ます。私が参加した2023年の本シンポジウムは、JAMBEに関わるメンバーのみが日本の参加者でしたが、今回の参加人数が増えているのは、JAMBEの活動が日本の自動車業界を中心とした製造業に広まってきていることが大きいと思います。 2日間のシンポジウムで60件を超えるセッションが開催されました。特に痛感したのがドイツの産業全体でスクラムを組んで進めるパワーです。Catena-XやGAIA-Xといったデータスペースに関するテーマが2023年に比べて大幅に増えていました。このデータスペースというデータを取り巻く新しい概念が昨今議論されていますが、ドイツのIndustrie4.0のイネーブラー(Enabler:実現子)として近年ホットになっているテーマです。2023年はデータスペースのための技術であるGraph DBを主題としたプレゼンテーションがたくさんありましたが、今回はGraph DBを主題としたものは著しく少なくなっています。たった1年の間にデータスペースの概念が業界として広まり、プレゼンテーションできるレベルに到達させたことこそがドイツの産学官連携の強さだと感じました。 JAMBEの進捗についての講演は、マツダ株式会社の小森様、AZAPAエンジニアリング株式会社の市原様により行われ、数百名を超える聴衆に日本での取り組みを紹介していました。私たちもドイツとは違う方法で産業界を盛り上げていきたいと思います。 シンポジウム中はドイツ国内外のエンジニアリングプロバイダーやITベンダーの展示会も併設されています。私たちのグループ関連としては、NTT DATA Deutschlandのグローバルオートチームが出展し、下記の7テーマのソリューションを紹介しています。・Application Lifecycle Management(ALM)for the Software-Defined Vehicle・SENSEI -Systems Engineering and Scalable Enterprise Integration・Virtual ECU Testing・Fast. Agile. Sustainable.・Higher Automotive Cybersecurity with V-SOC from NTT DATA・Trustworthy AI -Effective Management of AI risk・Creating a Vision for a Sustainable Future これらの詳細についてご関心をお持ちでしたら、ぜひNTTデータエンジニアリングシステムズまでお問い合わせください。 シンポジウム1日目の終わりには懇親会が開催されました。バイエルン地方の料理に舌鼓を打ちつつ、鞭と音楽を合わせたバイエルン地方のパフォーマンスで盛り上がりました。周囲との会話ができないくらいの大迫力でした。 そして、ニュルンベルクといえば忘れてはいけないのがソーセージのニュルンベルガーです。ランチにはもちろん、ビールとともにおいしくいただきました(図5)。 4月12日はJAMBE、PSI、そしてSystem Xの3団体による進捗報告会をデンソー・オートモーティブ・ドイツにて行いました。以前からオンライン会議ではコミュニケーションをとっていましたが、顔を合わせて会話をするのは初めての機会でした。この会合が有意義な時間となり、定期的に顔を合わせた会合を開くことになりました。先に述べた通り、欧州の業界が力を集約しようとするパワーに対して、日本の取り組みが十分に相対すると思われている証拠であると感じます。 ところで、昼食にはなんと塩鮭と照り焼きのお弁当が振る舞われました。帰国前に白米と魚をいただけるとは思わ14図4 vECUのデモンストレーション製造業をより盛り上げるための連携強化
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