SYSTEM & INTEGRATION10連載vol.1(本誌No.103)では、Space-E/5Axisを使った異形工具の活用をご紹介しました。今号のvol.2では、東台精機Gシリーズの後継機である最新5軸加工機G700-TR、G800-TRとHEIDENHAINにおける優位性や加工精度試験、その評価についてご説明します。金型・自動車・航空宇宙の産業を対象とした東台精機G700-TR、G800-TRは、コンパクト構造で安定性の高いガントリー式(門型式)の同時5軸立型マシニングセンター加工機です(図1)。従来の門型構造を採用したことで高剛性、高精度を実現しています。図2に示すように3軸(X,Y,Z)の直線運動とワークを載せるテーブルを分離し、移動駆動部が各軸の中心に置かれています。そのため軸移動時の偏りがなく、安定した駆動動作となります。 図2 機械構造G700-TR20,000rpmΦ710mm500kg32本15.5tonΦ800 x H500mm800/830/560 mmG800-TR20,000rpmΦ800mm1,300kg32本15.5tonΦ900 x H500mm800/830/560 mm 図1 G800-TR 正面図また、2軸(A,C)回転(トラニオンテーブル)は、ワークの寸法重量の影響を受けず、3軸サーボ制御での高い安定性を確保した切削加工を実現できます。さらにヘッド、側壁、保護壁を一体化した構造設計を採用し、加工中の振動を効果的に抑えた機械剛性を確保する閉ループ構造(図3)となります。 図3 閉ループ構造 正面図(左)、平面図(右)トラニオンテーブルは、高出力なDDモータを採用しています。これらはバックラッシレス構造であり、加工負荷や振動による変形が少なく、機械劣化を抑え長期安定駆動が見込めます。傾斜軸(A軸)は、工具がトラニオンテーブルの回転と連携し、3軸移動距離と加工時間の短縮、輪郭精度の向上が可能です(図4)。 図4 トラニオンテーブル(左)、低重心テーブル(右)加工機上面にY軸連動の自動開閉スライドカバー機能を搭載することで、クレーン搬入も可能です(図5)。表1は、5軸加工機G700-TR、G800-TRの主な仕様です。 図5 ワークリフト搬入(左)、低重心操作性(右)表1 5軸加工機G700-TR、G800-TRの仕様 5軸加工機主軸回転数(標準)テーブルサイズ最大ワーク寸法最大積載重量X/Y/Z軸工具収納数(標準)機械重量一般社団法人 ものづくりネットワーク沖縄エンジニアリング事業部 次長 伊佐 和彦エンジニアリング事業部 主任 新里 章NTTデータエンジニアリングシステムズのMold Future Space - OKINAWAと協業するものづくりネットワーク沖縄様による5軸加工の技術情報を4回連載でお届けします。今回は連載Vol.2です。東台精機の最新5軸加工機はじめに5軸加工 技術情報 連載vol.2 東台精機/HEIDENHAINの優位性
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