人とシステム No.105
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SYSTEM & INTEGRATION本稿では(MB)SEの導入や適用する前に、どのような考え方を知っておくことが重要なのかをDXという言葉の危うさと共にSeven Samuraiという考え方をもってご紹介いたしました。単純なデジタル化やツール導入のレベルでもSeven Samuraiで表現されるようなさまざまなコンフリクトが発生することとなります。一方で、このような考え方を知らずにカイゼンだけを進めようとすると場当たり的な対応になってしまい、将来的に大きな問題が発生することにつながる可能性があります。今回は(MB)SEがはやり言葉になっている今だからこそ、その前提として押さえておきたい考え方についてご紹介しました。18<参考文献>[1]加藤智之、DXを実現するためのシステム設計とマネジメント、一般社[2]Erik Stolterman、Anna Croon Fors、団法人国際P2M学会、P2MマガジンNo.15、pp.53-56INFORMATIONTECHNOLOGYANDTHEGOOD LIFE」、Information Systems Research、 pp.687-692、SpringerScience+ BusinessMedia,Inc.、2004メーショ ン経営」、p.64 ダイヤモンド社、2017 [3] 株式会社レイヤーズ・コンサルティン グ編著「デジタルトランスフォー[4] ジェイムズ・マキヴェイ「DIGITAL DISRUPTION」、実業之日本社、2013[5]James N Martin, The Seven Samurai of Systems Engineering: Dealing with the Complexity of 7 Interrelated Systems, Presented at the 2004 Symposium of the International Council on Systems Engineering (INCOSE) 図3 Seven Samurai([5]より著者作成)成ります。展開システム(S4)は他に存在するシステムと連携されうります(S5)。ここまでの流れを通じてこれまでの運用システムが問題解決後のシステム(S1’)と成ります。新しく生まれた運用システム(S1’)を維持するためのシステム(S6) は実現システム(S3)が開発します。ここまでの一連の構造は、ある主体が問題解決をするものです。この主体をある企業の一組織が実行すると想定すると、別組織が同様に問題(P1)に対処しようとすることが想定されます。そうすると、別の介入システム (S7)が運用システム(S1’)に適用され、別のシステムが展開されます(図中波線展開システム)。展開システム(S4)はこのシステムと競合が発生することが想定されます。問題に対処して運用システムをカイゼンしていくためには、Seven Samuraiのような要素全体を考慮する必要があります。この考えを用いることで、導入してから問題が多発する、という状況を事前に防ぐことができます。おわりに

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