人とシステム No.101
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28 株式会社イワモト様が製作しているプレス金型は、自動車部品を主軸とし、インナー部品やエンジン周り、足回り、ルーフ、給油口など外板以外のさまざまな部品にわたります。取引先の部品メーカー様から依頼される金型は、主要な自動車メーカー様の部品生産に活用されています。自動車部品の他には、農機具や建築金物などのプレス金型の依頼もあります。自社内で金型の設計・製作まで一貫体制を整え、小さいものでは60トンプレスから、大きなものでは1000トンプレスまで対応しています。さまざまな用途に応じた金型を製作してきた中で、近年では超ハイテン材(高張力鋼板)の金型も増え始めて技術的な要求が高くなり、その対応力が同社の強みと言えます。 同社の金型製作の特長について専務取締役の岩本孝様に伺うと、「依頼を受けた仕事は最後までやり切る、という信念を創業者である社長が掲げていて、それを守り続けていることが当社の強みです。難しいトラブルが発生すると解決までに遠回りすることはありますが、お客さまの品質目標を達成するため、とことん最後までやり切る姿勢で成し遂げています」と力強く話します。 同社の工場は、本社工場の他に九州工場があり、特に九州工場は近隣の部品メーカー様から依頼を受ける金型の補修やメンテナンスにも注力しています。 1998年にいち早くCAD/CAMに取り組まれた同社は、2005年に最初のSpace-Eを導入しています。当時、設計部門ではメーカーの異なるCAD/CAMを併用していたこともあり、担当していた社員が退職してしまうと引き継ぎがうまくできていませんでした。また、新入社員が入社した時の教育も操作の異なるCAD/CAMを教えることになり非効率だったと言います。 2007年に他社での勤務を経て同社に入社した岩本孝様は、CAD/CAMシステムの統一をSpace-Eで図りました。この目的を岩本孝様は次のように話します。「同じCAD/CAMにすることで、引き継ぎや教育の問題解決の他に社内的な競争力を高めることができると思ったのです。各自プレス金型の製品形状部CAD/CAMシステムをSpace-Eに統合し、作業の効率化と金型品質の向上を実現スプリングバック、トリム展開やブランク展開のさらなる精度向上に挑戦「最後までやり切る」力強い姿勢の金型づくりCAD/CAMシステムをSpace-Eに統合し作業の効率化を図る株式会社 イワモト 様Space-Eプレス金型の修正削減を後押しするSpace-E広島市に隣接する東広島市は、灘・伏見と並ぶ歴史ある酒造りの地域として有名です。その一方で、産学官連携にて企業の製品開発や技術開発に取り組み、ものづくりを推進している地域でもあります。この地で創業した株式会社イワモト様は、自動車部品を中心とした独自の技術を有するプレス金型の専門メーカーです。2005年にSpace-Eを導入してプレス金型設計・製作にご活用いただいている同社に、システムの活用状況や今後の取り組みを伺いました。POINT1

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