SYSTEM & INTEGRATION15異形工具での切削時、切削方向の傾きを変えると接触点がずれることが多くあります。これに対してSpace-Eでは、コンタクトポイントによる制御モジュールを搭載したことで接触位置を比率で指示でき、その間で傾きを変えて動くことで容易にパス出しができるようになりました(図6)。最近では、異形工具の先端を活用して隅部をテーパーボールの先端で加工を行ったところ(図7)、通常のボールエンドミルに比べて剛性の高い工具の先端小径Rを使うことで切削抵抗がかかる隅部も工具をたわませずに加工することができました。寸法精度も0.02mm以内で面粗度もRa0.4のきれいな仕上がりになりました。この部品の隅加工は金型の合わせ部分になり、隅部の削り残りはシビアな問題であるため、異形工具の優位性があるといえる結果となりました。また、等高線ではなく長手方向の隅取り加工に活用することも実現できました。下記に全ての工程において異形工具で仕上げた加工事例を紹介します(図8)。異形工具を活用する上で干渉回避やストックの問題などがありますが、それらをクリアして容易にパス作成ができるようCAM開発が今後も必要になります。また、作業者として理想の経路を簡単にオペレーションできるかが信頼できるCAMソフトといえるため、今後CAM開発側とユーザー側の連携を深める必要性を感じています。エンジンカバー 図8 異形工具加工の事例 図4 仕上げ工程の時間比較 図5 経路変換傾斜スライドDC型ウォータージャケット 図3 異形工具活用エリア経路作成には3軸5軸変換(図5)を使うことでパス作成ができますが、どのメーカーのCAMソフトウエアにもまだまだ課題があり、異形工具への取り組みをCAMメーカー側が加速させることに期待しています。 図6 コンタクトポイント(Ver.5.10リリース予定) 図7 異形工具を用いた隅取りSpace-E/5Axisの機能異形工具加工の事例今後について
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