5があってはなりません。東 改めて、OX様がお客さまにとって必要不可欠な存在であることに感銘を受けました。システム開発でも、自動車の自動運転や、それに伴ってOver The Airという搭載されたソフトウエアをオンラインでアップデートする手法が普及していることからも、ソフトウエアの品質が社会の安全に強く影響を及ぼす時代がやってきています。お客さまとともに成功するために、私たちにとって、開発プロセスを含めたソフトウエアの徹底的な品質管理や強固な信頼関係の構築がますます大きな責務になります。私たちも目まぐるしく生まれてくる情報や技術を広くキャッチアップし、自分たちのものにして、お客さまに提案していかなくてはいけないと改めて思いました。石井 車いす業界の先をいく業界には、たくさんのヒントがあって、その価値観や手法も取り入れながら、どういう方向に世の中が進んでいくのかを見極め、その中で当社がどういう役割を担っていかなければならないかを考えていますね。そうすることでOXのビジネスの成長にもつながり、そこからまた新たにお客さまへ還元をしていくことができると考えています。東 私たちも、お客さまが成功する未来を一緒に描いて提案を続ける、かけがえのない存在を目指していきたいですね。本日は貴重なお話しをいただき、ありがとうございました。2021年12月にモデルチェンジした「ZZR」には、多くのレース経験の中で磨き上げてきた技術が反映されている(写真右)。マグネシウム合金とカーボンファイバーで構成されるハイブリットフレームを採用したことで、軽量かつ衝撃を吸収する。その元となったのは、レース用車いす「CARBON GPX」(写真左)。上の写真は、2019年7月に開催された第24回関東パラ陸上競技選手権大会で活躍する同製品。石井 やはりこれは共通の悩みなのですね。早めに手を打てる体制は必要だと思いますし、常にチャレンジできる領域を見据えることも大切ですね。東 車いすは困難なことを補助するための装具という認識が私の中にありましたが、今日お話を伺ってイメージが変わりました。この先ますますお客さまにとって新しい体験が広がっていきそうですね。石井 はい。日々、お客さまにどういう新しい体験をしてほしいか、そのために何が提案できるかを考えます。例えばOXの車いすを使うことで、今まで諦めていたところに行けたり、それによって楽しみが生まれたりすることも新しい体験だと思います。また、今後の挑戦として考えているのは購入時の体験です。日常用車いすは、モデルごとにパーツの種類や寸法、色などのバリエーションを多数用意してあり、お客さまの使用環境や好みに応じて、選択いただいたものを組み合わせるAssemble To Orderの方法をとっています。現在は対面でご要望を聞き取って注文書を作成していますが、この手法や考え方をアップデートしてデジタル化を進めれば、WEBでのご注文もできると思います。この構想の背景には人口減少の深刻な問題があり、すでに販売代理店の閉業により、お客さまへの直接のフォロー体制が危うくなってきている地域もあります。当社の車いすを購入してくださったお客さまとは生涯のお付き合いになりますから私たちの活動にとどまること
元のページ ../index.html#7