人とシステム No.102
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Seijun KinjoKazuhisa Higashi3の優位性があることはもちろん、ものづくりを進めるのにもふさわしい地域だと考えています。国内の製造業は、地域によって取引の構造ができあがっていますが、沖縄は県外に頼らざるを得なかったことからも、新しいものづくりへの提案を受け入れる素地がありました。そのため、大量生産に適しているというより、研究開発に力を入れ、試作や先端技術の開発を行って、もっと合理的に製造できる仕掛けを作り出せる可能性があります。そして、沖縄には若い世代が多いため、こうした環境で育ち、何もないところから新しいことに挑戦していけば、日本のトップの技術を担えるのではないかと期待もしています。中村 中城湾港新港地区に立地する企業は2010年には126社だったところ現在は約240社に増え、そのうちの6割を製造業が占めています。また、地区全体で6,000名以上もの方が働いています。現在ではこの地区が満床になりつつあるため、新たに市内の仲嶺・上江洲地区に産業団地を整備して企業を誘致し、さらに産業を発展させていく計画をしています。金城 おっしゃるように、私がうるま市に移ってきた頃は企業数も少なく、沖縄のものづくりの実態も十分理解ができていない中での手探り状態でした。その中で、うるま市からのバックアップを受け、沖縄県金型技術研究センターとも連携していき、NDESのようにうるま市で事業をじっくり成長させようとする仲間も増えてきて活動が広がっていきました。また、金型業界を盛り上げるため、ここうるま市で起こそうとしている製造技術革新についても国内に発信してきました。そうして投げた石の波紋がさざ波のように広がりつつあり、県外企業との加工時間短縮を目指す具体的な取り組みも動き出しています。そして、これからは県内外を問わず多くの企業に対して私たちの活動や生み出している技術を具体的に見えるようにし、関心を持ってもらうことが大事だと思います。それによってうるま市での産業振興の望ましい姿も見えてきて、若一般社団法人 ものづくりネットワーク沖縄代表理事金城 盛順 様NTTデータエンジニアリングシステムズ代表取締役社長東 和久一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄【所在地】 沖縄県うるま市勝連南風原5192-30【設立】 2012年1月「人づくり」「型づくり」「物づくり」「事づくり」を通して、沖縄のものづくり産業の振興に貢献することを理念とし、優秀なエンジニアを育成し、沖縄県の製造業の活性化を図るとともに、経済的に自立した沖縄県の発展に寄与することを目的としています。 また、沖縄発の新しい金型技術やものづくり技術を生み出すため、先端的な金属加工、各種成形などの技術向上に努め、地域で作り・地域で使うコミニティビークルなど沖縄らしいものづくりの研究開発にも取り組んでいます。技術革新や人材育成を通して沖縄と金型業界を盛り上げます沖縄を拠点に5軸加工技術を成熟させ全国に広めていきます

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