人とシステム No.109
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8品を、GRADEからSpace-Eまで30年以上もご利用いただいている長年のユーザーでもあります。 金型業界の現状と技術者育成について山本一幸様は次のように説明します。「金型の職人が少なくなるだけでなく、後継者不足で会社を廃業される金型屋さんが増えているため、外注先の減少傾向に歯止めがかからない状況です。この状況を踏まえて金型の内製化を進めるにあたり、片山テクニカルセンターが中心となって若手社員を育ててほしいと社長が立ち上げたのが、先ほど説明にあった金型プロジェクトです。私自身、これまで積み重ねてきた技術を若い人に引き継いでもらえることをありがたいと思っています。現在、この金型技術の習得に取り組んでいるのが、片山テクニカルセンター2名、本社10名の優秀な若手社員です。そして、Space-Eが金型プロジェクトの中核になるCAD/CAMとなります」 若手社員の一人であるスーパーバイザーの山本大地様は、金型製作についてトータルで対応できることを目標とされ、Space-Eの習熟にも励んでいます。「まだSpace-Eの操作経験は2年弱ですが、少しずつ慣れてきました。Space-Eは分かりやすい操作画面なので、慣れてくると業務のスピードアップが可能だと思います。3次元CADの操作は初めてでしたが、以前から使っていたスマートフォンの3D画像編集アプリやゲームなどと感覚的には似ていたので、違和感なく操作できました。また、コマンドが無数にあり、いろいろな可能性があるように感じています」と山本大地様は、ご利用いただいているSpace-E 2023について話します。その他、コマンドのアイコンにカーソルを置いたときに表示されるコマンドの説明も便利とのことです。 山本一幸様が若手社員を育成する場合、まずは加工から学んでもらうと言います。「マシニングセンターのオペレータから始めて、手が空けば汎用の旋盤やフライスを学んでもらいます。実際に形状を削ったり、ワイヤーで加工しながら金型製作を経験することで、ものづくりの喜びが分かるのです。金型を完成させ最終的にお客さまのところでトライを行い、うまく製品が成形できたときの感動は大きく、金型製作の一翼を担っているという存在感と達成感が実感できてその後の成長に大きく役立ちます」 その後の広がりを山本一幸様は次のように話します。「今後、海外拠点にもSpace-Eを中核とした金型技術者を増やしていくので、日本と同じレベルで金型が作れるようになります。さらに、米国で受注した案件をSpace-Eの同じモデルを見ながら全拠点で検討して、最適な案を出すこともできます。このように技術やノウハウの共有をグローバルに図っていきたいという社長の考えです」 その上、営業と金型技術、生産技術、調達の各担当者が一つのチームとなり、営業先で発生した要望に対してすぐに回答、提案ができる体制を築きたいという構想が片山社長にあります。案件ごとに対応するには複数のチームが必要になるため、さまざまな人材育成の重要性を片山工業様は注視しています。片山テクニカルセンタースーパーバイザー山本 大地 様片山テクニカルセンターの金型製作の現場

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