26 毎年実施されるマルスン駿河グループのQC事例発表会は、2021年度で34回目を迎えました。駿河エンジニアリング様では少人数で8サークルを結成し、3月からスタートして8月に社内発表会を行い2サークルを選抜しました。その一つが冷却穴の不具合の削減をテーマにした設計技術グループのサークルです。 富士市に拠点を置く4社のグループ会社から選抜された計7サークルが10月の事例発表会へ進み、設計技術グループのサークルが社長賞を受賞しました。 QC活動のテーマについて設計技術グループ課長の古屋英一様は、「私たちの部署では年間を通して行っている業務改善があり、その中から設計不具合の削減として冷却穴を今回のQC活動のテーマに選びました。いかに金型を早く均一に冷やすかが成形品の品質に大きく関わるため、成形不具合のソリ、変形、フローマーク、ショートショットが発生しないように冷却穴の配置はミリ単位で調整しています。また、冷却回路は生産性を高める役割もあります。効率よく冷却できる金型であれば、成形サイクルの1ショットにかかる時間を短縮できます。さらに、お客さまのニーズも冷却に関して要求が高くなっています」と重要性を説明します。 今回のQC活動のリーダーである設計技術グループ係長の佐野智和様は、冷却穴の難しさについて次のように話します。「金型の冷却穴は部品と干渉することが多く、これまで何度かテーマの候補に挙がっていました。過去5年間に起きた冷却穴の不具合のうち干渉が77%を占めています。干渉以外に1~2ミリの距離でかわしているところも見直しが必要です。経年劣化で鉄の腐食から水漏れが発生することがあり、ある程度の余肉を残しつつ設計することはとても難しく設計経験の差が出るところです。そこで、冷却穴工場と富士山(テクニカルセンター屋上から)マルスン駿河グループのネットワークSpace-Eのユーザー部品カタログの精査で設計不具合を削減設計以外の工程もSpace-Eを中心に3次元化への取り組みを促進マルスン駿河グループで社長賞を受賞した冷却穴の不具合削減のQC活動株式会社 駿河エンジニアリング 様Space-E部品カタログで3次元設計に取り組み冷却穴の設計不具合を削減金型専門メーカーのマルスン駿河グループで唯一樹脂成形金型を専門分野とする株式会社駿河エンジニアリング様は、長年にわたって金型設計にSpace-Eを利用しています。2021年度の同グループ内のQC活動で設計における冷却穴の不具合の削減に取り組む際、Space-E/Moldのユーザー部品カタログの見直しを行いました。その結果、冷却穴の不具合の削減と設計の効率化を実現することができ、同グループ内のQC活動で社長賞を受賞しました。POINT1
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