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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.27 お客様事例

建設業界向けOracle E-Business Suiteテンプレートによる経営管理体制の構築

住友電設株式会社様は、時代を先駆する創造性、ヒューマンな快適性、社会のニーズに応える信頼性の有機的な統合をコンセプトに、高い技術力をベースに、企画・設計・施工・保守・リニューアルまで、高品質システムをトータルプロデュースする、総合設備事業のクリエイティブ・カンパニーです。

今回は、BPR(Business Process Re-engineering)の取組みの中で、ERPとしてOracle E-Business Suiteを導入された背景、成果、今後の課題などを中心に、情報システム部長 山下勉様にお話をお伺いしました。

事業概要

当社は、電気設備を中心に情報系も併せた設備工事業全般に亘る業態を有し、大きく3部門制をしいています。

その1つは歴史的にも永い電力部門で、電力の流通に必要な架空送電設備、地中送電設備、変電設備など、多くの施工実績があります。より高い安全性と確実性を実現する新技術の研究・開発も行っています。また、光をはじめとした情報通信の伝送路分野でも高品質管理体制の強化に注力しています。

もう1つは、電気設備部門で、高度情報化時代を象徴するインテリジェントビルをはじめ、さまざまなビル建築物における、電気設備、空調設備、情報通信設備、さらには既存のビルのインテリジェント化、リニューアルなど、ハイクオリティのシステムをトータル的に構築しています。前3月期で6割強と、一番大きいシェアになってます。

ビル建築物の図
人物写真
情報システム部
部長
山下 勉 様

3つ目は、新しい分野の情報通信部門です。この部門には2つの事業部を有しており、その一つはLAN、WANを中心に各種ネットワーク・システムの企画、設計・施工、保守・運用までを全面的に支援しています。他方として、現代生活では必需メディアとなったCATVや放送システムのパイオニアとして、各種無線通信設備、大規模な都市型CATVなどのシステム設計から調査・施工・メンテナンスまでの一貫フォロー体制を整えています。更には、高度情報社会の進展に伴う移動体通信などの狭域メディアやこれらを結ぶ広域通信ネットワークなど、新しい情報・通信網の構築にも取り組んでいます。

これら既存の事業で培った技術力やノウハウを基に、風力発電、太陽光を利用した発電など地球環境を考えた新しい取り組みもはじめています。

Oracle E-Business Suite導入の背景

■導入前のシステム

元々は経理システムを中心に汎用機で運用していましたが、その後、オフコンを使った分散型の部門システムを構築しました。経理部門は、会計システムを東京・名古屋・大阪の3部署で運用し、情報システム部門でデータを集約(1日に1回、バッチで3地区のデータを集配信)する形態を採っていました。一方、事業部門側では、受発注に関わる管理(OE)、請求、購買(PO)業務に関わるところを運用していました。

全社的な管理も必要ですので、すべての支店(全社で約20拠点)にオフコンを設置し、LAN接続分も合わせ32台のオフコンを通信回線で結んで運用していました。

■導入のきっかけ

1999年に新しい世紀を迎えるにあたっての「新企業理念」が打ち出され、この理念に沿った4つの構造改革事項への取組みがはじまったのです。その時点で既に、決算日程を4日に短縮するための基幹システムプロジェクトが発足していましたがこれに留まらず、施工現場においても、今までの仕事の進め方や収益体質を見直さないと、当社が生き残れないという危機意識の下、生き残りを賭けた「利益体質への構造改革」に取り組みを始めたわけです。

仕事のやり方を見直し、受注力を高めるとともに、利益の出せる仕組みを作る、更には顧客満足度を上げる「プロジェクトマネジメント(PM)の導入」と経営管理(部門別管理)に必要なデータを整備し、活用できる体制を作る「基幹、間接業務の統合(ERP)」をベースに、システム開発と社内業務プロセスの改革を実現するための取り組みと位置付けました。

2000年6月に「基幹、間接業務の統合(ERP)チーム」の担当に任命され、基幹系の統合化すなわち基盤整備のための進め方を検討してきましたが、2000年9月からアクセンチュアにコンサルタントとして参画いただき共同作業が始まったことで、2001年1月までの4ヶ月で基本構想を策定と、作業が加速化しました。

SIルームの写真
戦略情報システム
(住友電設様のSIルーム)
このSIルームで、BPRプロジェクトの
プレゼンテーションが行われた。

■「基幹、間接業務の統合(ERP)」における10項目の改革ビジョンの提案

■Oracle E-Business Suite(HZSがご提供する受注生産型企業向けEBSテンプレート)
 の採用

この改革ビジョンを実現するためには、現行の仕組みや管理レベルの大幅な見直しが必要で、そのためには、今までのオフコン・システムには限界があり、種々のコンピュータ・システムの検討を進めた結果、ERPの導入が必要だという結論に達し、2001年2月からERPの選定作業に入りました。

ERPのベンダー各社にヒアリングをするため、「当社が必要とする要件を満たすため、何を提案していただけるか」というアンケートを実施しました。

最終的に大手2社からの提案をベースとしたデモを見せていただき、建設業における導入実績、プロジェクト管理機能、システムの柔軟性という面からも比較検討を重ねました。オラクルからはOracle E-Business SuiteのHZSが提供している「受注生産型企業向けEBSテンプレート」の推薦を受けていたこともあり、これを採用することで導入作業に着手しました。

2001年6月から設計着手し、10ヵ月後の2002年4月に稼動という短期間での導入目標に不安はありましたが、前へ進むしかないとの経営トップの強い意志に押され、邁進してきました。HZSの絶大な協力体制もあり、計画どおり10ヶ月でカットオーバができましたこと、感謝いたしております。

構想図
テンプレート構成図
□の枠内が、HZSがテンプレートにより開発したシステム
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

EPR導入の成果

まだまだ現状の整備に追われているところもありますが、管理計算がきちんとできる仕組みの構築にとどまらず、経営管理へどうつないでいくかがこれからの大きな課題になります。

■業務プロセスの主要変更点

■事業部側既存システムとの調整

情報通信システム事業部が運用している「SUCCESS」やPM導入にあたり電気設備部門が工程や出来高評価面を重視して新たに開発中の「PMシステム」とのインタフェースを実現。

■営業戦略の再構築

受注力強化の側面から、案件管理や顧客情報の管理を目指し、ERPの一端として新たに構築。

■経営情報の整備

今後の展開

ERPの導入は、すなわち基盤整備ですから、これによって即、経営が変わるものではありません。

現状は、既存のシステムとして残した事業部システムのSUCCESS(受注、売掛・請求管理)、積算システム、人事管理、リース管理などとも連携が取れた運用となっています。決算処理も既に4月以降、この8月まで無事に実施してきました。

しかし、期末決算や年度決算は未だ経験していません。一部テストを終えたものもありますが、一部はパイロット運用であったりと、まだ全て適用にはなってません。

また、仕組みはできましたが、扱うデータ類が使い勝手の良い適切な仕組みになってるかどうかです。従来のオフコンでは、たとえば「実行予算」は単に最終目標値の数字があればよかったのですが、財務という視点で見ると期中完工対象の9割ぐらいが期末月の計上処理ですから、期末を待たないと本当の数字は見えません。これでは非常に不安な経営になります。

ERPでは、実行予算に支払いのスケジュールなどを組み込んで、管理会計上で出来高に見合う数字をはじき出す仕組みとしました。工事というものを、今月どれだけできたか、来月はどれだけを予定してるか、期末にはどこまで到達しようとしているかということが見えてはじめて経営であると言えます。今までのように、結果集約ではなくて、見通せる仕組を作ることを目指してスタートしています。

3部門制の運用という点で、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、キャッシュフローを部門ごとに速やかに把握し、次の経営・アクションにつないでいくことが狙いです。

HZSには、データを入れる入れ物、つまり基盤を作っていただきましたので、これからは、タイムリーにしかもこれまで以上に詳細なデータを入れて運用していくのは、我々側の役割です。それが常態化してはじめて、効果を生み出すための準備ができた段階に到達と言えます。

HZSへの要望

漸く本来の業務改革へのスタートラインに立ちましたので、機能の拡張や使い勝手を良くするための変更がこれからも出てくると思います。それに対して、HZSの皆さんに協力していただき、早期実現に向けて取り組みたいと思います。

オラクルには、マイクロソフトの動きとうまく合致していないと感じるところもあり、マイクロソフトの動向との整理をしていただかないと、我々ユーザ側からすると、非常に使い勝手が悪くなる、新製品が調達利用できないこともありますので、うまく連携して、新しい環境に適合した進め方ができるようにしていただきたいと思います。

HZSでは、「建設業/エンジニア業向け総合事務計算EBSテンプレート」という位置付けで新たな顧客向けにアプローチされようとしていますので、これは我々も大いに協力したいと考えていますし、仲間を増やしていただくことはありがたいと思います。ありがたいというのは、逆にいろいろな機能や新しいノウハウが還元していただけるものとも期待しています。

テンプレートは変えないほうが良いということで、基本は変更せずにきていますが、モジュールごとに多少扱いが違っていたりしますし、画面のレイアウト、用語の使い方、数字の入力などが整備され、更に洗練されてくると想っているのです。

おわりに

開発着手から稼動まで、10ヶ月という短期間での導入を実現され、また、見事な設備のSIルームも見学させていただき、リーディングカンパニーとしての総合力を実感しました。

大変お忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

会社プロフィール

会社写真
大阪本社
大阪本社 大阪市西区阿波座2-1-4
東京本社 東京都港区芝2-2-17
創業 昭和25年4月
資本金 64億4043万円
従業員 1,627名(平成14月6年)
売上げ高 14百億円(平成14年3月)
営業品目 電気設備、空調・給排水・衛星設備、プラント、
情報通信設備、電力流動設備 など
営業品目の写真
情報通信設備
営業品目の写真
情報ネットワーク
営業品目の写真
光ファイバーケーブル
連続敷設機

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