人とシステム No.104
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SYSTEM & INTEGRATION82012年、私たちはCAD/CAMシステムの基礎開発の拠点として、マニファクチャリングラボを沖縄に開設しました。そこでは、新たなものづくり技術の研究開発に取り組むため、一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄様と協力して進めてきました。さらに2021年には、Mold Future Space - OKINAWA(以下、MFS-OKINAWA)を新設し、製造業に関わるさまざまな方と連携を図り、ものづくりの自動化を推進するための取り組みを開始しました。まずはその一環として3軸加工に着目し、CAMにおける操作の省力化と最高品質の加工を実現することができる新商品「Space-E/CAM 2022」の販売を開始しました。ここでは、Space-E/CAM 2022の特長である「高品質・高能率加工」と「最適な操作性」についてご紹介します。株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ製造ソリューション事業部 技術開発部 商品推進課若原 朋子 図1 サーフェイスを参照した経路の作成ラジアスエンドミル有効活用による高能率荒加工ラジアスエンドミルを使い効率的に荒取りできる加工モードを搭載しました。これにより、ワークの外形をオフセットした周回経路が作成でき、工具全面を利用した加工の際、工具の性能を最大限に発揮します。コーナー部には工具負荷を優先するトロコイド円状の経路と、加工時間を優先する取り残しを考慮した経路を出力できます(図2)。 図2 効率的な荒加工経路の作成高精度なストック自動認識による高能率加工加工が完了した形状と加工が途中の形状からストック(取り残し)を認識し、自動検出した加工領域で経路を作成できます。そのストック自動認識には「速度優先(Zmap)」と「精度優先(Multi)」の2種類があります(図3)。「速度優先」は、荒加工で経路計算を早く行いたい場合に選択します。「精度優先」は、仕上げ加工で形状の細部または立壁を認識したい場合や、工具の突き出し長さを算出したい場合に選択します。はじめに高品質・高能率加工優れたCAM演算ロジックによる高品質加工Space-E/CAM 2022から採用するCAM演算ロジックは、複雑な曲面形状を忠実に再現できる優れた特長があり、従来のSpace-Eで培ったCAMのノウハウと統合することで、CAMにおける論理演算の最適化を図りました。従来のSpace-Eでは、経路を作成するモデル形状をポリゴン要素へ一度変換して参照していたため、不均一な構成点の経路になっていました。それがSpace-E/CAM 2022では、サーフェイスそのものを参照できるため、均一な構成点の経路を作成することができます(図1)。これにより、複雑な曲面でもなめらかな経路が作成できるようになり、高精度・高品質な加工を実現できます。新商品「Space-E/CAM 2022」のご紹介

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