8 和歌山県のご出身で10年前に入社された技術部生産技術課主任の中本涼太様が中心となって、Space-E/5Axisを活用した手作業の自動化プロジェクトが進められました。 その取り組みについて中本様は「まず、これまで手作業で行ってきた代表的な業務内容を確認してサンプル形状をNDESに提示しました。その後、5軸加工用のモデル形状に編集する手順をNDES側から共有してもらいました。Space-Eでは、歯車のV溝部分のエッジの面取りや可変面取り形状の作成が容易にでき、加工データも簡単な操作で出力できました。他の歯車にも応用してテストを実施しながら運用を開始しました」と振り返ります。 実際の成果について松廣様は「一部の歯車については想像以上の結果が出ています。Space-Eは、形状作成がやりやすく、短時間で加工経路の作成ができます。手作業を自動化できたことで、それまで作業を担当していた熟練技術者が別のもっと重要な作業に従事することができるようになりました。このSpace-Eの貢献は大きいと思います」と手作業で行われている仕上げ加工をSpace-Eでデータ化して熟練技術者の技術を5軸加工機で再現することで効率化を実現しています作業を5軸加工で自動化するという構想があったからだと伺いました。まずは、2018年にSpace-E/Modeler、2021年にSpace-E/CAMと5Axisを導入いただきました。 その導入背景について松廣様は「量産専用の歯車加工機で歯切りをすると付随する仕上げ加工が発生します。そのひとつはバリ取りです。製作している歯車の8~9割は単純なものなのでバリ取りは容易ですが、複雑な歯車になるとバリ取りは熟練技術者にしか対応できません。特にトップレベルの熟練技術者でなければ対応できない複雑なバリ取り作業があり、それが集中すると他に入る重要な仕事が滞ってしまいます。そこで、その手作業に代わる工程として、Space-E/5Axisと5軸加工機を組み込むことを考えました。それにSpace-Eであれば、手作業の部分をモデリングして加工データにする作業時間もそれほどかからないのではという期待もありました。実際、5年前から他社CAMで5軸加工に取り組んできましたが、当社の一番必要な部分ができなかった経緯があります」と話します。
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