Hティ“ポテトショック”から見る日本のフードセキュリFRESRE本格化するさまざまな技術 既存の産業やビジネスなどにIoT、AIの先端技術を掛け合わせたものをX-Techと総称します。その中の農業・食品分野として、アグリテックとフードテックの二つがあります。アグリテックは、スマート農業という呼び名の方が浸透しています。農産物の生産・流通のスマート化が対象です。一方、アグリテックよりも広範囲に食料・食品をカバーしているのがフードテックで、さまざまな技術が含まれます。 生産の前段階である品種改良技術としては、ゲノム編集や遺伝子組み換えなどが含まれます。次の段階である生産で特に注目が高いのが、代替肉や培養肉、植物工場や陸上養殖で、IoT技術やAI技術の進歩でより高度な管理、制御が可能となっています。さらに、流通、加工・管理、販売・提供などのサプライチェーンでも、技術革新が本格化してきています。注目を集める日本のフードテック 世界的に食料問題が深刻化する中、代替肉や陸上養殖のように良質なタンパク質を効率的に供給できる手段が求められています。また健康増進のため、藻類食品や植物工場の野菜のように機能性物質を含む食品へのニーズも高まっています。優れた食と技術を有する日本にとって、その掛け合わせであるフードテックは大きなチャンスがある分野です。 また、食料安全保障や産業振興などの面も熱い期待を背負っています。フードテックの活用によって国産の食品を安定供給することができれば、輸入依存度を下げることが期待できます。経済面でも、高い技術力を活かした新規事業の立ち上げが盛んになっています。16小分類大分類生産流通加工・調理販売・提供○ゲノム編集○遺伝子組換え品種改良○DNAマーカー育種野菜・果物○次世代型植物工場○アグリテック(スマート農業)品含む)○植物肉 ○昆虫食肉(代替食○培養肉 ○藻食品魚介類○陸上養殖システム ○給餌ロボット○モニタリングロボット○バーチャルマーケット○AI需給マッチングシステム○次世代型コールドチェーン○次世代型トレーサビリティシステム(ブロックチェーン、RFIDなど)○調理ロボット ○3Dフードプリンタ○加工ロボット ○オートクッカー○配膳ロボット ○接客ロボット● ● ● ● ●出所:三輪泰史様作成フードテックの分類と例事例日本でもいろいろな食品の値上げや欠品のリスクが顕在化しています。その一つがポテトショックで、主に①ポテトチップスの値上げ・欠品と②フライドポテトの欠品、の二つがあります。主な要因は天候不順や、不安定な輸入などです。複数の大手メーカーが原料の国産化を掲げており、消費者から味・安全性・地域貢献などの面で高く評価されています。食×先端テクノロジーがフードテックフードテック入門①脚光を浴びる次世代技術“フードテック”
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