人とシステム No.101
15/24

SYSTEM & INTEGRATION13個別受注型製造業向け仕様選択コンフィグレータのDelight-Spaceでは、どのようなことを実現できるのかご紹介します。Delight-Spaceは先述の設計モジュール化技法の考え方に基づいており、主に、「標準設計管理」「見積受注管理」「受注設計管理」の機能から構成されています。・「標準設計管理」で実現すること「標準設計管理」では、標準化した図面構成や製品機能、部品、仕様などの設計情報を管理できます。まず、製品モジュール構成機能で、製品情報をモジュールとして階層管理します。ここでは、モジュールごとに複数のバリエーションを用意しておきます(図3.①)。次にマトリクス部品表機能で、各バリエーションに必要な部品を定義します(図 3.②)。これで製品構成の標準化が完了しました。さらに、営業が顧客と決めてくる仕様項目を標準化し、仕様項目条件表に定義します。仕様モジュール結合表と仕様機能結合表に、バリエーションが持つ機能と仕様のひも付けを定義することで、顧客の要求仕様にはどのバリエーションが対応できるのか整理することができます(図3.③)。このように、設計者の頭の中にあったノウハウをシステム上のデータで管理することで、特定の個人に依存することなく、共有の資産として活用できます。・「見積受注管理」で実現すること「見積受注管理」では、見積案件管理のほか、選択式仕様書を用意でき、選んだ仕様をもとにコンフィグレータ機能により適合モジュールを選出できます(図3.④⑤)。前述の「標準設計管理」で設計情報を整理すると、設計者でなくても仕様書をもとに早く正確に部品表の作成ができるようになります。また、バリエーションごとに必要な部品情報があらかじめ定義されているため、モジュールごとの部品原価を積み上げることで、製品全体の原価見積を瞬時に計算できます(図3.⑥⑦)。例えば、商談の場ですぐに2つの見積もりを比較し、仕様や製品価格について提案営業することも可能となります。・「受注設計管理」で実現すること「受注設計管理」では、製番登録を行った製番部品表のモジュール設計ができます(図3.⑧⑨)。選出されたモジュールについては、既に部品表が完成しているため、製品全体を設計するよりも設計工数を削減できます。Delight-Space導入により、引き合いや見積時点で見積部品表を決定する「設計不通過7割」を実現できます。また、これまで時間を要していた受注設計工数を削減でき、これにより、出図のタイミングが早まり、製品出荷までのリードタイムを短縮できます(図4)。また、営業のみで迅速な見積もりができ、提案型営業へのシフトといった顧客対応力の強化が図れます。さらに、設計負荷の軽減はもちろんのこと、設計者を新製品開発へシフトすることで、企業競争力の強化にもつながります。今回は、個別受注型製造業が抱える課題を解決するためのソリューションとして、Delight-Spaceをご紹介しました。興味がございましたら、下記までご連絡ください。■取り組み・製品に関するお問い合わせ先 ビジネスインテグレーション事業部 第一営業部 メールアドレス:ml-Delight-Space@nttd-es.co.jp 電話:03-5711-5365Delightとは、設計業務(Design)の負荷を軽減し(Lighten)、お客さまに幸せ・喜び(Delight)を享受いただくという意味を込めて名づけられました。 図3 Delight-Space機能イメージ 図4 Delight-Space導入による効果Delight-SpaceとはDelight-Space導入効果おわりに

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る