人とシステム No.111
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8CUSTOMERS REPORT人とシステム No.111 January 2025Simufact Formingをご活用いただいている技術開発部門。設計者も含めた10名以上の技術者が6ライセンスをご利用中で、クラウド型のSimulation-Spaceも契約中。スペックな環境を利用できるクラウド型のSimulation-Spaceに大きな期待を寄せられています。 その期待について中山様に伺うと、「オペレーション的には、オンプレミス版で使っているSimufact Formingがそのままクラウド型に載っているため問題はありません。Simulation-Spaceのハイスペックな環境で実行できる解析計算には時間短縮の効果を期待しています。実際にトライアルで、社内のオンプレミス版で計算した形状と同じものをSimulation-Spaceで解析して、計算時間を比較してみました。やはり、オンプレミス型のパソコンよりハイスペックな環境のSimulation-Spaceは計算速度が早く、期待していたとおりの効果が確認できました」と説明します。 その結果は、P9に示すグラフの‘ヒートシンク鍛造解析におけるオンプレミス型とクラウド型での解析時間の比較’の通りに、シングルコアのオンプレミス型での計算時間を100%とした場合、Simulation-Spaceのシングルコアで計算すると88%、4並列では58%、16並列では30%まで短縮しています。さらに、最新バージョンの2024を使った場合には26%となり、オンプレミス型の1/4まで短縮されました。 同社のパソコンで解析すると計算が1カ月ほど続く複雑形状もありますが、そういう場合には、計算時間を短縮可能なSimulation-Spaceは有効です。●クラウド型Simulation-Spaceへの期待(2) Simufact Formingのフルオプションが利用できる 同社では、オンプレミス型の「Simufact Forming」をご利用いただいており、クラウド型の「Simulation-Space」は、トライアルを実施するなど運用開始に向けた準備が進められています。●Simufact Formingの利用効果 Simufact Formingの導入前から鍛造解析と金型応力解析の両方を行っていたそうで、その時の課題を中山様は次のように話します。「当時の応力解析では金型にかかる成形圧力を設定するとき、鍛造解析の結果を反映する必要があったのですが、その結果を反映するのに時間と手間がかかるという課題がありました。それがSimufact Formingの導入後では、容易に鍛造解析の結果を応力解析に反映することができ、設定時間も短縮され、かなり使い勝手が良くなりました」 また、設計者自身がSimufact Formingを活用して解析する必要があったと説明する中山様は「当時、複雑形状の部品が増え始めていて、鍛造工程設計でシミュレーションするケースが多くなっていました。その頃は、3名ほどの専任者で解析を行っていましたが、解析件数が増えてくると人手が足りない状況でした。もう一つの理由として、変形過程をシミュレーションで詳細に確認できることは設計者にとっても一つの経験となるということでした。それにSimufact Formingであれば容易な操作で設計者でも解析が可能であったこともあり、自分の設計したものは自分で解析しようという方向に変えることができました。現在、10名ほどの設計者がオンプレミス型のSimufact Formingを交代で使っています」と話します。 基本的にシミュレーションして確認するものは、これまで設計したことのない工程案や、今までと同形状だが加工度が高く金型への負荷が高くなる工程案とのことです。また、設計者が自信を持てない部分やエビデンスとしてシミュレーションをすることもあるそうです。●クラウド型Simulation-Spaceへの期待(1) オンプレミス型のSimufact Formingをご活用いただいている中で、Simufact Formingの最新バージョンやハイ操作が容易なSimufact Formingは専任者に加え設計者自身による解析が可能ハイスペックなSimulation-Spaceは計算時間を最大1/4に短縮が可能フルオプションのSimulation-Spaceは、追加料金なしでオプションの利用が可能

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