人とシステム No.105
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ものづくりの自動化を推進する拠点として、2021年Mold Future Space - OKINAWA(以下 、MFS-OKINAWA)を開設し、5軸加工技術の確立を目指す一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄、5軸工作機メーカーであるTongtai Machine & Tool Co.,Ltd.と共に、それぞれの強みを生かした取り組みを行っています。その中で"5軸加工の普及"を掲げた成果として、私たちは5軸加工におけるCAM作業の大幅な時間短縮を実現する新製品「Space-E/5Axis 2022」の販売を開始します。すでに5軸加工のメリットについては、加工や段取り替えに要する時間、加工精度などがあることは知られています。しかし、5軸工作機を導入したお客さまからは、十分に活用できていないといったお声を伺います。その要因の一つとして「5軸経路作成の難しさ」があります。ここでは、その課題を解決するために開発したSpace-E/5Axis 2022の最適なUIと5軸経路自動作成機能についてご紹介します。Space-E/5Axis 2022は、2022年10月に販売を開始した新製品「Space-E/CAM 2022」と同様に、高いユーザビリティを実現するユーザーインターフェースを採用しました。メインパネルではモデル、加工工程全体の流れ、加工条件を参照できます。Space-E/5Axis 2022では、5軸経路の確認、編集、機械シミュレーションなど一連の作業を1つの画面で行うことができ、さまざまな情報を一目で把握することが可能です。また、1つの機能パネルに加工領域、工具、加工条件などの設定を統合したことで、入力や確認が必要な項目を分かりやすく表示します。これにより、作業効率を向上することができます。荒取り工程では、無垢の材料に対してどの方向から加工すると効率的なのかを検討することが重要です。荒取り工程から割り出し5軸加工を行うと、3軸加工より段取りが削減され工程を集約できるため、加工時間を大幅に削減できます。その際、荒取りの割り出し工程の作成を手動で行うと、割り出し方向の検討や補助面作成に試行錯誤することになり作業時間がかかります。この解決策としてSpace-E/5Axis 2022に、切削体積の多い方向から順に割り出し工程を自動作成する「自動荒取り機能」を搭載しました。これにより、割り出し方向の検討や補助面作成の作業が不要となり、手動で作成した時と比べ、CAM作業時間を78%短縮することができました。※自動荒取り機能はSpace-E/5Axis Plus 2022のライセンスが必要です。SYSTEM & INTEGRATION10株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ製造ソリューション事業部 技術開発部 開発課若原 朋子 図1 Space-E/5Axis 2022のパネル  (画面イメージは変更になる可能性があります) 図2 自動荒取り機能による検証結果最適化したUIで高いユーザビリティを実現はじめに自動荒取り機能によるCAM作業時間を短縮新製品「Space-E/5Axis 2022」のご紹介

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