26 有限会社弥栄木型製作所様の工場がある北九州市は、化学・窯業・電機・ロボットなど大手メーカーの工場が集まる地域で、ものづくりの街として発展を続けています。1975年(昭和50年)の設立以来、有限会社弥栄木型製作所様は八幡西区で木型メーカーとして多くの製造業の木型作りを担ってきました。 代表取締役社長の彌榮英雄様は、「発電系のタービンやプロペラをはじめ、ポンプやケーシング、ロボットのカバーなど、さまざまな大物産業機械や建築機械向けの鋳造用木型を作っています」と話します。精密な大物木型を得意分野とし、北九州を中心とする地元の九州地方に加え、西日本全般にわたるメーカーの木型製造を請け負ってきました。 創業は、父にあたる先代の社長とのことで、その経緯を現社長の彌榮英雄様に伺うと「祖父がこのあたりで木工所を営んでいました。古くは義足などを作っていたそうですが、そのうち、製造業には製品を作るために必要な木型があり、そこに木工技術を生かしていこうということで、父が木型を主体とした会社を設立しました」と話します。同氏は、1988年に入社され木型職人としての腕を鍛えるとともに、2018年には先代から引き継ぎ社長に就任しました。 現在の従業員数は14名で、全員が木型製作の知識、技術を持っている木型職人です。注目すべき点は、平均年齢が32~33歳という若さです。4名の熟練職人と10名の若手職人で構成され、この業界では珍しく若手職人が多いことものづくりの街、北九州市八幡にある弥栄木型製作所様。若手職人が中心となって、木型作りにおける伝統的な職人技の伝承とデジタル化の両方を実現しています。Space-Eとマシニングセンターで木型製造の60%を自動化に成功大物木型の小ロット生産ニーズにデジタル化による発泡スチロール型で対応ものづくりに欠かせない大物木型の職人技有限会社 弥栄木型製作所 様Space-E伝統的な木型職人の技と経験をSpace-Eとマシニングセンターで再現福岡県北九州市は、かつて官営八幡製鐵所があった北九州工業地帯の中心地で、1901年(明治34年)には東田第一高炉の火入れが行われるなど、工業立国日本の発展を支えてきたものづくりの街です。その地で木型製造を続ける有限会社弥栄木型製作所様は、2年前に導入したSpace-Eとマシニングセンターにて、長年にわたって蓄積してきた職人技のデジタル化および自動化に取り組まれました。高精細な人手によるものづくりと最新のデジタル技術をどのように組み合わせたのか、日本のものづくりの現状と共にお話を伺いました。POINT1
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