7す。500名以上の雇用を維持しながら会社の利益を上げて、社員に還元することで、法人税、所得税が市の税収増となり地域の活性化につながります。もう一つは、企業として成長を続けていくことです。そうすると新しい雇用が生まれ、井原市で生活の基盤を築く社員が増えるので、地元経済の好循環を促すことができます」と話します。 地元貢献に加えて、社員を大切にするという視点は、グローバルで活躍する同社ならではの取り組みにもつながっています。このことについて片山社長は「男女ともに活躍できる企業でありたいと思っています。特に出産・育児で女性社員が離職することを選ばないように働きやすい職場環境や制度を充実させています。今では100名以上の女性社員が働いています。その取り組みの一つが、会社の敷地内にある保育園で、ここには社員のお子さんだけではなくお孫さんも通園しています。また、会社説明会に来られる大学生の7割が女性で、県外からの参加者もいます。その他にも社員の健康を考えて、添加物を使わない、塩分控えめ、野菜がたくさん入ったメニューを本社の社員食堂で提供しています」と説明します。 片山社長に主力である自動車部品事業の方向性を伺うと、「やはり、競争に勝つための技術力をもっと強化していきたいし、製造力として効率の良い生産にも力を入れていきたいと思っています。それには、金型の設計・製作の技術を若手社員に伝授して次の世代に引き継いでいくことが重要だと捉えています」と話します。 片山工業様は、30年以上前までは金型を内製していましたが、バブル崩壊やコストカットの要求などの影響もあって、金型は安価な海外への外注依存が進みました。この状況に対して「量産を行っている部品メーカーにとって金型は命です。かつてのように金型の設計・製作まで自社でできるように金型革命を起こす必要があります。まずは、優秀な幹部候補や生産技術での次世代のエースを集めて、5年、10年かけて金型の内製化に向けた技術者の育成を行う金型プロジェクトを始めました」と片山社長は説明します。 若手技術者の育成と金型の内製化を推進する金型プロジェクトのキーマンが、金型設計・製作に熟知したベテラン技術者である片山テクニカルセンター・チーフエンジニアの山本一幸様です。私たちがご提供しているCAD/CAM製片山工業株式会社代表取締役社長片山 昌之 様片山工業株式会社チーフエンジニア山本 一幸 様片山テクニカルセンターKatayama New Business Corporation 株式会社取締役 COO首藤 繭子 様Space-Eで取り組む未来に向けた金型プロジェクト片山グループの新規事業Katayama New Business Corporationが推進するビジネスのキーワードは“健康”です。産後女性をサポートする産後ケアごはん “for her.” や、主に岡山県内で提供する宅配弁当サービス “おもいやり弁当”。さらに新しい発想の乗り物としてペダルを踏むことで走る電動アシスト3輪車“ウォーキングバイシクル”の開発・製造・販売の他、次世代技術商品の水素吸引器など新しい製品を開発しています。片山工業株式会社【設立】 1959年11月【資本金】 9,600万円【本社】 岡山県井原市西江原町1005-1【従業員数】 518名(パートタイマー含む・2023年3月時点)【事業内容】 各種自動車用部品、福祉機器用品、農業用機械部品、建築用部品、各種専用機械の製造・販売および輸出入業務 他【片山テクニカルセンター】 東京都葛飾区東四つ木4丁目30-11
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