10先の見直し、少子高齢化による技術伝承の問題や就労者不足の問題を抱えています。このような大きな環境変化の中で製造現場では、早急な変革と対策が求められています。私たちNTTデータエンジニアリングシステムズ(以下、NDES)は、CAD/CAM/CAE の性能向上 ・効率化に取り組みながら、自動化による省人化の対応、人材育成および確保の推進が重要であると考えています。 これらの課題解決の手段として注目されているのが5軸加工で、近年の工作機械の性能や精度の向上でその優位性の理解が深まり、5軸加工への関心が高まっています。5軸加工の具体的なメリットを挙げると、まずワンチャッキング加工で加工具長さが短くなることで高剛性、高速加工が可能となり加工時間を短縮できること、次に周速ゼロ回避による精度向上、放電加工工程の削減などがあります。ここでは、NDESが一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄(以下、mdn)と取り組んできたSpace-E/5Axisの表1 5軸加工による荒取り・中取り・仕上げの定義はじめに昨今の日本の製造現場は、内需減少と価格競争による調達5軸加工機能による荒取りから仕上げ工程のCAM作業の自動化、および異形工具での加工工程の効率化について説明します。す。それは、5軸加工機に搭載されている加工軸と工具の関係を制御する高性能なNC装置に対応するための複雑なCAM作業です。試行錯誤する5軸加工のCAM作業は、3軸加工と比較すると加工データの作成に時間を要します。NDESはその課題を解決するため、 5軸加工機で実加工を行うmdnとの協業により、Space-Eの5軸加工機能を用いた切削加工による加工の技術要素や要望事項のフィードバックを受けて、Space-Eの改良・ 開発に取り組んでいます。表1に示すのは、5軸加工の各工程の定義とSpace-Eの5軸加工機能の自動化における取り組みです。NDESは、全体工程を荒取り・中取り・仕上げと大きく区分し、それぞれの定義に従ってCAM機能の自動化を推進しています。Space-E/5Axis Plusの取り組み前述のようなメリットがある5軸加工ですが課題もありま人とシステム No.111 January 2025SYSTEM & INTEGRATIONSpace-E/5Axis Plus株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ製造ソリューション事業部 技術開発部 第一サービス課 沖縄担当課長阿部田 哲史5軸荒取り・仕上げ工程のCAM自動化、異形工具での加工工程の効率化
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