人とシステム No.107
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まざまな理由で3D設計を断念している場面に対し、3D設計の環境を整えること」、「作成した3Dモデルの活用場面を広げること」が急務と考えました。本サービスはその一環として、さまざまなお客さまが安価かつ容易に始められる3D設計を可能にします。従来のオンプレミス型のGRADE/HULLやBeagleは、一度購入すると基本的には常時利用できるというメリットがある一方で、初期導入コストやサーバーの維持管理コストの負担や、繁忙期に不足するライセンス数の増減が柔軟にできないなど課題もあります。しかし、クラウドサービスのGRADE/HULL CloudおよびBeagle Cloudは、この課題を解消するだけでなく、多くのメリットがあります。GRADE/HULL Cloudの特長および活用シーン①操業に応じたライセンス数の増減・繁閑の時期に合わせてライセンス数と利用期間を柔軟に変更できます。・費用は月額基本料と利用した料金のみです。初期費用やサーバーの維持費用は不要です。・ソフトウエアのインストールは必要ありません。 Webブラウザからアクセスするだけで利用できます。②造船所と設計外注との連携・造船所の設計者と社外の設計者で同一データによる同時設計が可能です。これにより取り合い部分のチェック漏れや図面の版の違いによる設計ミスを削減できます。③その他・GRADE/HULLと同様の機能と操作性を備えています。すでにGRADE/HULLを利用している設計者は講習の必要はありません。タを活用した製造が可能となります。紙図面は不要です。③造船所と建造外注との連携・製造外注先にBeagleの3Dモデルを共有することで意思疎通がスムーズになり、誤作などの軽減につながります。Beagleで本船の3Dモデルと一緒に表示することで、購入予定の機器の配置位置やノズルの位置などをその場で確認できます。②造船所と船主・海運会社との連携・GRADE/HULLデータをSPEEDS*1に変換し、3Dモデルを共有することで、船主・海運会社で3Dモデルを手軽に利用できます。今後の計画はBeagleの拡張プラグインの追加(塗装計画検討への対応など)や、GRADE/HULL、Beagle本体のバージョンアップも行っていく予定です。これからもお客さまの声に沿ったサービスをご提供していきます。SYSTEM & INTEGRATION7 図3 GRADE/HULL Cloudと利用者Beagle Cloudの特長および活用シーン①操業に応じたライセンス数の増減・上記のGRADE/HULL Cloudと同様です。②製造現場と設計との連携・製造現場にBeagleの3Dモデルを共有し、デジタルデー 図4 Beagle Cloudと利用者(その1)3Dモデル活用シーン本サービスは、将来的に造船業を取り巻くあらゆる環境で3Dモデルが活用されていくことも想定しています。①造船所と機器メーカーとの連携・機器メーカーの機器のCADデータをSPEEDS*1に変換し、 図5 Beagle Cloudと利用者(その2)*1 情報共有基盤SPEEDS(Smart Platform of Enhanced Engineering Data for Shipping and Shipbuilding)。公益社団法人日本船舶海洋工学会研修員会でこの仕様書が作成され以下の特徴があります。・SPEEDSから、機密情報である図面の再現はできません。・基本要素以外は、機密のレベルに応じて、任意(写真や動画など)に追加、共有できます。「GRADE/HULL Cloud」・「Beagle Cloud」 のご紹介おわりに

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