人とシステム No.105
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中取り工程では、高品質な仕上げ加工を行うために、均一な仕上げ代に加工することが重要となります。荒取りの自動割り出しと同様に、Space-E/5Axis 2022の「自動中取り機能」では、加工方向の検討や補助面作成の作業が不要となり、加工機能と工具を設定するだけで均一な仕上げ代になる割り出し工程を自動作成します。各割り出し方向において高精度なストックで削り残しを認識しているので、効率的な加工が可能になります。以下のモデルでは、CAMの作業時間を72%短縮することができました。自動中取り機能の詳細については、本誌P12の「5軸加工 技術情報 連載vol.3」に掲載しています。仕上げ工程では、より早く・品質よく仕上げることが重要となります。仕上げ工程で5軸加工を活用すると、さまざまな角度で加工できるため、3軸加工では難しい箇所も効率的に加工を行えます。工具の突き出し長さが短くなることで剛性が高くなり、周速0点以外で加工できる最適な加工条件となり加工品質の向上が見込めます。Space-E/5Axis 2022には、5軸経路を簡単に作成する「3軸5軸変換機能」があります。3軸加工機能で作成した経路をもとに、自動的に工具の傾き情報を付加し、工具軸方向の難しい設定をすることなく、簡単に3軸経路を5軸経路に変換できます。ストック形状も認識するため、荒取りから仕上げ工程まで対応でき、自動的にシャンク・ホルダの干渉を回避することが可能です。右のモデルでは、3軸加工の時と比べてCAM作業時間と加工時間を含めて44%短縮することができました。荒取り工程から5軸加工を活用すると、割り出し回数が多い形状も工程の集約により加工工数が大幅に削減できます。今まで放電加工が必要だった形状は、直彫りが可能となり、納期の短縮を実現できます。さらに仕上げ工程での自動化を進め、全工程で5軸経路がより簡単に作成できる機能を提供いたします。MFS-OKINAWAを通して、設計情報や加工部位ごとの仕上げ精度を考慮した加工の自動化を目指し、ものづくりの未来を支援します。5軸加工に取り組まれている方、5軸加工で悩まれている方、MFS-OKINAWAの取り組みにご興味ある方はぜひお問い合わせください。SYSTEM & INTEGRATION11 図4 3軸5軸変換による検証結果さらに異形工具を活用すると、大きなRでピッチを最大限に大きくした高速加工が可能になります。特に凹凸の少ない立壁や緩斜面で効果を発揮し、加工時間を大幅に削減します。右のモデルでは、ボール工具の時と比べて76%加工時間を短縮しました。 図5 異形状工具による検証結果お問い合わせ先: 製造ソリューション事業部 技術開発部 商品推進課  msbu@nttd-es.co.jp 図3 自動中取り機能による検証結果手動3方向の場合自動13方向の場合自動中取り機能によるCAM作業時間を短縮3軸5軸変換によるCAM作業時間を短縮おわりに

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