5人生設計の大きな情報になりますし、自分の生まれ育った街に愛着を持つ機会にもなると思います。また、今後のものづくりには、環境やエネルギーも内包した多角的な視点も必須になってきます。たとえば、mdnではリゾート施設内専用の電気自動車なども手掛けてきましたが、こうした沖縄ならではの地域性があるものづくりだけでなく、「地域で作り地域で使う」という考え方を実践していくことが大切だと思います。東 先ほど金城様もお話しされていたように、沖縄はものづくりの姿がこれからできていくまっさらな環境であり、企業間の柔軟なコラボレーションも見込めると思います。私たちNDESもMFS-OKINAWAの活動を通して、企業同士が手を取り合ってものづくりの新たな価値を生み出せるよう取り組んでいきたいと思っています。金城 今後、あらゆる産業では一つの技術だけで完結せず、いろいろな技術を複合的にうまくまとめ上げて発展していく水平分業の流れがメインになってきます。MFS-OKINAWAはその環境を生む大きなきっかけだと思っていますから、この活動を広げていきたいですね。また、うるま市には半導体や医療関係の企業も進出してきているので、多様な企業同士が横でつながって新しいものづくりに取り組んでいく面白さが出てくると思います。中村 とても興味のあるお話です。私たちもそうした動きを常に捉えて、皆さんのパートナーとしてさまざまな分野へと挑戦していきたいですし、市内にとどまらず、いろいろな種まきをしていきたいと考えています。これからのうるま市のために、市民の方へ夢と希望を与えていき、若い人たちの未来を開いていくのが私たちの使命ですから、産業振興は非常に大事な取り組みだと思っています。東 私たちNDESも皆さまに支えていただきながら、身につけてきた技術力やノウハウを、ものづくりの現場に対して具体的に発揮できるように引き続き取り組んでいきます。本日はどうもありがとうございました。2021年7月オープンのMold Future Space – OKINAWAには、HEIDENHAIN TNC640搭載の東台精機製ガントリー式5軸加工機「GT-630」を導入。産業構造の変化の中で避けて通れません。私たちは今までの5軸加工用CAM研究開発の成果を現物へ適用させ、5軸加工を発展させられるようスピード感を持って進めています。金城 5軸加工技術を進化させて、金型づくり、そして日本のものづくりに大きな影響を及ぼすには、CAM、工作機械、刃物、加工方法の4つの柱が大切だと考えています。そこでMFS-OKINAWAの次のステップとなるのが、CAMの技術や5軸加工機の新しい活用の方法、最適化した工具を生産性向上の取り組みに織り込んだり、人に宿る技術である加工方法を確立したりしていくことだと思います。東 まさにそう考えています。ものづくりに関わるいろいろな立場の方が集まって交流し、一丸となって技術の取得や向上ができるよう目指しています。まずは、百聞は一見にしかずというようにMFS-OKINAWANAで多くの方に5軸加工を体感していただきたいです。中村 私もMFS-OKINAWAには一度お伺いしたいです。今後さらに、台湾との交流も視野に入れた新たな関係が生まれてくると、うるま市発のものづくりに勢いがついていきますね。金城 将来的には工作機械に付属する装置なども沖縄で一緒に開発する構想も描いています。そうすることで、より現場に即したものづくりの自動化を推し進めていきたいと模索しています。沖縄で紡がれるものづくりのストーリー東 今回、私たちの5軸加工に対するうるま市での取り組みをお聞きいただき、いかがでしたか。中村 実際の取り組みや展望を伺って、うるま市が持つものづくりの可能性に手ごたえを感じましたし、市民の皆さんにも広くこのことを知ってもらいたいです。金城 そうですね。子どもの頃から沖縄の歴史を学ぶように、この地でのものづくりについて教わる機会があると、将来の
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