12SYSTEM & INTEGRATION 当社は1960年に設立し、モバイル通信網のネットワークソフトウエアの開発やさまざまな企業様の業務システムの構築に携わってきました。2017年からはAIやIoTを活用して製造業様の工場の課題を解決するパッケージソフトウエア「LOSSØ(ロッソ)」を提供しています。そのシリーズの中から本稿で紹介するLOSSØ-standardは、製造業様の工場向けに製造設備の遠隔監視や異常検知をするためのパッケージソフトウエアです(図1)。 LOSSØ-standardは既設の製造設備に手を加えることなく、温度、振動、電流、音などの後付けセンサーを使って、製造設備の稼働状態を見える化します。また、平常稼働時の状態を記録すれば、AI(人工知能)が異常を検知し、発報します。後付けセンサーで収集した稼働状態データはLOSSØ-standard内に蓄積されているため、過去の稼働状態をいつでも確認できます。また、CSVデータ形式でデータをダウロードできるため、さまざまな分析の元データとして扱うことも可能です。 次に、このLOSSØ-standardを活用して「個別受注型生産形態の課題」の解決に取り組んでいる製造業様の事例をご紹介します。 当社へご相談いただいたのは、大型金属部品の試作品製造や修繕をなりわいとする機械加工業のお客さまです。そのお客さまの生産形態は個別受注型生産であり、投入計画の変更が頻繁に起こるなど、営業・設計・製造が関係したいくつかの課題について、工場DX化を実現することで解決したいとの思いを持っています。 それらの課題は以下のように多岐にわたります。「単金設定の誤りによる損失」「計画安全率の過大化による手待ち時間の発生」「納期の長期化による失注」「無理な納期遵守のための増員や残業増」「完成品の滞留による保管・移動コストの増大」お客さまとの議論の結果、これらの課題とその要因を構造 図1 LOSSØ-standardの概要株式会社NTCバリューコラボレーション事業本部 オートノマスインダストリー事業推進部 事業推進部長西川 辰也 図2 個別受注型生産形態の製造現場の課題と要因製造設備の遠隔監視や異常を検知する LOSSØ-standard個別受注型生産形態の現場が 抱えている課題製造設備の遠隔監視や異常検知をするソフトウエア LOSSØ-standardのご紹介
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