NTT DATA — Global IT Innovator

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.84 システム紹介

EOS社製3Dプリンター
造形プロセスと周辺機器について

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
カスタマー&サービス事業本部
アディティブ・マニュファクチャリング事業部
事業戦略部 事業戦略課 竹内 典子

はじめに

世の中に3Dプリンターという言葉が根付いてすでに数年がたちます。その間、製造業に役立つ技術として3Dプリンターは現場で活用されるようになり、そのマーケットの成長と共に、装置や周辺機器を製造しているメーカー側も大きく発展しています。そこで今回は、EOS社製3Dプリンターを取り巻く周辺機器に焦点を当ててその一部をご紹介します。

EOS社とNDES

EOS社は1989年の設立初期より最終製品を製造する装置を目指して製品開発に取り組み、現在のEOS P シリーズ・Mシリーズのご提供につながっています。

現在、EOS社は社員数が約900人、自社の拠点を11カ国に置き、代理店を19カ国に持つグローバルな企業へと成長しました。EOS社製の3Dプリンターは、工業製品にとどまらず、医療分野、航空宇宙産業分野での利用が拡大しています。

私たちNDESは、1993年に日本における総代理店となり、販売・サポートを開始して今年で24年を迎えます。今後もサービスおよびアプリケーション開発の拠点であるAMデザインラボを中心に、お客さまのご要望に応じたご提案をいたします。

造形プロセスと周辺機器

通常、3DプリンターであるEOS装置のみが注目されますが、造形するためには周辺機器が必要になります。その周辺機器には、標準的なものからオプションまでさまざまなものがありますので、金属造形のプロセスに沿ってご紹介します(図1)。

(写真)
図1 造形プロセス(金属造形の例)

1)造形前のデータ準備

造形前のデータ準備とそのとき必要となるソフトウエアを紹介します。まず、造形する形状を3D CADでモデリングして、STL形式で保存します。STLとは、3D CADモデルを三角形の面で多面体に近似して表現したデータです。STLを保存する際は、元の形状と多面体に近似する形状との許容誤差を適切に設定することが重要です。この許容誤差が大き過ぎると、造形物の外観に影響があり、許容誤差が小さ過ぎると膨大な三角形の面が作成されるので、データ量が大きくなります。

作成したSTLデータには、まれにエラーがあり面が裏表反対になったり、小さな隙間が空いたりします。その場合、エラーを修正できるMagics(Materialise社)を使用します。修正後は、専用ソフトウエアを使用し、断面形状を作成します。ここで作成した断面データが積層断面になり、断面データに対してレーザーをどのように照射させるか、これも専用ソフトウエアで計算し、レーザー照射用のデータを作ります。それらを断面データと共に装置へ送ります。

(写真)
図2 造形終了後の取り出し作業

2)造形終了後の取り出し作業

造形終了後は、造形物を取り出します。造形物は紛体の材料に埋まっている状態なので、粉の回収をしつつ取り出し作業を行います。材料の回収方法として、IPCMを利用します(図2)。

IPCMを使うと、掃除機のようなもので一気に粉を吸引できるため、スピーディーに粉の回収ができます。EOS装置をご利用いただく場合、IPCMはお勧めの周辺機器です。頻繁にEOS装置を稼働しない場合には、はけで回収することも可能です。その回収した粉は、ふるいでゴミを取り除き、また造形に利用できますので、金属材料のリサイクルは100%可能です。

(写真)
図3 熱処理のオーブン

3)熱処理

金属造形は、レーザーにより溶けた金属を急激に冷却するという工程を繰り返すため、材料によっては造形物内に残留応力がとどまります。それを解放するためオーブンで熱処理を行います(図3)。

4)ベースプレートの切り離し

造形物には、造形するための土台としてベースプレートが付いています(図4)。このベースプレートをワイヤーカットやバンドソーを使って造形物から切り離します。このとき、応力除去をせずベースプレートから切り離すと、造形物が変形して製品価値が低下するため、プロセスの順番はとても重要です。

(写真)
図4 ベースプレートとサポート

5)サポートの除去

アンダーカットのある形状の場合、そのままでは造形ができないため、サポートと呼ばれる構造体を一緒に造形します(図4)。造形している最中、サポートは必要ですが、製品としては不要な構造体なので造形終了後は除去します。

サポートは、特殊な材料があるわけではなく、造形物と同じ金属で作るため、サポートの構造や量により、ペンチのような工具で外せるものから、マシニングでの除去が必要なものまでさまざまです。このサポートをどのように設計するかが、金属3Dプリンターを使いこなすためのキーポイントの一つになります。

おわりに

今回ご紹介した金属造形には他にもさまざまな周辺機器があります。また、樹脂造形になると、造形プロセスが変わるところがありますので、それに対応した周辺機器があります。今後も3Dプリンターに関するさまざまな情報をご紹介していきます。

― この記事に関連するソリューション ―