9話します。 もう一つのポイントが、導入から活用までの期間の短さとスムーズさでした。2021年7月ごろにプロジェクトがスタートして、ヒアリング、提案、デモ、更新、約1カ月間の研修まで実施して、10月には実作業に移りました。その間、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、対応は全てリモートとなりました。中本様は「導入当初から目的を明確にしてNDESにサポートをお願いできたことが良かったと思います。Space-Eの操作は、最初から使いやすいと感じていたので、スムーズに成果を出せました。また、リモートでのやり取りも対面と変わりなく問題はなかったですし、急な要望にも対応いただけたことが、むしろ対面よりもスムーズだったと思います」と話しています。現在、Space-Eは中本様を含め3名が利用しています。 今回の取り組みを起点に5軸加工機の可能性を広げて、より歯車製作にも活用していきたいと松廣様は話します。現在、歯車研削盤はヨーロッパのメーカーの設備が主流で、大和歯車製作様でも30台を導入されています。歯車研削盤は精密な加工を高速で行える一方、設備やイニシャルのコストが高額、故障時やメンテナンスでリードタイムがかかるなどのデメリットもあります。また、歯車の種類に合わせて専用工具が必要という特質もあります。 松廣様は「以前から、歯車研削盤がトラブルで止まったときの保険として5軸加工機で製造できる体制を作っていきたいと考えていました。歯車研削盤よりも5軸加工機の方が加工時間は数倍かかりますが、製造が止まるよりもいいし、汎用性から考えると試作などに活用できると思います。今回、5軸加工に取り組んでみて工夫や調整をすることで加工時間の差が縮まってきているのは事実です。思っていた以上に5軸加工機を活用できるのではと期待しています」と説明します。 歯車は製造工程が長く、平均で14工程、多いものは50工程もあります。途中に熱処理が入るなど機械加工以外の工程が必要となるため、いくつかの工程を集約することも検討されています。そこに、5軸加工機とCAD/CAMが必要になってくると松廣様は考えられています。 次なる具体的な取り組みを中本様に伺うと「まずは歯車の荒加工に挑戦することが目標です。手間も時間も減らすために、パス出しなども含めて新しいことに取り組んでいます」とのことです。 ┏━ 東大阪市というものづくりの街と和歌山をつなぎながら、歯車製造を通じて日本の製造業を支えている大和歯車製作様は、動きや力を伝えていく歯車のように、多くの人や技術をつなぎながら進歩を続けます。松廣様からは「NDESとはこれまで以上にコミュニケーションを取りながら、同じ日本のエンジニアとして一緒にステップアップできることを期待しています」とのコメントをいただきました。今後も、御社の事業推進のためのご提案ができますよう尽力していきます。歯車を加工する5軸加工機歯車加工機を操作する技術者今後の歯車製造に期待される5軸加工機の役割
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