人とシステム

季刊誌
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No.65 | トピックス
マニファクチャリングラボの開設について
製造ソリューション統括部 製造システム技術部
部長 細谷 秀孝

NDESは、沖縄県うるま市に「マニファクチャリングラボ」を開設し、2012年1月10日より業務を開始しています。
今回は、マニファクチャリングラボ(以下、ラボ)を沖縄へ開設した理由、その役割についてご説明いたします。

沖縄でのプレス発表

(左)与世田副知事 (右)NDES代表取締役社長 木下
(左)与世田副知事
(右)NDES代表取締役社長 木下

昨年12月16日に沖縄県庁にて、与世田副知事とNDES代表取締役社長 木下が会談しました。そこで、当社の事業説明やラボの今後についてご説明すると、副知事は熱いエールを当社に送ってくださいました。その後行ったプレス発表では、質疑応答が予定時間を大幅に超えて約1時間にもわたり、当社に対する関心の高さがうかがえました。

また、前日には、うるま市の島袋市長を表敬訪問させていただきました。島袋市長は、以前、造船会社に勤められていたそうで、製造業の話題で話が弾みました。

なぜ、沖縄なのか?

「なぜ、沖縄なのか?」という疑問をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。

その理由として、まず、沖縄県は金型を専門とする沖縄県金型技術研究センターを2010年4月に設置されており、県を挙げて金型産業の育成に力を入れていることがあげられます。

そして、同センターに併設された賃貸工場には、金型製造を手がけるプロ集団の企業が3社入居されており、沖縄県金型技術研究センター含めて、今後、技術交流も期待できる、他では得られない好条件が揃っていたことが沖縄(沖縄県金型技術研究センター併設の素形材産業賃貸工場)へ進出する決め手となりました。

現状の業務について

ラボのエンジニア
ラボのエンジニア

現在、ラボには3名のエンジニアが常駐し、CAD/CAM開発チームと密な連携をとりながら、加工に関する課題の解決や、商品の品質向上を目指して業務を開始しています。加工機に関しては、沖縄県金型技術研究センター所有の加工機(以下の写真参照)を利用させていただき、実加工へ取り組んでいます。

ラボとCAD/CAM開発チームのデータのやりとりはネットワークを利用し、打合せはビデオ会議等で行っています。また、ラボの加工状況の映像は、リアルタイムで見ることができます。

(左)MAKINO V55-5XA (右)Sodick HS650
(左)MAKINO V55-5XA (右)Sodick HS650

今後について

沖縄県金型技術研究センターは、切削加工機以外にも放電加工機や射出成形機、流動解析システムを所有されており、金型製作に必要な環境が整っています。そのため、ラボは加工だけでなく、「ものづくり」の一躍を担う研究開発(金型設計や解析、工程管理や生産管理など)の場にしていく予定です。

さらに、金属粉末造形機(RP)の導入も検討しており、例えば、水管をRPで作成し、離型効率の良い金型設計の提案なども行えるようにしたいと考えています。

おわりに

業務を開始して間もないラボですが、「ものづくり」をすることにより新たなノウハウや機能を生みだし、システムを通してお客様に貢献できるよう頑張ります。

また、沖縄へお越しの際は、ぜひラボへお立ち寄りください。

【マニファクチャリングラボ】
沖縄県うるま市勝連南風原5192-30
素形材産業賃貸工場内(区画3)
地図

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NDESプレス発表(No.2011-001 平成23年12月16日)
「新たな"ものづくり"の研究開発への取り組みを開始~沖縄県うるま市に「マニファクチャリングラボ」を開設~」

人とシステム No.58 (2010年7月)掲載
「沖縄県金型技術研究センターの取組み --新たな金型ビジネスモデルの展開を--」

「日経ものづくり」2012年2月号掲載
「NDESが沖縄に金型拠点を設ける理由」