26 1948年、津井工作所様として創業された大和歯車製作株式会社様は、“ものづくりの街”で名をはせる東大阪市で、精密歯車の専門メーカーとして成長を続けてきました。1992年6月に和歌山県日高郡川辺町(当時)に和歌山第1工場を建設して、製造部門をすべて移転しました。 その経緯について和歌山工場長の松廣正樹様は「創業者である先代の津井社長は和歌山県の出身です。起業した東大阪市で工場を増設するには近隣では手狭だと感じ始めた頃、和歌山県のこの地に工業団地を造成するという情報が入ってきました。そういうことであればと、工業団地を全て当社で使用させていただくことになり、和歌山工場は今年で30周年になります」と説明します。 2012年には航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格であるJIS Q 9100を取得し、航空機向けの歯車供給専用工場として2015年4月に和歌山第2工場を、さらに航空機の歯車を一貫生産する体制を整えるため、2020年10月に熱処理やメッキ処理を専門とする和歌山第3工場を建設しています。 土地の造成前は山と谷だった地形の山側を切り崩して谷を埋めた整地後、山側の強固な岩盤の上に第1、第2工場を建設して重量のある工作機械を設置しています。第3工場と他の施設は谷側の埋め立て地に建設していますが、公共施設と同等の地震対策の基礎工事を行い、安全を担保しています。 大阪の本社は、営業関連と総務、資材関連の機能を担っ和歌山工場工作機械・鉄道車両などの歯車を製造する第1工場航空機の歯車を製造する第2工場(左)と第3工場(右)Space-Eを使って熟練技術者の手作業を5軸加工機に移行歯車加工機に代わる加工技術として5軸加工のメリットを追求経験とノウハウをベースに日本のものづくりをリードする歯車メーカー大和歯車製作株式会社 様Space-E歯車製作のプロフェッショナルが5軸加工で手作業を自動化へ精密歯車専門メーカーとして74年の歴史を積み重ねてきた大和歯車製作株式会社様は、工作機械や航空機、鉄道などの多種多様な歯車を供給できる生産体制を確立し、歯切り仕上げで直径3500mm、歯面研削仕上げで直径2000mmという大型ギアから、直径5mmの小型ギアまで製作しています。今回は、5軸CAMシステムのSpace-E/5Axisと5軸加工機により手作業の自動化を短期間で実現し、さらなる効率化に挑戦する和歌山工場を訪問してお話を伺いました。POINT1
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