15「2020年度 中小企業のSDGs認知度・実態調査」(日本立地センター)。n=500 繰り返しになりますが、SDGsは「企業を持続可能にするヒント集」と思っています。そして“良いこと”の基準をはっきりと示しています。ターゲットを自社なりに解釈することで、自社に不足する活動を見つけることができます。節電やゴミの分別、交通安全など、「やっていて当然」の活動をレベルアップすることから始められると思います。例えば従業員の健康診断は当たり前ですが、食事の指導や睡眠の改善、トレーニングジムの補助など生活習慣病の予防に踏み込むとどうでしょう。従業員は感謝し、会社のファンになると思います。ターゲット「非感染症疾患による早期死亡を、予防や治療を通じて3分の1減少」に通じます。ぜひSDGsを活用し、社会にも活動をPRして長続きする会社を目指しましょう。 最後にアンケートを紹介します。日本立地センター(東京都千代田区)が2020年11月、関東と山梨、新潟、長野、対象は関東経済産業局管内(関東、新潟、長野、山梨、静岡の11都県)の中小企業500社静岡の11都県の中小企業500社に調査したところ、SDGsを実践している割合は3.4%(17社)でした。2018年の前回調査と比べても2.2ポイントの上昇にとどまりました。 今ほどではないですが、2020年にはSDGsが社会に浸透しており、実際にこの調査でも中小企業のSDGs認知度は5割を超えていました。 あくまで私の考えですが、SDGsを実践していなくても「良い会社」はたくさん存在します。「SDGsに取り組まないと生き残れない」「取引先から外される」と言う人がいますが、もし本当なら調査対象のほとんどの企業は倒産したり、取引先を失っていたりするはずです。 SDGsの実践を検討するなら、「なぜSDGsに取り組むのか」という理由を明確にするべきだと思います。「SDGsをやらないとまずい」という雰囲気にのまれ、理由もなく始めても進展はないと思います。自社が持続可能になるための課題を特定し、その課題解決を理由にSDGs活動を始めてみてください。ゴール3ゴール3ゴール5ゴール7ゴール8ゴール8ゴール11ゴール12ゴール13すでに対応・アクションを行っている対応・アクションを検討している知っているが、対応を検討していない聞いたことがあるが、内容は知らない本調査で初めて知った1.2% 0.8% 5.8% 8.0% 84.2% 3.4%4.8%23.8%18.4%49.6%SDGsのゴール別のターゲットと経営での取り組み中小企業でSDGsに取り組む企業は少数質問ターゲットを自社になりに解釈 当然の活動をレベルアップ前回(2018年10月)今回(2020年11月)ターゲット非感染症疾患による早期死亡を、予防や治療を通じて3分の1減少道路交通事故による死傷者を半減女性のエンパワーメント促進、ICTなど技術活用を強化エネルギー効率の改善率を倍増働きがいのある人間らしい仕事移住労働者に安心・安全な労働環境持続可能な輸送システムへのアクセス廃棄物の排出量を大幅に削減自然災害に対するレジリエンスおよび適応力を強化経営での取り組み健康経営営業車の事故ゼロ女性の活躍支援大胆な省エネ働きやすい職場外国人労働者への配慮公共交通機関の利用廃棄物ゼロ災害対策、BCP
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