人とシステム No.100
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POINT得意とする軟質素材の幅を広げ事業拡大を狙う 本誌No.56の10年前とは、製作する製品が大きく変わったと代表取締役の奥野成雄様は話します。「前回の取材時は、船のディーゼルエンジンやインペラ関係、原子力発電所の冷却用ポンプの鋳造用木型の製作と、現在も主力である自動車シートのマスターモデルの製作を行っていました。しかし、この10年の間に船のディーゼルエンジンや原子力発電所用のポンプなどの需要は、市場の変化や東日本大震災などの影響で大きく減少しました。そこで、新規分野を開拓しようと展示会に積極的に参加し、当社が得意とする軟質素材の加工をアピールしました。軟質素材には、木材、ケミカルウッド、硬質ウレタン、スポンジ、発泡スチロール、ベーク材などがあります。特に自動車関係では、CATIA V5のデータを受け取れることが大きなメリットになり、内装や外装の試作モデルやクレーモデルの部品など、自動車シート以外の製品の受注が増えています。さらにタイヤの試作、船舶の水流実験用の模型、航空機の検査治具や組立治具、宇宙関連の緩衝材、医療研究用など、最先端分野での試作品の受注も増えてきました。さまざまな分野へ対応するため、当社ならではの軟質素材の加工技術を磨いています」Space-Eの3次元データで営業、現場の作業効率を図る 導入当初、設計部門で自動車シートの製作に使っていたSpace-Eは、活用する幅が広がったと奥野様は説明します。「この10年は、他分野の製品が増えただけでなく、主力である自動車シートの発注先も増えて依頼数も多くなりました。それに伴って必要となるSpace-Eを増設してきたので、現在では、Space-E/Modelerを8ライセンス、Space-E/CAM株式会社 昭和製作所 様事業拡大を具現化するSpace-E、CATIA V5と軟質素材加工技術軟質素材加工の達人が起点とするSpace-E創業102年の歴史ある株式会社昭和製作所様は、熟練した職人技をバックボーンに、3軸・5軸のマシニングセンターによる機械加工や品質管理とリバースエンジニアリングのための3次元測定機、そしてCAD/CAMシステムは“Space-E”、“CATIA V5”を活用されています。本誌No.56(2010年1月1日発行)に同社の活用事例として、Space-Eの導入背景から5軸加工への展開についてご紹介しました。今回は、2010年の取材以降のビジネスの環境変化とそれに伴うSpace-EとCATIA V5の役割ついてお話をお伺いしました。Space-E CATIA V5設計に加え、現場、営業の作業の効率化とリモートワークを実現するSpace-E12Space-Eで作成した主力の自動車シートのマスターモデルCUSTOMERS REPORT8人とシステム No.100 July 2021

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