8す。「部品カタログは以前から作っていましたが、使いたい部品が揃っていない、使いづらい部品があるなど、いろいろな意見がありました。さらに単品で登録されている標準部品は、組み合わせて配置するため手数が多く工数の増加が課題でした。そこで、全員が共有できるユニット部品への見直しを行い、特にQC活動で使用したいユニット部品をピックアップして80個ほど作成しました。これらのユニット部品は、一つの部品の寸法を変更すると他の部品も連動して寸法が変更されます。ユニット部品一つでいろいろなパターンに対応できるので、登録部品が少なくなるというメリットがあります。また、これまで既製品の部品はWebで取得した各データをモデル配置した後でサイズ変更をする際に、再度取得し直すか、そのデータ自体の寸法修正をすることがあり、そこに作業ミスが発生することがありました。今回、既製品の部品もユニット部品として寸法を関連付けできたことで、そのような不具合をなくすことができました」 このようなユニット部品を作成する上で、構成する部品同士の連携に苦心されたと話す小川様は「部品同士の寸法を関連付けるには数式を使って設定するのですが、ユニット部品を構成する部品数が多くなると関連箇所も増えるので、そこが難しいところでした。作成の自由度が高いがゆえに当社の設計思想に合わせることに苦労しましたが、理想とする部品を作成することができました」とのことです。 ユニット部品の作成については、情報共有会と名付けた定期的なウェブ会議を通じてNDESも協力させていただきました。「NDESと問題点を共有してサポートしてもらうことで進むことができました。NDESに相談した以上は次回までに進捗を報告したいという励みにもなり、良い方向に向かえました」と佐野様は話します。 今後の取り組みについて小川様は「必要な部品は全て作りたいと思っています。まずは、金型の製品内に収まる主対策1 Space-Eのユーザー部品カタログの見直し型板の構造部品を部品カタログに登録。例えば、ガイドピンはブッシュ、ボルト、受圧板などをユニット部品として登録。ガイドピン全長、ガイドピン径を数値入力すると関連する部品の寸法が連動して変更されるパラメータを追加。ユニット部品1個で複数サイズに変更が可能。改善後の設計工程型板の構造部品の3次元設計を部品カタログ(対策1)を活用して迅速に行い、従来の2次元のチェックで見落としていた不具合を3次元の干渉チェック(対策2)で抽出して修正することを実現。対策2 干渉チェックの実施下型の型板の冷却穴、製品形状、部品/穴と冷却穴の干渉チェックを実施し、クリアランス不足の部分は修正して再確認する。付随効果 3次元モデリング工数の削減部品カタログを使うことで設計工数を削減。対策前は459.0時間だったのが対策後は432.5時間になり、26.5時間削減を実現。3次元設計の工数増加の懸念を払拭。
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