同時共同設計

造船設計では、一般の機械設計と異なり、設計対象が巨大であるため複数の設計者が協調して設計作業を進めます。ところが一般のCADシステムには共同設計の概念はありません。
GRADE/HULLは、この難問を独自のデータベースアクセス技術SCON(Ship System Control)で解決しました。
SCONを介することで、データベースへの同時複数アクセスを可能としたばかりではなく、あらゆる変更をリアルタイムで、全てのワークステーションに自動的に反映する機構を実現しました。
このSCONは、http等と同じくTCP/IPのネットワーク上で動作します。インターネットもTCP/IPですから、接続インフラさえ整えば、遠隔地からの共同設計への参加も可能となります。
当社からの遠隔サポートもこの仕組みを利用していますので、お客様の直面する問題を当社の技術者がその場で把握、対応することができ、安心のサポートとしてご好評を博しています。
自動修正機能

たとえば、二重底の高さが変更された場合、旧来システムでは関連構造も含めて設計者がすべてを修正する必要がありましたが、GRADE/HULLでは二重底の高さの変更を指示するだけです。あとはシステムがすべての修正を自動的に行います。
しかもGRADE/HULL独自のSCON機構により、その修正が他のすべての関連構造に自動的に反映されます。
類似構造生成機能

船殻には、トランス構造のように類似した構造が多数あります。このような構造を自動的に生成できれば、設計時数の削減に効果的です。
GRADE/HULLでは、手本となる構造の設計手順を、別構造で実行するだけで類似構造が生成できます。
また生成された類似構造に、さらに部分的な類似構造を追加していくことも可能です。
三次元モデル作成を二次元図面作成感覚で

「三次元モデル作成」と聞くと「操作が複雑」とお考えになるかも知れませんが、GRADE/HULLでの三次元モデル作成は難しくありません。
設計者にとっては、おなじみの設計図面作成と同様の操作で三次元船殻モデルを作成することができます。
また三次元モデルの様子を三次元モニターで確認しながら、設計作業を進めることができます。
豊富なインターフェース
GRADE/HULLは、モデル表示に当社製汎用CADシステムGRADE/G(PC版ではSpace-E)を使用しています(GRADEシリーズは金型分野では国内シェアナンバーワンの実績をもつCADシステムです)。
GRADE/Gは汎用CADシステムですので、下表のようなモデル変換ユーティリティを備えています。
GRADE/Gのインターフェース
- DXF変換:「AutoCAD」など多数のCADで使用されています。
- IGES変換:ANSI標準に基づくCAD中間ファイル。事実上の世界標準です。
管理物量としてGRADE/HULLは、重量・重心(ブロック単位、組立単位)塗装面積、部材表、溶接長、取付長、NC切断のマーキン長、切断長、歩留まり鋼材帳票をインターフェースファイルに出力可能です。帳票類については、PCのMicrosoft® Excel®で直接読むことができるCSV形式のファイルで出力します。
また、他社製造船システム「SHIP」、「CAMSR」、「新NASD」とのデータ交換を行った実績があります。
詳細はお気軽にお問い合わせください。
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- 2018年03月15日
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