人とシステム No.109
15/20

13FCVなどに関する製品・技術が集まっていました。急速充電器や性能試験装置などの展示もありました。・第12回 コネクティッド・カーEXPO 車のソフトを無線通信経由で更新するOTA(Over The Air)技術や、サイバーセキュリティー、ITソリューションなど、インターネットに接続する機能を備えたコネクテッドカー関連の技術が紹介されていました。・第5回 MaaS EXPO 自動運転向け車載セキュリティーサービスのほか、視線検知や標識などの認識技術を用いた高度運転診断技術、スマートフォンを活用した動態情報収集、運用ソリューションなどが紹介されていました。・第1回 SDV EXPO 今回、初開催となった「第1回 SDV EXPO」では、OTAによるソフトウエアアップデートを前提とした開発の浸透を背景に、SDV(Software Defend Vehicle)に関するソリューションが集結していました。 近年の「オートモーティブワールド」で注目されてきたのは、EVの普及を後押しする軽量化部品の加工技術などです。最近は、これらに加えて複雑化する開発現場を支えるソリューションにも関心が集まっています。 今回NDESのブースで紹介したのは、そうしたニーズに応える「SDVのソフトウエア開発をドライブするALMソリューション」です。これまでのハードウエア先行での開発からソフトウエア先行型のプロセスに移行されつつあり、車の新常識として近年注目を浴びている「SDV」は「ソフトウエアを中心に作られた車」を意味しています。そして2030年までには、自動車の開発費用の約半分をソフトウエア関連が占めると言われています。つまり、ソフトウエアの開発コストをいかに抑えるかがビジネスとして大きな課題となります。 ソフトウエア開発を進める上で理想とするのは、ソフトウエアの要求や要求定義を決める「要求」、その後システムを設計、メカ・エレキ・ソフトの各部門が基本設計・詳細設計、実装、機能テスト・総合テストを行う「開発」、そしてシステムテストと自社テストを行う「検証」の大きな3つのプロセスがV字を描くように進んでいくことです。 しかし、なかなか思った通りに進まないのが現状です。最初の要求や要求定義が確立しないうちからコードを書くなどの開発が先行し、後から多くの変更を余儀なくされると、大きくプロセスが後退して手戻りが多く出る場面が発生します。また、システムが大規模化、複雑化して開発状況の把握が困難になるほか、トラブルや不具合が発生した際の原因究明もスムーズに進まないことが頻繁に起こります。これは開発に関わる人数が大幅に増えていることに加え、扱うデータが膨大になっており、管理が追いついていないことが主な要因とみられます。 そのような中、NDESが提案するのはALM(アプリケーションライフサイクル管理)ツールを活用した課題解決のアプローチです。単にツールを導入するだけではなく、まず顧客の現状の調査やあるべき姿の定義、ロードマップ策定などのサービスを展開します。その後、導入、インテグレーション、実務支援、運用サービス、利用度向上のためのアプリケーション開発に至るまで、すべてのプロセスをしっかりバックアップします。膨大なデータと人員を活用し動いていくソフトウエア開発の現場で、今後ITソリューションの活用は大きな期待を集めると同時に、課題も少なくありません。その意味でも自動車開発の将来を見据えた提案は、会場で注目を集めていたようです。NTTデータエンジニアリングシステムズの提案製品開発加速に向けたビジネストランスフォーメーションSDVの時代へ複雑化する開発現場を支援ITを活用したALMソリューションの提案

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る