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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.40 お客様事例

3次元データとシステム活用により
時間とコスト削減・効率化を促進

株式会社フジ技研様は、お客様に速く・安く・正確に製品をお届けするために、三重本社および株式会社フジ技研カゴシマにおいて、データの一元管理によるトータルサポートにより、図面1枚もしくはデータ1つから製品を製造できる体制を築いていらっしゃいます。ものづくりにおける「3次元化」にいち早く着目し、3次元データを活用して現在の体制を確立されるまでの取り組みや、時間短縮とコスト削減、そしてさらなる効率化と生産向上にむけてのチャレンジについて、代表取締役 佐藤正廣様、取締役専務 佐藤滋様、三重工場 製造一課 課長 山本真生様にお伺いしました。

事業概要

昭和63年に有限会社フジ技研として三重県四日市市に創業し、最初は小さな単品の試作から始めました。弊社は、お客様に速く・安く・正確に製品をお届けするために、本社の営業・業務・製造および鹿児島において、データの一元管理によるトータルサポート体制を取っています。お客様のご要望やご依頼内容に応じて生産体制を取り、設計から加工、組み付け、検査、納品まで、一貫した生産体制のもとであらゆる製品を製作しています。試作全般を行っていますが、検査冶具、溶接冶具、加工冶具など、冶具は、そのほとんどを社内で製作しています。

その他には、生産中止になった車が事故を起こした時などに必要な補用パーツや、介護車、パトカー、燃料電池車、電気自動車など、年間生産が少量の物の量産を行っています。また、設計全般も行っていますし、ハーネス関係の自動機の製作やプレス金型の製作も行っています。

人物の写真
代表取締役
佐藤 正廣 様

ものづくりにおける3次元システムの役割

【3次元へのこだわり】

創業当時、自動プロを導入してはどうかと社内で検討していましたが、まだ学生だった専務が、これから世の中は3次元の時代になっていくから、2.5次元よりも、3次元を導入しようと提案しました。同業者さんは、みんな自動プロを導入していらっしゃいました。2.5次元のシステム上で3次元のオペレーションをすることは不可能ですから、自動プロにはどうしても限界があります。金額的に大きな差がありましたが、将来的なことを考え、GRADEを導入しました。その当時から、GRADEは3次元斜め方向に加工することができましたし、GRADEにしかない荒取りの加工方法がありました。また、自動プロだとコマンドラインでプログラムを組んでいくイメージで形状を作成していきますが、GRADEは線を引く、というようにドローイングで進めていくことができます。3次元システムの方が2.5次元よりオペレーションが難しいとしても、やりたいことができるのであれば3次元システムの方がよいと考え、GRADEを導入、その後、GRADE/CUBEを導入しました。

最初の4、5年はあまり効果がでず、コスト割れをしたように感じていましたが、その後はかなり効果がでてきました。それは、3次元の時代がきたということもあると思います。

画面例 画面例

【システムの活用】

今では、様々な3次元システムを利用しています。自動車会社さんとの仕事の関係もあり、8年前にCATIAV4を導入、約2年前にCATIA V5を導入しています。三重では試作金型設計に、鹿児島では車のボディなどの意匠モデル、クレイモデルの面の仕上げ用として、Space-EとSpace-E CAA V5 Based CCDを利用しています。弊社では、冶具も金型も全てを業務としていますから、一本化するには無理があります。

昔はよく似たCADがたくさんありましたが、最近はCADの特長が色濃くでてきました。例えば、Space-Eは面の作成や処理が得意というように、個々の特長が変わってきたように思います。その使い分けのバランスが大事だと思います。

将来的にはCATIAがメインになると思いますので、これからはCATIAをもっと増やしていきたいと考えていますが、価格面やオペレータ育成に時間がかかることなど、問題もあると思います。Space-Eは本当に簡単に覚えることができますからね。CATIAでは、今まで構築してきたデータベースの運用や、システムのカスタマイズなどがうまくできるか不安もありますが、今はCATIAに切り替えることを考えて、スムーズに移行できるように準備を行っています。

CATIA V5画面
CATIA V5に取り込み
Space-E V5画面
Space-E V5で面の仕上げ

他社との差別化を図る

【図面から製品作成まで】

普通の試作会社さんと違うのは、金型から冶具まで、ツール設計から製品製作まで、その全工程を社内製作している点だと思います。他社では、工程ごとに別々の会社で分業されているところが多いのですが、弊社は、図面1枚もしくはデータ1つをいただければ、最後の製品までお客様が欲しいものを社内で製作します。お客様のニーズが高くなるにつれ、当社もステップアップしていきました。例えば、ゲージの製作依頼があれば、図面をいただいてゲージまで製作して納品する、製品であれば製品、金型であれば金型、というように、お客様が欲しいところまで製作して納品することができます。

人物の写真
取締役専務
佐藤 滋 様

【全ての基本はCAD】

どのようなツール、例えば樹脂型やプレス型や冶具であっても、ベースはマシニングとワイヤーとレーザ、放電など、工作機は基本的には一緒です。弊社のベースはCADですので、CADで作図することができれば何でも製作できると思っています。お客様からの要求が物理的に不可能ではない限り、絶対にできると考えていますし、今までできなかったことは一度もありません。弊社には、「うちは試作屋なのだから、試作しかしない」というような固定観念はありませんので、CADを操作しながら、どのような方法で製作を進めていくかを考え、シミュレーションしています。例えば、シート製作を受注したときに、ウレタンを削りますが、切削には刃物を変更するだけで、実際に切削するのはマシニングであり、データを作るのはCADです。材料や製作物が違うだけで、そんなに変わることはありません。基本的にCADと設備があれば何でもできます。ただ、他社と違うのは、社内に設備を持っていることだと思います。

3次元データの有効活用による納期短縮

【カスタマイズによる納期短縮】

一般的に、お客様は仕事を発注する試作会社や冶具会社を何社か決めていて、その中で冶具はA社に、単品製品はB社とC社にというように、6社ぐらいに分けて発注されています。弊社では、それを1社でまとめて受注することができます。

その延長でCAD/CAMシステムも、自分達が使いやすいようにカスタマイズしようというのは自然の流れでした。冶具などのユニットは、全てデータベースに登録してあり、3次元ソリッドデータ、2次元図面や組図も全てライブラリに登録されています。つまり、3次元ソリッドデータか2次元図面を変更すれば、自動的に設計データが変更されます。ゲージの設計時も、ライブラリに登録してあるユニットを並べていくだけで冶具が完成します。後は、高さ関係などの寸法が違う部分のデータを変えていくだけです。製作した部品のデータも保存管理しているので、同じような形状であれば応用でき、納期短縮に役立ちます。

Space-Eでは、試作のベースなど、共用で使うものは3次元データにしておき、その上に設計していきます。そうすると、製作するのは中身だけなので、時間が短縮できますし、検査表もCAD上で自動的に作成できるように社内でカスタマイズしていますので、物によっては、設計時間が他社の約1/5でできます。

パイプ製作においても、自動的に部品表と曲げデータを作成できるようにしています。試作会社でここまで徹底している会社は、他にないのではと思います。レーザ切削が素晴らしい会社さんや、金型製作が素晴らしい会社さんは多くありますが、将来まで見据えて効率化を実施していらっしゃる会社は、まだまだ少ないと思います。図面をいただいた場合でも、まずは図面から3次元データを作成し、お客様への納品までそのデータをどのように活用していこうかと考えます。

【さらなるコスト削減】

弊社内でメンテナンスできるのであれば、自分達で行うようにして、コスト削減しています。社内にシステム事業部があり、そこでサーバやPCを管理しています。全社的にLANがいき届いていますから、ネットワークを最大限活用するようにしてコスト削減し、削減した費用は、例えば、短期間で新スペックに変わってしまうPCのグラフィックボードなどに利用し、常に最新のマシンが利用できる環境にしています。

サーバを10台設置しており、データは全てサーバで管理しています。例えば、鹿児島のSpace-E V5でデータを作成してサーバに保存し、加工指示書を他部署に提出すれば、その部署はサーバにデータを取りにいきます。加工機もLANに繋がっていますので、加工機からサーバにアクセスしてデータを取り、加工しています。また、本社と第ニ工場、鹿児島はADSLの回線とフレームリレーでつながっており、FAX・電話はIP電話を利用し、通信費を削減しています。会社設立から約18年になりますが、弊社が利益をだすことができるのは、ほとんど外製がなく、ほぼ全て内製だからです。社内で内製すれば、責任を持って納品するので、お客様にご迷惑をかけることもありません。基本は全て内製とし、どうしても社内で対処できない技術のものは外注にしていますが、コア技術のものは社内で対応するようにしています。

人物の写真
三重工場 製造一課
課長 山本 真生 様

今後の取り組み

【3次元データのフル活用】

3次元データをさらに活用するために、社内設備を全てコンピュータ化するのが、現在の目標のひとつです。現在は、プレス成形のシミュレーションや測定と溶接のオフラインティーチングシステムを導入し、測定機の稼働率向上と検査時間の短縮、測定品質の向上につなげようと考えています。弊社が製作するゲージは、シミュレーションを行っています。どんなに動かしても干渉はありませんし、クランプも全てモーションで確認してから製作していますから、オフラインティーチングの部分さえできれば、環境が整うと思います。

同時に、手による作業はだんだん減らしていきたいと考えています。基本的に、お客様からいわれたことは断らないというのが弊社の考えですが、それは3次元システムの力に依存しているところもあると思います。今後も設計者を育成して、職人と同じ動作をシステム内で行うようにしていきたいと考えています。

説明図
3次元データをフル活用するために
(上図をクリックすると拡大図が表示されます)

【提案型企業を目指して】

また、これからは提案型企業でなくてはならないと考えています。世界的な業界再編の動きがある自動車業界の協力会社として、「品質・コスト・開発・納期・環境」の向上追求の要請には、みなさん苦労されています。そこで、弊社の持てる技術でこれらの向上に力添えさせていただきたいと考え、さまざまな提案をしています。例えば、このシートだと絞り形状が難しいので、その分、金型費がかかりますよとか、これをなくした方が安くできますよ、というように、お客様が描いたものに対して「こうした方が安くできる」という提案を試作の段階でしています。まだまだお客様から勉強させていただくことも多いですが、弊社の基礎技術の多くは、お客様からいただたものですので、決して弊社だけの力でここまできたわけではありません。そのお礼も込めて、製品を販売するだけではなく、技術料をいただいてお客様にもコストダウンしてもらい、弊社もコストダウンする。かつ利益を出す。このコストダウン競争の中で、お客様にも納得のいくコストダウンを提案していける企業になりたいと思います。今後は、どこも提案型企業を目指す時代でもあると思います。

将来的には、三重の本社、鹿児島の両社ともお客様への提案型企業にしていきたいです。三重はメインの試作と限定の量産、特殊部品の量産の提案を、鹿児島はゲージとデザインをやっていきたいと考えています。

また、三十代前半の社員が中心となって会社は動いていますが、3年先、5年先、次世代にはもっと人材が必要になってきます。三重と鹿児島で設計者が25名ほどいるのですが、設計にも力をいれていきたいですね。

【未来のものづくりのために】

また、弊社独自の研究所を設立したいと考えています。衝突や振動試験などができる実験設備は既に持っていますから、さらに進めたいと考えています。システムそしてものづくりに関して、さまざまな研究を行い、現在はお客様からいただいた図面を製品化する上で提案を行っている段階から、最終的には絵自身も弊社で描いて、提案できるようになりたいと考えています。

HZSについて

現状で満足しています。すぐに動いてくれますし、しっかりサポートしてくれています。さまざまな海外のCAD/CAMシステムを利用していますが、サポートはやはりHZSですね。海外のシステムでは難しいでしょうが、HZSは要望項目など、きちんとシステムに反映してくれます。これからも今まで通り、アットホームな雰囲気でおつき合いが続けばよいと思っています。弊社からの意見を大事にしてもらい、未来のシステムを作るために、若い世代の意見をどんどん取り入れていってください。

おわりに

お話を伺っている間中、未来のものづくりを見据え、着実に夢を実現しようとされている姿勢が強く伝わってきました。ご多忙にもかかわらず、貴重な時間をいただき、ありがとうございました。また、今回の取材も生川機械株式会社 代表取締役 生川 博 様にご協力いただきました。

会社プロフィール

会社の写真
会社の写真
本社
会社の写真
第二工場
会社の写真
鹿児島
所在地 三重県三重郡菰野町杉谷1654-3
設立 昭和63年2月
従業員 80名
資本金 2300万円
売上高 10.5億円
所在地 鹿児島県曽於郡末吉町11111-6
設立 平成11年4月
従業員 35名
資本金 3000万円
売上高 4億円
事業内容 自動車部などの試作製品、補給品、小ロット量産、専用機、金型、検査冶具、溶接冶具、加工冶具、務品加工、デザインモデルなど

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