人とシステム No.112
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・異形工具経路による加工済範囲の抽出異形工具で作成した経路から加工済の領域を抽出しModeler上に表示できます。加工済みの領域が一目瞭然となるため、後工程で必要な加工範囲が容易に作成できます(図4)。・微小な隙間や段差のある複合面を単一の加工面として自動作成加工対象モデルの面間に微小な隙間や段差があると、急激に軸方向が変わる経路が作成される原因となります(図5)。2024 R1のModelerでは、複数面を単一面に変換することができます。これにより、面間の微小な段差や隙間を解消し、安定した軸制御の経路が作成できます。・アンダーカット形状の仕上げ経路作成従来の3軸加工機能では、経路が作成できなかったアンダーカット部分に対して、2024 R1では、製品形状のアンダーカット部分へ仕上げ経路の作成が可能になりました。事前に用意した補助面に経路を作成し、その経路をアンダーカット部分に面直方向に投影して作成します。対象工具は、ボール工具と球形工具です。深さのあるアンダーカット部分は補助機能の経路5軸変換と組み合わせて利用することができま 図6 アンダーカット形状の仕上げ経路作成す(図6)。・カーブ切削の往復・傾斜・球形工具対応2024 R1のカーブ切削では、往復、傾斜の加工でランナーや溝加工の回避を抑制できるようになりました。また、球形工具の利用が可能となり、ランナーの立壁部分や溝加工の狭小部位などで干渉を防止できます。・加工範囲の面上や接触領域のオフセット対応CAM側で加工範囲や工具の接触領域に対して面に沿ったオフセットが可能になりました。あらかじめModeler側で面の境界を面上にオフセットして領域を作成する必要はありません。形状の面の境界を加工範囲(工具の接触領域)としてそのまま利用できるため、加工用モデリングの作業が不要になります(図7)。 図7 加工範囲の面上・接触領域のオフセット対応・Modeler属性による加工形状、加工範囲、加工座標系の一括設定Modelerのグループ機能に、加工用グループの設定を追加しました。これにより、加工形状や加工範囲の形状、加工座標系のデータムを各グループの構成要素として登録できるため、Modelerで登録した加工用グループの名称とCAMで設定した加工形状、加工範囲、加工座標系の名称をマッチングして、それぞれの要素を一括で自動設定できます。また、工程グループに含まれる各加工機能では、工程グループの加工形状、加工範囲を参照するか否かをチェックするだけで簡単に設定できます。複数の加工機能で同一の加工形状、加工範囲を参照する場合、加工機能ごとの設定作業を削減できます。加工形状、加工範囲の設定を従来と比較すると65%の時間が削減できます(図8)。 図8 従来との比較(加工形状、加工範囲の設定)ードになると考え、最新のIT技術にも着目しながらSpace-Eの開発を推進していきます。さらに、お客さまの声に耳を傾けるとともに課題解決をしながら、Space-Eを通して「CAMの自動化」および高精度・高品質加工の実現に取り組みます。おわりに私たちは「省人化につながる5軸加工」が今後のスタンダ11Space-E/CAM 図4 加工済範囲の抽出 図5 単一の加工面の   自動作成人とシステム No.112 May 2025SYSTEM & INTEGRATION

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