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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.46 システム紹介

EOSINTとe-Manufacturing「EOS社の新製品」

e-Manufacturingとは
EOSが提唱する新しいものづくりのコンセプト。
定義は「迅速に、柔軟に、低コストで、デジタルデータから直接製品を自動的に生産する手法」

はじめに

このコラムでは、3次元CADデータからダイレクトに製品を造形する粉末焼結型RP(ラピッドプロトタイピング)システムEOSINTシリーズについてご紹介しています。今回はEOS社の新製品のご紹介です。昨年末にEOS社は、EOSINT Pの新製品「EOSINT P390」と「EOSINT P730」の2機種に加えて、レーザ-焼結型RPシステムの新ブランド「FORMIGA」とその新製品「FORMIGA P100」を発表しました。特に「FORMIGA P100」は、世界初の小型粉末焼結型RPシステムとして発表以来、非常に注目されています。

FORMIGA P100

■概要

ポルトガル語で「蟻(アリ)」を意味するFORMIGAは、その名にふさわしく「小さく機敏で、力持ちの働き者」というアリが持つポジティブなイメージそのものを開発コンセプトとしたシステムです。

樹脂粉末材料を使用するレーザー焼結型RP システム「EOSINT P」シリーズの機能をそのままコンパクトにパッケージし、かつシステムの運用性と造形の形状再現性能を向上しています。設置に必要なスペースのサイズや価格的にも導入しやすい製品であり、より幅広い市場に向けてe-Manufacturingコンセプトをご提案できる画期的な製品です。

FORMIGA P100

【造形仕様】
・造形室サイズ:200㎜×250㎜×330㎜
・造形速度:高さ24㎜/h(最大)
・積層厚:0.1㎜
・レーザータイプ:CO2、30W

【本体サイズ(W×D×H)と重量】
・システム本体:1,320㎜×1,067㎜×2,204㎜
・本体重量:約600㎏

【材料】
・ナイロン
・ガラス入りナイロン
・アルミ入りナイロン
・ポリスチレン
・カーボン入りナイロン(発売準備中)
・難燃ナイロン(発売準備中)

【FORMIGA P100(予定価格)】
・本体価格:2,800万円
※周辺機器、ソフトウェアを含めた仕様はお客様によって異なります。

写真1 FORMIGA P100
写真1 FORMIGA P100

■コンパクト

コンパクトという点では、ふたつの見方があります。ひとつは、粉末焼結型RPシステムのエントリーモデルとして、もうひとつは、EOSINTのセカンドシステムとしての見方です。

<エントリーモデルとして>

粉末焼結型RPシステムは、比較的大型あるいは多数個の造形が可能な反面、本体や付帯設備を含む設置スペースの確保も導入時の条件のひとつとなります。これについては、EOSINTシリーズも同様であり、本体のみで使用できる3Dプリンタ等の小型で安価なシステムに比べると導入の難しさがあります。この点をFORMIGA P100は、価格設定と合わせて小型化することでクリアしています。そして、EOSINT P同様の製品を造形できる点でも粉末焼結型RPシステムのエントリーモデルと言えます。

<EOSINTのセカンドシステムとして>

小型で安価なシステムがあれば効率の良いシステム運営が可能になる場合があります。例えば、EOSINT Pで造形したい対象物のサイズが小さいという場合です。それから、EOSINT Pで造形するとき、サイズの大きなモデルの空きスペースを利用して他のモデルを造形すると、小さいパーツでも造形が終了するまで取り出せない場合などです。このニーズに応えることもFORMIGAの狙いです。

写真2 コンパクト化されたシステム
写真2 コンパクト化されたシステム
写真3 造形室
写真3 造形室

■形状の再現性能

EOSINT Pの積層ピッチは、標準で0.15mm(材料によっては0.1mmでの造形も可能)です。これに対して小型、高精細を狙うFORMIGA P100は、0.1mmを標準積層ピッチとして設計されています。さらに、各種の制御技術も高度になり、細かい積層ピッチと合わせると3次元形状データの再現性能に優れ、高い表面品質を持つ微細形状の造形を可能にしています。

■高い操作性と機動性

システム操作は、分かりやすいインターフェースのタッチパネルで行います。材料は、本体上部にボトルを2つ取り付けるようになっています。2つのタンクのうち一方から材料を供給し、終了次第もう一方に切り替わる仕組みです。必要であれば、造形中でも材料の追加作業が容易に行えます。また、材料補充の他にも造形機の運用上で必要な作業に対して、容易に行えるよう作業性を考慮した設計になっているので、次の造形の準備も迅速に行えます。これにより、造形の前後作業に要する時間が短くなるため、造形時間の短い小さな部品を頻繁に造形しても効率的に運用できます。

写真4 材料タンク 本体上部に2つ取り付ける
写真4 材料タンク
本体上部に2つ取り付ける
写真5 FORMIGA P100の造形品 1 写真5 FORMIGA P100の造形品 2
写真5 FORMIGA P100の造形品

また材料は、EOSINT P用のものが使用できるため、EOSINT同様に機能試験から最終製品までの粉末造形品が効率良く造形できます。

EOSINT P390・P730

EOSINTシリーズから2機種が発表され、既に出荷が開始されています。EOSINT P385の後継機「EOSINT P390」とEOSINT P700の上位機種「EOSINT P730」です。主な変更点は造形スピードです。両機種ともに造形速度に関わるリコーティングシステム(材料を散布する機構)やスキャニングシステム(レーザー照射速度に関わる機構)が改良されており、大幅な造形時間の短縮を実現しています。なお、造形サイズの変更はありません。

写真6 EOSINT P390(EOSINT P385後継機)
写真6 EOSINT P390
(EOSINT P385後継機)
写真7 EOSINT P730(EOSINT P700上位機種)
写真7 EOSINT P730
(EOSINT P700上位機種)

PSW3.3(制御ソフトウェア)

ハードウェアだけでなく、各機種に搭載される制御用のソフトウェアもアップグレードされました。レーザー照射パラメータなど造形に関わる部分の他に、造形毎に詳細なレポートを出力する機能や、多数のシステムを運用する場合の管理システムなどが加わり、より「e-Manufacturing」を意識したものになっています。

おわりに

今回ご紹介した新製品「FORMIGA P100」をNDES RPテクニカルセンターに設置しました。見学ご希望の方は、担当までお問い合わせください。

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