ーイエロー923形(2008年、岡山本のE2系をベースにした高速列車CRH2E(2011年、上海)に誕生した台湾高鐵700T(2012年タク~相生)、新竹)ス日台700系ベースのド中国の寝日本の700系をベー幸せになるドクターイエロー新幹線 黄色い新幹線“ドクターイエロー”は、偶然出会えたら幸せになるという伝説を生みました。正式名は“電気軌道総合試験車”といい、営業列車と同じ速度で走行しながら、電気や軌道などの状態を検測しています。東海道新幹線の開業当初から何回か代替わりし、現在の923形は700系をベースにした試験車で、東海道・山陽新幹線を走っています。東北・上越・北陸・北海道・山形・秋田の新幹線は“イースト・アイ”という白地に赤の塗装の電気軌道総合試験車です。ちなみに中国高速鉄道の試験車も黄色で「黄医生」(=Dr.Yellow)と呼ばれています。台湾と中国にも伝わった新幹線の技術 2007年に開業した台湾高速鐵道は、日本の新幹線の初輸出といわれています。土木構造物は当初、欧州規格で建設されましたが、車両や信号などは日本から導入しました。最高時速300㎞で走行し、異なる部分もたくさんあるものの、外観や車内は新幹線によく似ています。線路は日本と同じ左側通行の複線ですが保守作業や事故の際に右側通行も可能で、信号システムは当時日本で導入され始めたデジタルATCを採用して双方向の運転が可能なように再構築しました。 日本の新幹線と違う中国の高速列車のおもしろい点として寝台車両の導入があります。山陽新幹線博多開業時に、東京~博多間に寝台列車を走らせる計画がありましたが、夜間走行中に保守作業ができない、周辺への騒音問題などの理由で実現しませんでした。一方、中国では高速列車の走行距離が長く、寝台列車の需要があります。新幹線と車体断面が同じなので、幻の新幹線の寝台車を体験できます。13撮影:岡村良一 「トコトンやさしい新幹線技術の本」にて著者の辻村功氏は、「四季折々の日本列島を疾走する新幹線の旅を、より身近なものに感じていただければ幸いです」と記します。快適に旅を楽しめる新幹線には、速く遠くへ移動するだけではない魅力がたくさん詰まっています。新幹線のテーマで最後となる今号は、快適な新幹線を支える清掃スタッフや空調の工夫、世界でも活躍する日本の技術などをご紹介します。※今日からモノ知りシリーズ「トコトンやさしい新幹線技術の本」(日刊工業新聞社刊2021年5月発行)著者:辻つじ村むら 功いさお 様リフレッシュ企画は、次号から新たなテーマがスタートします。お楽しみに。都市伝説まで生み出した新幹線が世界へ
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