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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.88 お客様事例

ソリューションカンパニーとして
3Dプリンタ総合サービスを提案

測定・分析機器やIT関連機器のレンタルで広く知られるオリックス・レンテック様では、新規事業の一つとして2015年から3Dプリンタ事業を開始しました。独EOS社の金属ハイエンド3Dプリンタ「EOS M290」を導入し、東京技術センター内に開設した「Tokyo 3D Lab.」では、さまざまなサービスを提供しています。その主軸となるのは、データを基に形状を造形する「造形受託サービス」と3Dプリンタの導入に関わる「導入支援サービス」です。これまでの豊富な経験と独自の目線で新規事業に挑戦し、お客さまのものづくりに貢献しています。

ものづくりを変える3Dプリンタ
新規事業の立ち上げ

オリックス・レンテック 株式会社 新規事業開発部 部長 戸川 英明 様
オリックス・レンテック
株式会社
新規事業開発部
部長
戸川 英明 様

オリックス・レンテック様は1976年、オリックスグループの一員として誕生しました。以来、ハイテク機器のレンタルを行う企業として、さまざまな分野におけるお客さまの研究開発をはじめ、多種多様なビジネスを支えるサービスを提供してきました。今ではレンタルの枠にとどまらず、新たにソリューションビジネスを展開しています。例えば、レンタルサービスで培ったテクニカルスキルによる「計測関連サービス」や「IT関連サービス」、レンタル機器の管理・運用ノウハウを生かした「資産・管理運用支援サービス」など、サービスの幅を広げることで、お客さまのものづくりを支援しています。

2014年11月には、新規事業を立ち上げるための事業開発チームが発足し、そこでマーケティングを行い検討した結果、3Dプリンタ事業を立ち上げることを決定しました。その理由について、新規事業開発部長の戸川英明様は次のように話します。「当社は電子計測機器やIT関連機器などのレンタル事業を通じ、さまざまな企業の工場や研究開発部門と長年のお付き合いがあります。そのものづくりのお客さまとのシナジーを考えたとき、金属3Dプリンタは日本のものづくりを変える可能性があり、お客さまのビジネスに貢献できると考えたのです」

さらに、3Dプリンタ事業の次の新規事業として次世代ロボットレンタルサービスを開始しています。

EOS導入の決め手は
NDESのサポート体制

3Dプリンタの選定にあたり、さまざまなメーカーや販売代理店などから技術面や機能面の説明を受けると同時に、実際に3Dプリンタを利用しているユーザー企業に使い勝手などをヒアリングしました。そして比較検討した結果、独EOS社の金属ハイエンド3Dプリンタ「EOS M290」の導入を決定しました。「EOSを選んだ理由は二つあって、国内外での導入実績が多いこと、そしてNDESの強力なサポート体制があることです。もちろんシステムの使い勝手も重視しましたが、当社をバックアップするというNDESの言葉があったので、それがEOS導入の決め手になりました」と戸川様は選定理由を話します。

「Tokyo 3D Lab.」を開設し
造形受託サービスをスタート

オリックス・レンテック 株式会社 事業開発担当 新規事業開発部 3Dプリンタ技術サポートチーム チームリーダー 伊瀬 年轄 様
オリックス・レンテック
株式会社
事業開発担当
新規事業開発部
3Dプリンタ技術サポートチーム
チームリーダー
伊瀬 年轄 様

オリックス・レンテック様では、2015年3月に「EOS M290」を導入し、6月には東京技術センター内に「Tokyo 3D Lab.」(以下、ラボ)を開設しています。まずは、3Dプリンタ事業として造形受託サービスから本格的にスタートしました。お客さまからお預かりしたデータを基に、試作品、試験片などを「EOS M290」で造形するサービスです。「当社の造形受託サービスは、情報セキュリティーマネジメントの国際規格であるISO 27001を取得し、お客さまの3Dデータの機密性を保持していることです。また、お客さま専用の造形検討書を用いて発注前に綿密な打ち合わせを行うなど、相互のコミュニケーションを取りながらものづくりを進めています。当社が3Dプリンタ事業を新しく立ち上げたということで、お客さまに興味をお持ちいただき、引き合いも徐々に広がっていきました」と新規事業開発部3Dプリンタ技術サポートチームリーダーの伊瀬年轄様は説明します。

造形受託サービスは、オリックス・レンテック様の主要な取引先である航空・宇宙関連や自動車をはじめ、エレクトロニクス、機械、建設、研究機関など幅広い業種を対象に順調に事業を拡大しています。ラボでは現在、2台の「EOS M290」が稼働しており、開設から2年半で約350件の造形受託を引き受けました。

「Tokyo 3D Lab.」の入り口/打ち合わせルーム 「Tokyo 3D Lab.」の入り口/打ち合わせルーム
「Tokyo 3D Lab.」の入り口/打ち合わせルーム

独自の造形技術やノウハウを
生かした導入支援サービス

3Dプリンタ事業のもう一つの柱が導入支援サービスです。造形受託サービスを行っていると、自社で金属3Dプリンタを導入したいけれども技術的なノウハウがなく、投資の回収も難しいというお客さまの声を聞くことがあるそうです。そこで、ラボの造形受託サービスで培ってきた技術的ノウハウの提供を含め、そうしたお客さまをサポートしようというのが導入支援サービスです。

オリックス・レンテック様は、ノウハウを蓄積した高い技術力を持ったサービスビューローだと言われるのではなく、そのノウハウをお客さまにお伝えすることで、お客さまの3Dプリンタ導入につながることを目指しています。

実機検証サービス

導入支援サービスの一つとして、実機検証サービスがあります。これは、お客さまが金属3Dプリンタを導入するにあたり、ラボのエンジニアが付き添いながら実機での造形体験ができるサービスです。例えば、造形レイアウトやサポート設計、レーザーパラメータ設定などの造形データ作成から始まり、3Dプリンタへの材料投入、造形品の取り出し、サポート除去などの一連の造形作業について、オリックス・レンテック様のエンジニアと一緒に行えるので作業手順の理解度が高まります。伊瀬様は次のように説明します。「3Dプリンタは従来工法とは違った難しさがあります。特に金属造形は、デザインルールに基づき造形を行えばよいというわけではなく、その他にさまざまな重視すべき点があります。その体験をしていただけることが非常に好評です。これまで、我々が3Dプリンタを導入して試行錯誤してきたことをお伝えして、お客さまが3Dプリンタ導入後の立ち上がり期間を短縮できればと思います。そして導入後は、お客さまが本来注力しなければならない研究・開発や生産にすぐ取り組んでいただくよう、それ以前のハードルは、当社のサービスを活用することで乗り越えてもらいたいと考えています」

実機検証サービスは、EOS装置の導入を検討しているお客さまがラボで実機を操作して造形作業の進め方などを確かめるケースのほか、EOS装置の導入が決まり、自社に納入されるまでの間に操作に慣れておきたいというお客さまもサービスを利用しています。

EOS M290での造形サンプル
EOS M290での造形サンプル

3Dプリンタ オペレーティングリース

3Dプリンタの導入を調達面から支援するのが「3Dプリンタ オペレーティングリース(Lレンタル)」です。「3Dプリンタは高価であり投資回収が難しくて稟議が上げにくいという悩みや、短い期間だけ使いたい、陳腐化が怖いといったお客さまの声も聞かれます。そこで、当社では残価付きのオペレーティングリースを通じ、リーズナブルな料金で3Dプリンタを利用できるサービスを提案しています。お客さまの計画に応じてレンタル期間を自由に設定することもできます」と戸川様はオリックス・レンテック様ならではのサービスの強みを話します。

ノウハウはデータベースに蓄積し
エンジニアの情報共有を図る

エンジニアがお客さまのさまざまな要望に応じた造形作業を行うために、さらなる技術の習得に力を入れています。「金属積層造形は独自のノウハウが必要です。エンジニアのトレーニングでは失敗を恐れず難易度の高いものにチャレンジするよう指導しています。そして、造形がうまくできなかった場合、その原因を検証し、失敗の情報を含め、データベースに蓄積しています」と伊瀬様は話します。それにより、造形を担うエンジニアは情報共有化を図るとともに、お客さまから造形の発注があったときにデータベースを参照するなど、技術やノウハウを生かして的確に造形作業が行えるように取り組んでいます。

もっと3Dプリンタを
活用できる新サービスを検討

「Tokyo 3D Lab.」の皆さま
「Tokyo 3D Lab.」の皆さま

こうした各種サービスを提案する理由は、日本のものづくりの中で、3Dプリンタをもっと活用してほしいという思いからです。

このきっかけとなったのは、ドイツで開催された3Dプリンタの展示会とEOS社の本社への訪問だったそうです。戸川様はそのときの印象をこう語ります。「EOS社の本社に行き、あらためてEOS社の装置を導入してよかったと実感しました。EOS社では、毎年売り上げの15%をR&D(Research and Development)に投資されています。そのR&D専用室は複数あり、部屋の中には10~15台のEOS装置が設置され、自動車メーカーなどの技術者とEOS社のエンジニアが一緒に研究開発している姿を目の当たりにしました。そして、3Dプリンタの使い方にしても、日本はまだ鋳造など従来工法の代替として部品の試作品などの造形が多いのに対し、海外ではすでに最終製品の量産化を進めており、10年の開きがあると実感しました。まずは、3Dプリンタ導入企業を増やし、最終製品の造形にチャレンジしていただきたいので、そのとき、当社の立ち位置でお役に立ちたいと考えていました」

世界との差を埋めるために、オリックス・レンテック様では日本企業の金属3Dプリンタの拡大に向け、新サービスの提供を視野に入れています。その一つが、金属3Dプリンタを利用し、企業が自ら造形できる場所と設備、オペレーター、ノウハウをセットにして時間貸しするAM(Additive Manufacturing)ファシリティーセンターのような施設です。「お客さまからは、東京だけでなく関西にもラボを開設してほしいとの要望を寄せられています。さらにAMファシリティーセンターのような施設ができれば、お客さまは3Dプリンタの設備を保有することなく、施設の利用料を支払うだけで利用でき、ものづくりの拠点にできます」と伊瀬様はサービスの拡大を話します。

さらに、将来的には、最終製品の量産化が可能な施設をお客さまと共同で作ることが目標だといいます。「そのためには金属造形物の品質をさらに高めるための取り組みが必要になり、NDESの継続的なサポートに期待しています」と戸川様は話します。オリックス・レンテック様では、レンタル会社からソリューションカンパニーへと歩みを進めています。その一環としての、企業のものづくりを支える3Dプリンタ総合サービスの提供に向け、今後の取り組みが注目されます。

NDESでは、これからもオリックス・レンテック様の3Dプリンタ事業の拡大に貢献する技術支援や新たな提案を続けます。

会社プロフィール

オリックス・レンテック株式会社
東京技術センター(Tokyo 3D Lab.)
本社 東京都品川区北品川5-5-15 大崎ブライトコア
設立 1976年9月29日
営業拠点 国内主要都市、海外(中国、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ)
事業内容 電子計測器、科学・環境分析機器、IT関連機器、医療機器などのレンタルから、3Dプリンタサービス、ロボット関連サービス、中古機器販売、お客さま保有機器の買取サービス、校正サービス、計測サービス、IT関連サービス、資産管理・運用支援サービス(FELIX)などの各種ソリューション
東京技術センター
(Tokyo 3D Lab.)
東京都町田市金森3-25-3

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