1236CUSTOMERS REPORT人とシステム No.111 January 2025●事業のご紹介 精密鍛造金型のパイオニアである株式会社ニチダイ様は、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカーへ提供する精密鍛造金型の設計、製造を中心とした事業を展開されています。その中でも国内トップシェアを誇る冷間鍛造金型において、高精度・省資源・高強度の製品を製造できる同社の技術は、さまざまなものづくり分野に貢献しています。 特筆すべきは、独自の開発体制で新たな鍛造技術を提案してきた高い技術開発力です。例えば、4つに分割されたダイスによるクロスジョイントの成形があります。これは、4方向の軸部にバリやズレなどを発生させることなく、真円に近い精度で冷間鍛造できる技術です。ニチダイ様が目指す理想の加工法である、切削加工なしに完成品の形状に成形するネットシェイプの取り組みの事例でもあります。 その他にも同社は、自動車の軽量化に貢献する中空長軸鍛造金型の解析件数が増えてくると、解析専任者だけでは対応が厳しい。オンプレミス版のSimufact Formingによる複雑形状の解析計算を短縮したい。利用したいオプションがある場合、利用頻度が低いと導入が難しい。国内外の自動車部品における精密鍛造金型のパイオニア操作が容易なSimufact Formingは、解析専任者に加え設計者自身による解析が可能。ハイスペックなSimulation-Spaceは、計算時間を最大1/4に短縮が可能。フルオプションのSimulation-Spaceは、追加料金なしでオプションの利用が可能。部品のネットシェイプ化の技術を確立しています。さらに、この工法による加工精度を高める開発を推進しながら、量産のニーズに対応しています。 今回お話を伺った同社技術部の技術管理課長である中山省二様は、「自動車業界では、燃費向上などの環境規制の強化、電気自動車の普及といった背景があることから、さらなる車体の軽量化が求められてきました。それに対応するために、冷間鍛造で長軸部品の中空構造化を実現する技術の開発に取り組んできました。この中空成形というのは意外と難しくて、深い穴を真っすぐ入れるために試行錯誤を繰り返しながら開発を進めてきました」と説明します。従来は切削加工で作られるため、切りくずが発生するなどの材料ロスが出ますが、同社が提供するネットシェイプ技術で長軸部品の中空成形を行うことで、コストを抑えながら高精度かつ軽量化した製品の製造が可能となります。1959年創業の株式会社ニチダイ様は、主力となる鍛造金型の製造において、独自技術の精密鍛造および金型の研究開発に取り組まれています。業界の中でもいち早くCAEを導入され、鍛造金型における鍛造解析、金型応力解析を行うことで金型設計のリードタイムの短縮を実現しています。現在は、オンプレミス型のSimufact Formingをご利用いただいており、クラウド型のSimulation-Spaceもご契約いただいています。今回は同社の宇治田原工場を訪問し、この2つの解析ソリューションの活用方法や利用効果についてお伺いしました。■Simufact Forming 導入前の課題|解決■Simulation-Space 検討前の課題|解決株式会社ニチダイ 様鍛造金型の設計を支える解析ソリューションSimufact FormingとSimulation-Space
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