人とシステム No.111
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9CUSTOMERS REPORT人とシステム No.111 January 2025今回ご紹介した「Simufact Forming」のクラウド型の詳細はこちらをご覧ください。クラウド型解析ソリューション「Simulation-Space」ヒートシンク鍛造解析におけるオンプレミス型とクラウド型での解析時間の比較計算時間を比較した結果、最大26%(1/4)に短縮を実現。(ND2022:オンプレミス型のSimufact Forming 2022、Sim-SP2022:クラウド型Simufact Forming2022、Sim-SP2024:最新バージョンのクラウド型Simufact Forming2024)●事業の取り組み 同社の事業としての取り組みを伺うと、その一つに金型のセンシングがあると中山様は説明します。「成形中の金型の負荷や状況を知ることができれば、壊れそうな状況かどうかを事前に予測することができます。そのために、いろいろなセンサーを駆使して情報収集することで金型の状態や寿命を予測していこうという取り組みです。例えば、金型の不具合に気がつかずに製品を成形すると不良品をたくさん出してしまいますが、事前に金型の状態を把握できれば不良品を削減することができます。さらに、金型のメンテナンスも楽になります」このような技術の確立は、日本の製造業に求められるDX推進の一つであり、ニチダイ様ならではの取り組みの一つと言えます。 最後に、中山様に私たちNDESへのご要望を伺うと、「いろいろな取り組みの中で、デジタル技術は必須となるため、そのサポートをぜひお願いします」とのコメントをいただきました。今後もニチダイ様の取り組みのお役に立ちますよう尽力いたします。Simulation-Spaceについて中山様は「今、金型の疲労解析を行うためにSimufact FormingのオプションDie Life Analysisを検討しています。お客さまから金型の寿命対策の検討依頼があった際、応力解析の結果、応力が20%下がりますと説明するよりも、こういう金型構造にすることで寿命が20%伸びますという提案の方が分かりやすいと思います。今後、Die Life Analysisの利用頻度が高ければ、オンプレミス版を導入しますが、利用頻度が低ければSimulation-Spaceを利用することも考えられます」と状況に応じてオプションを利用できるメリットを話します。●シミュレーションに関連する今後の取り組み 同社では、設計者がシミュレーションを実施する件数が増えてきた中で、効率的に作業を進めていくために、シミュレーションの回数削減と評価の平準化を目指しています。評価の平準化の必要性について、「同じ解析結果の評価でも、設計者によって評価の仕方が異なることがあります。特に、経験の浅い設計者は、解析結果をどのように判断したらいいのか迷うこともあるため、NDESと共同開発した精密鍛造金型設計ナビゲーションシステムの一部機能を使って平準化を行っています。このナビゲーションシステムは、ベテラン設計者の経験やノウハウの暗黙値を基本に形式知化したもので、技術伝承を行う目的もあります」と中山様は説明します。設計者の解析評価の平準化と技術伝承の取り組み日本の製造業のDX推進につながるセンシング技術の確立

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