやってますので、ポリスチレンのモデルも少しやってます。

EOSINTの効果

石塚 EOSINTをお使いになられて、その効果や今後の可能性についてお話いただけますか。

西山 造形金型の品質としては、十分に量産に耐えられるレベルまであがってきています。

同じ速度で造形した場合、ブロンズニッケル系より鉄系のほうがかなり高密度になります。鉄系になって、切削型をも追い越す型ができるという可能性がかなり広がっています。機械仕上げをしたとしても、造形の間に、切削のパスを作れるので、トータルで比較しますと、形状にもよりますが、40%製作期間が短縮できた実績があります。

加工のほうも、担当者からの声では、仕上げの時間が随分早くなったということです。手で仕上げるのは時間がかかりますので、嫌がられることがありますが、機械でひとかわ剥いてから仕上げたほうが、手間なようだけど早いという仕上げ担当の方の感想です。

ただ、従来の切削型と造形型との切分け、効果が出る出ないの境目が、感覚で身についている部分が大きく、定量的な指標が見つけきれていない状況です。

川崎 個人的にはEOSINT-Sが一番性能が優れていると思います。パウダーの再生率も非常に高いですし、機械の安定度も高いです。造形物も非常にすばらしいものができるので、目的にあったものを作れます。

EOSINT-Pは、造形物がそのまま製品になるので、試作ベースのものができあがってきます。

日本では、RPと言えば光造形と思われがちですが、EOSINT-Pの一番のメリットは材料で、材料性能の高さが違います。紫外線で硬化した樹脂と、実際に焼結して固まったナイロンの樹脂とではぜんぜん物性が違いますし、焼結では、設計した製品そのものができることが非常に売りになりました。材料的に一番だということで、素材としての受注もありました。お客さんはそれを加工して使っています。

EOSINTで求められるのは、精度ですね。家電さんでは、コネクタの入る小さい穴など微細形状が、埋まってしまい、今は追加工対応をしています。

特に家電メーカさんは1/100分台の寸法を求められます。スライドする部品やシャフトなど機構部品が多いので、EOSINTの表面粗度ではダメだとどのメーカさんからも言われ、何か方法がないか検討しました。造形の後にエンドミルやリーマで加工すると、25くらいの面粗度が出て、非常に好評価を得ることができました。

金型のように台にドンと置いて加工できないので、EOSINTを使って製品を造形し、その3次元データを裏返しにして、加工用の治具も一緒に作って、その治具にEOSINTの製品をのせて一発仕上げを入れるという加工方法を提案したところ、非常に好評価を得ることができました。

あとはコストですね。光造形と比べられますが、光造形では、変形したり材料の特性が変わりますが、1ヵ月後でも形状を維持し、加工もできる材料性能を見てくださいと言うと、たいていのお客さんが納得されます。

RPの中で一番耐熱性が高いので、170度超えるプロジェクタのランプカバーや、食器乾燥機の熱のかかる部品に対応できるという点が非常に評価が高かったです。

もうひとつは、造形枠の大きさです。お客さんからは2方向に500mmはほしいと言われています。これは、EOSINT-P700を本年導入しますので解決できます。

丸山 当初は試作型に焦点をあてて、営業をしていました。西山さんのところと同じで、コストや納期という点で、造形によってメリットの出る金型と出ない金型があります。比較的、形状が複雑で、細かい加工が必要なものにはメリットがあります。また、金型作りの中で放電加工の占める割合の高いもの、放電加工ですと電極や加工用のNCデータも作らなければいけないので、複数の加工が必要になりますが、造形では、1工程で全部流れます。放電加工が多ければ造形機を使うメリットは非常に大きいと考えています。お客さんにもそのように説明をしています。

金型以外には、自由な冷却回路を作成できることを活かして、いくつか部品も受注しており、今お客さんにテストをしていただいています。

造形機を持っていることで、営業の幅が広がり、造形機を入れてから、新しいお客さんとかなりお付き合いさせていただくようになっています。

造形での精度がもう少し上がれば、もっと効果が高くなると思っています。

造形時間には多少問題がありますが、DirectSteel20は金型として使った場合には、成形上の問題はおきていませんので、パウダーは非常に優秀だと思っています。

造形エリアをいっぱいに使うような、造形体積が大きい部分を持つ金型は、コスト面でメリットがでにくくなります。キャビティとコアが一緒に造形できる大きさであれば、当社にとってもお客さんにとっても、メリットがでると思います。

山田 先ほど川崎さんの言われたことが大半です。効果そのものはあると思います。ただその場合に、お客さんとの打ち合わせが必要で、先ほどのように加工が必要だとか、最終仕事に対して、効果があるように持っていかないと、効果がでないものもあります。

納期の面では、一番最短で、翌日送って欲しいというものをEOSINTで対処しました。かなり早かったですね。納期的にはかなりメリットがあったと思います。

関西だけなのかもしれませんが、加工を入れた納期をいただけないので、加工せずに送らないと、納期に間に合わず、加工は少ないですね。

材料的には、ガラスが入ると、扱う製品が大物になり、無駄な材料、変質してしまう材料がかなり多く、コスト面でかなりきついと思います。

鋳造のメリットは高いと思います。

以前、すぐRPで作って欲しいとお客さんが来られて、作ってお納めしたら、精度はいいんだけど透明じゃないのですねと言われました。やはり「RP=液体」という認識がまだまだ多いですね。

前田 光造形の値段がかなり安くなっているようですが、山田さんのところでは、まだまだ強気で営業活動されているのですか。

山田 今はまだ、できるだけ強気でいってます。やはり、いいものはいい、あかんものはあかん、「ええもんは高い値段で当たり前やで」でいかないと、この景気で、デフレスパイラルの中に入って、それと同じ話にはまってしまうと思います。

ですから、お客さんが高いと言っても、後の効果を考えると、高いものは高いんですと、かかる経費はいただかないと、会社として維持ができません。

問題点

石塚 今まで使われてきたご苦労や問題点などお話いただけますか。

西山 使いこなすのに苦労してきました。

スタートをかけてから最初の数層は、安定して供給されているかどうかの確認が必要で、手がかかります。

造形物の写真
EOSINT-Mの造形物

短納期の場合、特に大物は失敗は許されないので、そのあとも安定するまで見ていなければなりません。

さらに大物では、パウダーの補充が必要になります。補充時に、造形物が冷えますから多少段差が出ます。

短納期、低コスト化という方向に進んでいく中で、装置を操作している時間を短くしたいのです。スタート直後の数時間が、かなりロスになります。自動エラーチェックでリトライをかけるような機能を盛り込めば、手離れのいい装置になると思います。EOSに現地でその要望は何度か言いましたが、その時間はコーヒーブレイクだと言われました。これはお国柄の違いで、日本ではそんなことしていられないのですが...。

また、金属部品造形の場合は反るのを引っ張り込んで押さえておくサポートが必要ですが、そこも金属ですから、手でバリバリと光樹脂造形みたいに取れるものではありません。そのサポートがあるがために、なかなか部品の世界に踏み込めず、効果が出しにくくなっていると感じます。

石塚 丸山さんところは、どうされていますか?

丸山 試作屋さんと同じような感覚で取っています。最初から裏表の加工ができるような作りにしておいて、造形面をひっくり返して、裏側のサポートを、マシニングセンタでバリバリと気持ちよく取ります。

西山さんがおっしゃったように試作品、部品の供給というところもやっていかないと、システムの能力として、金型だけではもったいないという気もします。

西山 あとは造形条件ですね。鉄系の推奨条件は、かなり完成度の高いものが出てきていますが、造形時間を短縮するために、どうしても条件を変更せざるを得ません。条件を変更しても寸法精度の出る指標があればいいですね。そうすると、ユーザはいろいろ試してみれますので。

ただ、誰でも簡単に作れるようになった時点で、日本から装置もろともさよならして大陸に飛んでいってしまうと思います。そういうノウハウ的な面が必要なので残れているという気はします。

川崎 EOSINT-Sに関しては、当初は、自重に耐えれない、触ればくずれるという話でしたが、国内でも新しい砂が開発されてきましたし、今は問題ないですね。

大物を扱っているところで造形サイズが問題になりましたが、自動車メーカさんでは十分だったので、特に問題はありません。

造形物の写真
EOSINT-Pの造形物

ほとんどの工程が自動化され、クリーンな流れになっていて、稼動させるのも20分ほどホットケーキ(造形の土台)を焼くと造形できますし、今はサポートレスになっていますので、メリットだらけだと思います。

EOSINT-Pに関しても、あまり問題はありませんが、パウダーについては、EOSINT-Sではほぼ100%再生できますが、EOSINT-Pでは、再生率が悪いですね。造形の工程上、常に熱が加わっているので難しいのなら、パウダーのコストを半分にしてほしいですね。

また、造形が終わったら、mailで教えてほしいですね。これはすぐに対応できることだと思います。EOSINT-Pは庫内冷却ではなく、外で冷却できますし、庫内と外では、冷却時間が全然違いますので、夜中でも特に特急ものは、早く出したい。終わる時間の検討をつけて、わざわざ夜中に出ても、1~2時間はずれてしまいます。システムの状況「終わった」「失敗した」などmailで送ってくれる機能が是非ともほしいですね。

丸山 日本では、24時間体制で短納期化を実現することをせまられています。夜中でも待ち時間にコーヒー飲んでいる場合じゃない、すぐ次の作業にかからなくてはいけないし、すぐ不具合の対応をしなくてはならないので、絶対に必要な機能だと思います。

問題点に関しては、西山さんのところとほとんど一緒で、造形時間の問題が一番大きいです。

今受けている金型の納期が約1ヶ月ですから、造形の納期は10日前後。4~5日でやってほしいというお客さんもいらっしゃいます。それに対応するには造形時間を短縮しないと追いつかない。量産型と競争して半分以下でないと、早いと感じていただけないと思います。

また、レーザの位置決め精度とベースプレートの位置決めが、きっちり決まるようなシステムになってくると、後の工程が非常に楽になると思いますね。多少ソリが出ても裏面を研磨かければ、そのまま次の工程に持っていけるようなレベルにしたいと思っています。

あとは精度面をもう少しあげたいと思っていますが、レーザの性能上、厳しいところもあると思います。

前田 DirectSteel20が出てきましたので、パラメータの設定だけで造形時間が早くなる可能性があります。

丸山 ありますね。今、DirectSteel20で造形時間を早くしようという試みをしているところですが、まだ満足のいく結果は出ていないですね。

山田 パウダーの値段が一番大きいと思います。そのコストのせいで造形の金額も上がってしまいます。

造形物の写真
EOSINT-Sの造形物

また、雷などで瞬停したとき機械が止まってしまうので、UPSを付けてほしいです。

原因は不明ですが突然機械が止まることがあります。不安の中で常に造形していかないといけないところが困っています。

バージョンアップをすると能力アップしているので、メリットがあります。でもまだ1号機はコストの点でバージョンアップしていませんので、旧型機に対して、パラメータや材料が保証されず、新しい材料が出ても1号機で使えるのかどうかわからず困ります。

やはり一番大きなのは、コスト面ですね。

前田 日本ではEOSのパウダーはDTMのパウダーの半額くらいです。それでもパウダーのコストが高いと問題になるということでしょうか?

山田 DTMのパウダーが倍してるというのは知りませんでした。

前田 EOSINT-Pのサービスビューロさんは現状3社ですが、増えても、ニーズはあるでしょうか。

川崎 EOSINTでは実際に使える機構部品ができるので、サービスビューロが増えても、仕事の量は確保できると思います。多品種少量生産、年間にあまり数が出ないものの量産部品として、金型なしでということになれば、EOSINTは量産機になるような気がします。

まだEOSINTのことを知らない人が多いので、後は売り込み方だと思います。EOSINTの小さいスペースの中で情報がまわっているだけで、外にいってない。外に行けば、まだまだ商圏はありますし、その実力を持ったものだと思っています。

石塚 丸山さんのところは、DirectSteelを入れられてショットピーニング対応ということで、評判はどうですか?

丸山 評判はとてもいいです。磨いたものを見ると、とても焼結の金型とは思えないとおっしゃいます。

なおかつコストなどの魅力を付加していければ、より一層商売ベースにのってくるという気はしますね。

お客さんからこの造形機でなければだめだと言っていただくために、今一番求められている事は精度とコストと納期。金型の納期が短縮される中で、切削加工で対応できないところをEOSINTで、うまく補っていけるようなシステムにしていきたいと思っています。

西山 最近ダイキャストの引合いがあると思うのですが、そのへんの感触はどうですか。

丸山 ダイキャストの引合いは非常に多いです。ただダイキャストになると、成形側の条件が非常に厳しいですから、それなりの強度をつけなくてはいけない。強度をつけるには造形時間がネックになってきます。その見極めについての検討段階ですが、ニーズは確かに多いです。

今後の期待

石塚 最後にご要望や期待することなどをお話いただけますか。

西山 EOSINT-Mを使い、効果を出すのにかなり苦労してきましたが、未知数の魅力がいっぱいあります。

今まで従来工法にとらわれて作っていた部品で、EOSINT-Mで作ればすごいという物が何かあれば、それを見つけた者の勝ちだと思います。

私たちも自分のところだけで技術を蓄積するのではなく、情報を公開しながら、HZSさんの営業をとおして、我々の技術を宣伝していただきたいと思います。

また、お客さんの新たな情報は、できるだけ早く教えていただければと思います。

川崎 まず1つはEOSINT関係の情報がHZSさんから非常に早くリリースされるので、お客さんに最新の情報を紹介することができ、すごく感謝しています。特にEOSさんは開発が早い会社ですから、正式リリースになる前でも、どんどん情報を出してほしいですね。

2つ目は、サービスビューロアライアンスという複合した形でやっていますから、お互いに得意な部品を持ち寄って製品を作る、例えばある部品はA社、ある部品はB社で、ある部品はC社で作り、HZSさんのテクニカルセンタに飾るということにも挑戦したいですね。

西山 それはいいですね。是非やりたいですね。

川崎 それぞれの部品を作るノウハウも盛り込めれば、すごくインパクトがあると思います。HZSさんからそのような提案をしていただけると、アライアンス自体も活気づくと思います。お互い負けないように作る、わからないところは聞いたりすることで一層、技術力も向上すると思います。是非検討していただければと思います。

前田 是非、検討したいと思います。

丸山 EOSINTについては皆さんが話していますので、私は、全般的な話をしたいと思います。

造形物の写真
EOSINT-Mの造形物

HZSさんは、金型メーカを全般的に支援していただいていると思っています。金型メーカ自体、国内で大きいところは数が知れていまして、中規模以下のところが多いと思います。さらに規模の小さい型メーカさんもたくさんありますので、少人数であっても、大きなメーカに負けない、人が少なくてもシステムでカバーできるような、EOSINTにしても、CAD/CAMにしても、解析にしても、モノづくりの面から金型全般的なサポートをお願いしたいと思っています。

日本でCAD/CAMシステムを作っているメーカはいろいろとありますが、守備範囲が広く、ある程度深くまでやっているのはHZSさんだと思っています。メーカさんに一番近いところから、成形、塗装やアセンブリの樹脂もののところ、いわば製造業の入口から出口までの幅広い範囲で、システムを安くうまく使っていくサポートをしていただけると、当社のような金型専門メーカとしては助かります。私が今の時点で一番期待したいのが、そういう部分ですね。

山田 地方格差じゃないですが、東京、大阪、広島、九州という格差を社内で縮めてほしいですね。

対応もその格差によると思いますので、営業マンを東京で教育されて、生の声をお客さんに伝えると、もっとお客さんに浸透すると思います。現状、お客さんが関東や中央部に多いのは、HZSさんが認識されてる認識度に比例すると思います。

石塚 わかりました。私どももできるだけ早く対応していきたいと思います。

前田 Mに関しましては、DirectMetal50(50ミクロン積層厚のブロンズニッケル系材料)から始まって、次に鉄系50ミクロン、その次に鉄系20ミクロンときて、我々の認識としましては、この5月に発表されるDirectMetal20(20ミクロン積層厚のブロンズニッケル系材料)がひとつの完成だと思っています。大きなものを造形したときの造形時間、たわみの量、表面品質すべてが今までもう1歩でしたが、これを解決するものであると認識しています。

人物写真
HZS RPシステム部
部長 前田 寿彦

DirectMetal20が、EOSINT-Mの世界を変えると思っています。Mに関しましては、今年が勝負の年だと思っていますので、ぜひ期待していただきたいし、チャレンジしてほしいと思います。

EOSINT-Pに関しましても、今年からP-380という新しい機械になり、造形時間はさらに短く、パウダーも自動的に供給できるようなオプションもつけられますし、表面品質も非常によくなっております。

EOSINT-Sに関しましても、レーザのパワーが2倍になったS-750が出ます。これは、造形時間が約1/2です。

皆さんがRPでEOSを選択していただいたことは、自信を持って正解だったと言えます。

西山 これまでやってきたように、早くDirectMetal20の特性を評価してみたいですね。表面品質、強度、硬度などがどの程度改善されたか確認してみたいです。

前田 さらに、EOSも、日本の要望というのは、世界で通用するための必須条件だという認識があるので、EOSは日本の要望を次に出してくる機械には全部盛り込んでいます。

EOSINT自身もどんどん良くなるし、サービスビューロも、我々の販売も全部良い方向にいくと思ってます。

山田 1つ大きな要望ですが、今現状はEOSINTを使っているユーザは、すごく少ないと思います。その現状の中で、バージョンアップを繰り返されると、バージョンアップ費がかさんで、きついと思います。

ですから、バージョンアップは、なるべく採算を無視してやっていただきたいと思います。まだ、初期の段階で皆さん苦労されていますので、その苦労分、あるレベルまでで結構ですので、頑張ってバージョンアップしてほしいと思います。

前田 EOSのいいところのひとつは、5年前に買った機械でも、今の最新スペックにアップできるということです。アップグレードを非常にリーズナブルな価格でということは、我々の頑張れるところと、EOSの頑張れるところとあると思いますが。

石塚 今日の皆さんのお話をお伺いし、サービスビューロのお客様の結びつきが強いこと、非常に前向きに取り組んでいただいていることが再認識でき、有意義なお話をお伺いすることができました。貴重なお時間を本当に長時間ありがとうございました。