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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.44 お客様事例

EOSINT Sと一貫生産で差別化を狙う

株式会社プロト様は、日本の「モノづくり」を支える試作品製作のプロ集団です。お客様が望まれる試作品に最も適した素材、加工方法をご提案し、短期納品かつ高精度を保証する技術力を持たれています。また、「現状に満足せず、より優れたものを作る」というチャレンジ精神を大切にし、常に時代の先端であり続けようという姿勢で、付加価値の高い技術にも挑戦されています。

今回は、試作品製作として設立された会社の経緯やその狙い、そして他社と差別化するためにEOSINT Sが担う役割などのお話を、代表取締役社長 藤田稔明様、取締役 工場長 長谷川美成様にお伺いしました。

事業概要

当社は2005年8月設立で、立ち上げてまだ日が浅い会社です。事業内容は、素形材を使った工業用試作品を一貫生産しており、現在は、アルミ鋳造の自動車関係が主です。

代表取締役社長 藤田 稔明 様の写真
代表取締役社長
藤田 稔明 様

会社設立の狙い

【技術者が集まる】

設立当初は、設備も場所も何も決まっていない状態でした。なぜ、そういう状態で会社を立ち上げたかというと、ある程度のポジションを任せられる技術者が先に集まったからです。こういうタイミングは、一生の中で何回もあるものではありません。このチャンスを掴んで実現できるかどうかで差が出てくると思います。

なぜ鋳造の技術が難しいかというと、昔からモノづくりのやり方は変わらないため、機械があれば誰にでもできるというものではなく、現場のたたき上げで鋳造のノウハウを経験しないとできないからです。特に自動車のエンジンなどは難しく、実際に現場のノウハウを習得している若い技術者は少ないと思います。

【社内での一貫生産を実現する】

当社設立の出発点は、別に代表取締役社長を務める金属部品加工の株式会社フジタイトにあります。フジタイトは、精密ダイカスト部品、電子機器、医療機器、光学機器などの精密部品、冶具、工具、精密金型、機械加工などを、試作品から量産品加工・組立・調整まで行っています。このフジタイトでは、素形材の分野を全て外注に出しているので、それを一貫生産できる体制にしていきたいという理想を常に持っていました。しかし、実際には技術者不足のため実現できていませんでした。その思いがあったので、当社(プロト)の設立につながりました。そして、フジタイトとの相乗効果で一緒に伸びていくことを期待しています。

鋳造メーカの中で、データ作りから検査までをひとつの建屋で行っているところは、かなり少ないと思います。機械加工を出しているとか、検査を出しているとか、何らかの工程を外注に出しているのではないでしょうか。当社では、まずCAD室でデータを作り、EOSINT Sにデータを送って造形した後、アルミ鋳造、機械加工、検査までを全部社内で行えるように設備を整えました。

【先端設備EOSINT Sで差別化を狙う】

一般の鋳物製作ではなくて、先端設備と技術力で他社にないサービスを提供することで、お客様にアピールしていくことを狙っていました。そこで、鋳物を作るためにEOSINT Sの導入を決めました。EOSINT Sは鋳造業界の先端設備であり、使いこなす技術も必要になるため、どこでも導入できる設備ではありません。それで当社は、EOSINT Sを導入していることをアピールすることで、直接自動車メーカ様とお取引したいと考えました。そうでなければ、今から鋳造業界に進出することは非常に難しいと思います。

それから、コスト競争の問題がありました。今の製造業で一般の作り方をしているとコスト競争は避けられないと思います。そこで、高精度、短期納品を実現できるEOSINT Sを使うことで、このコスト競争をすることなく他社と差別化していきたいというのも狙いでした。そして、後発でも付加価値の高い仕事ができれば、鋳造業界へ進出できると考えていました。

EOSINT Sの効果

2006年3月にEOSINT Sを導入してから、本格的にお客様回りを始めました。そして、2006年6月21~23日に東京で開催された第17回設計・製造ソリューション展に出展したことが営業としての大きなスタートでした。このとき、当社のブースにもたくさん見にきていただきました。営業するとき、EOSINT Sを全く知らないお客様も多かったので、まずEOSINT Sで何ができるのかを説明することから始めました。

通常、お客様とお付き合いのない新規の鋳造メーカが営業しても、1回で信用されることはまずありません。当社も設立当初のお客様は0件で、最初の何ヶ月かは本当に大変でした。特に当社は新参者の会社ですから、優れたものを作りたいという思いをお話しても、全く相手にされませんでした。

あるお客様に営業に行って、とりあえず出してみようかと仕事をいただいたことがありました。その後、お客様は納期が迫っているのに、何も問い合わせをしてこない当社に対して、不安を感じられていたそうです。特に図面では表現しきれないたくさんのノウハウが必要とされる自動車部品でしたので、経験がないとできない仕事です。でも当社には、 そのノウハウを持った技術者がいるので、着々と作業を進めていたのです。そして、お客様からどうなっているのかとご連絡をいただいたときは、ほぼ半分はでき上がっていました。その後、完成した試作品をお客様に判定していただいた結果、品質も納期も100点だという評価を受けることができました。それから、工場見学に来ていただき、そのときにやっと設備、技術が全部揃っていたことをご理解いただけたのです。

取締役 工場長 長谷川 美成 様の写真
取締役 工場長
長谷川 美成 様

営業でずっとそのことをアピールしていたのですが、信頼されることの難しさを実感しました。また、そうした営業の中でEOSINT Sは、確実に大きな宣伝効果になっています。そして、社内で一貫生産できることも当社の強みで、これだけの設備はなかなかできないと思います。

挿絵
設計(CAD)
挿絵
造形(EOSINT S)
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鋳造(アルミ溶解炉)
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機械加工(マシニング)
挿絵
検査(3次元測定器)
挿絵
環境への配慮(脱臭機)

新しく会社を創業すると、お客様の信頼を得て仕事をいただけるまでには、まず5年はかかるといわれています。それが、バタバタと仕事をいただけるようになり、良い評価もしていただいて、当社は1~2年で立ち上がることができました。

お客様も当社のような取引先が欲しかったのだと思います。そして業界の仕事量が減少している中で、仕事をいただけるということが一番ありがたいです。立ち上げたときの大変さはありましたが、それを乗り越えて、やっと仕事をいただけるようになってきたので、今が大事な時期です。

EOSINT Sを利用して

【導入後の立ち上げ】

以前からEOSINT Sに関わっていたので、EOSINT Sの悪いところも良いところも分かっています。そのため、データの作り方やノウハウも経験済みで、EOSINT Sの導入後の立ち上げには、全く問題はありませんでした。やはり、スタッフが鋳造業界のことを分かっていて立ち上げたということが大きいと思います。

【EOSINT Sの試作品】

当社が製作しているのは、開発段階の工業用試作品です。この試作品を作るには費用がかかるため、コストを一番に追求されるような製品には、なかなか使いづらいということはあると思います。いろいろな業界に通用する技術ですが、今のところは自動車関係が多くなっているのは、そういう背景もあるからです。ですが、独自の製作工程を確立して、高精度、短納期を当社は実現できています。それに、難易度の高い試作品にもスピード対応させていただいていますので、幅広い業界にご利用いただければと思います。

製品の写真
製品の写真
製品の写真

【不具合のフィードバック】

原点としては、モノづくりに特化した仕事をやりたかったので、やはり設計から最後の工程まで一貫して見ていけることに一番やりがいを感じています。それに利点もあります。一貫してできるということは納期も短縮できるし、不具合が出たときも早く対応できます。また、その不具合も全部フィードバックでき、自分の目で見て不具合内容を確認できるので、次に活かすことができます。このことがノウハウになり、技術力を伸ばすことにつながるので非常に重要だと思います。

【2台目増設の狙い】

今は、当社へお客様が来られ、喜んでいただき、信頼して仕事も出していただけています。そういう意味でEOSINT Sは1台では足りなくなると思っています。そのため、2006年の年末に1台増設して、2台で稼動します。増設するのも、仕事がいただけるつもりの先行投資です。それから当社は、納期が勝負ですから仕事がきてから増設するのでは間に合いません。それに増設して、キャパを増やせることもお客様にアピールしたいという狙いもあります。

また、機械はトラブルが付きものですから故障になったときや、年に2回あるメンテナンスのことを考えると、2台あれば何とかやりくりできると思います。

それから増設することで、良い意味でスタッフの気持ちを追い込みたいとも思っています。

今後の取り組み

【EOSINT Sの研究テーマ】

鋳造で難しいのは、自動車の品質から見ても、100%のものを作る技術が、まだ確立されていないということです。おそらくどんな優秀な技術者でも100%のものができないのが鋳造の分野です。そのため、鋳造の技術的なテーマはたくさんあります。実務をやりながら積み上げていくしかありませんが、逆に面白いし、やりがいがあります。

たとえば、砂です。今、砂メーカさんとレジンメーカさんとタイアップして、独自の砂を開発しています。何でもできる砂が理想ですが、その開発はなかなかできないので、ポイントを絞っています。当社では鋳型を作っているので、大きい面積部分が歪まずに、造形スピードを最大に上げたときでも綺麗に造形できるような砂を目指しています。それからEOSINT Sは、後処理に2次焼成があるので、その2次焼成をしなくて済むような砂です。また砂にレジンが入っているので、それにアルミの溶液が当たるとガスが発生します。そのガスの発生が少なくなる砂です。これはレジンの部分がキーポイントになります。このように砂だけでも、いろいろなテーマがあります。日々、生産の方に追われていますが、今までやりたかったことは徐々にできています。その他には、EOSINT Sを使って鋳造ではないようなことをやりたいと思っています。今、何ができるのかを模索しているところです。

【スタッフの育成】

12月にドイツで開催されるEUROMOLD 2007には参加したいと思っています。そのためには、仕事が止まらないようにスタッフの育成に力を入れます。他のスタッフも素人ではないので、技術の吸収は早いと思います。

【ISO9001、14001の取得】

2007年は、3月にISO9001、5月に14001を取得する予定です。これを取得することで営業にも反映されていくと思います。現場も書類の整理をし、管理していくことで必要な書類をすぐに検索できるようになります。今のように、どこにあるのか探している時間をまとめると、1年間で膨大な時間になっていると思います。また、全社員が参加ということにも意味があり、各個人の意識向上にもつながります。

NDESへ

NDESのサポート体制は、以前より良くなっていると思います。またEOSINT Sについてですが、ハード面は良いのですが、ソフト面に要望があります。たとえば造形のジョブが1つあったとしたら、そのジョブに対して1つのパラメータでしか設定できないのです。やはり、造形中に形状が変化していくので、レイヤーなどの範囲を指定してパラメータの設定ができればいいと思います。このような要望も、EOSINT Sのユーザが少ないこともあって、EOSの方になかなか伝わらないように感じています。NDESには、このことをお願いしたいと思っています。

おわりに

一貫生産できる設備を順番に案内していただき、見る機会が少ないアルミの溶解炉も見せていただきました。また、工場の周りは住宅地ということもあり、アルミ鋳造時に発生するガスなどのために脱臭機も設置され、環境への配慮も考えられたクリーンな現場という印象を受けました。

大変お忙しいところ、貴重な時間をさいてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

会社プロフィール

本社工場の写真
本社工場
本社工場〒613-0915 京都市伏見区淀際目町241番地1
宇治工場〒611-0041 京都府宇治市槇島町千足37-1
設立2005年(平成17年)8月6日
資本金10,000,000円
従業員11名
事業内容各種工業用試作品の一括受託、および量産化に向けたさまざまなサポート
製品の写真 製品の写真 製品の写真 製品の写真

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