14SYSTEM & INTEGRATION私たちは、2019年にMBSE・MBDソリューションに特化した組織を発足し、モデルを活用してシステムズエンジニアリングを高次元・高効率に行うことを目的に、外資系ツールベンダ、大手ソリューションベンダやアカデミックに従事した者、制御開発のエキスパート、OEMにて自動車開発に携わった者、OEM向けITシステム開発のエンジニアなど社内外の精鋭エキスパートを集結して運営しています。私たちのMBSEについての理解とMBSE・MBDソリューション領域の取り組みについては人とシステムNo.99 [1]をご覧ください。MBSE・MBDソリューションをより良くするために私たちは、NTT DATA Deutschland GmbHのAutomotive Team(NTT DATA Germany)と連携することにより、欧州の先進的な取り組みの導入が可能となり、日本の自動車業界を活性化させるビジネスモデルが検討・実施できると考えています。それにより、私たちがご提供するMBSE・MBDのサービス内容の拡充を可能にします。今後、最先端のIT技術とSENSEIアーキテクチャ [2]の知見をベースとしたMBSE・MBDソリューションをご提供していく予定です。SENSEI [2]とは、「Systems Engineering aNd Scalable Enterprise Integration」の略で、日本語の「先生」をなぞらえて命名されています。SENSEIは、具体的なITソリューションではなく、システムズエンジニアリングのための総合プラットフォームのリ株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズオートモーティブソリューション事業部 技術開発部 第一技術開発課高橋 修司 図1 SENSEIシステムズ・エンジニアリング・インテグレーション・アーキテクチャ・ブループリント ([2]より抜粋)ファレンスアーキテクチャと呼ばれます。その文字通り、「参照」となるアーキテクチャであり、具体的なものというよりはコンセプトに相当するものだと言えます。一般的に開発の仕組みに新しい事柄を取り入れる時、レガシーを守りながら新しいものを載せていくことが多々あります。それにより、完成したものがスパゲティプログラムのように複雑で更新しにくいものになってしまいます。一方、整理されたリファレンスアーキテクチャを利用してアーキテクチャを実装すると、複雑に絡み合ったスパゲティ化を回避できます。SENSEIはITソリューション群を統合し、MBSE・MBDを高い次元で実行できる環境にすることを目的としています。SENSEIはアーキテクチャを設計するに当たり、実装時の意思決定の指針となるアーキテクチャの原則として、①データを資産にすること、②複数分野における共通データを理解すること、③クラウドファーストにすること、④APIファーストにすること、⑤変化に対応するための反復的アプローチをすること、⑥自動化すること、⑦コストを最適化すること、の7項目を定めています。この原則は、お客さまのプロジェクトで得た経験と教訓、一般的なベストプ欧州の活動との連携TSFのコアとなるSENSEIアーキテクチャはじめにMBSE・MBDソリューション領域における NDESの取り組み
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