7ています。和歌山工場から製品はすべて大阪本社に送られ、必要に応じて熱処理などの後処理を行った後にクライアントに納品されます。両地の連携も、スムーズな製造管理につながっています。 同社の歯車は、工作機械、鉄道車両、船舶、一般産業機械、発電機、印刷機械など幅広い産業で活躍するほか、精度が非常に高度で安全性と品質管理が求められる航空機の部品として重要な役割も担っています。同社が供給する歯車について松廣様は「当社の主力は工作機械の歯車で売上比率では1/3を占めています。工作機械の可動する歯車はその力を伝達するためにいろいろな要素があり、歯車自身が発熱や騒音、振動などの原因になることもあるため製作の難易度は高くなります。一方、航空機の歯車は全体の10%程の割合ですが、安全性と軽量化の両立を求められる難しい分野です。歯車の軽量化による薄さが重要で工作機械とは違った難しさがあり、技術力をさらに高めて発揮していくべき分野だと考えています」と説明します。 お客さまの設計をいかに忠実に製品化する技術力とアレンジや修正などの提案力を備えていることが大和歯車製作様の強みと言えるでしょう。 和歌山工場の平均年齢は30代後半とのことですが、同社には定年がありません。経験を重ねた多くの技術者が現役を続けていて、その経験を継承しながら新たな取り組みにも挑戦し続けています。「和歌山工場では、長老のエンジニアが活躍していて、社長からは彼らの意見を聞くようにと言われています。彼らの経験豊かな引き出しから参考になることも多く出てきますし、それが当社の技術伝承のスタイルかなと思います。また、当社は人財を大切にしている会社です。バブル崩壊後やリーマンショック後でも関係なく、毎年採用を続けています」と松廣様は言います。 同社がSpace-Eを導入した背景には、いずれは歯車の手大和歯車製作株式会社和歌山工場工場長松廣 正樹 様歯車製造を行う第2工場内部大和歯車製作株式会社和歌山工場 技術部生産技術課 主任中本 涼太 様Space-E/5Axisと5軸加工機で 熟練技術者の手作業の自動化に取り組む大和歯車製作株式会社【創業】 1948年5月【設立】 1969年4月【資本金】 4,000万円【本社】 大阪府東大阪市西堤学園町1-2-23【和歌山工場】 和歌山県日高郡日高川町大字平川字 長田84-9【従業員数】 166名(大阪本社30名 和歌山工場136名)【事業内容】 精密歯車の製造、開発、研究
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