人とシステム No.112
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7CUSTOMERS REPORT人とシステム No.112 May 2025● ● ● 【資本金】 2,000万円【所在地】 福岡県北九州市若松区南二島1丁目【社員数】 34名(2023年12月末)【事業内容】 カーボン加工を行う工場内の整列した各種機械東海炭素株式会社【創業】 1967年12月8日いろなトラブルがあり、それを解決しながらスムーズに使えるまで1年近くかかりました。その準備をしている間に5軸加工が必要となるような案件が増えてきました。例えば、3軸加工で対応していた形状ではあるがサイズが大きくなったり、3軸加工の刃物では届かないような複雑な形状が増えたりしました」と状況を話します。 さらに近年は、さまざまな部品作りのためのファインカーボンのニーズが高まっているといいます。お客さまの要望に応えるためにも、SpaceーE/5Axisと5軸加工機は欠かせない、と平岩様は話します。「非常に精密な部品を作れるファインカーボンですが、お客さまの設計が進化してきています。用途はそれほど大きくは変わらないようですが、機能的な部分の向上により、高度な加工が求められています。高い要求に応えるための生産性の向上と差別化が、5軸加工機を活用する一番の目的です。もし、5軸加工機を導入していなければ、当社に依頼されなかった仕事もずいぶんあったと思います」13番7号3次元モデリング(CAD/CAM)ファインカーボン製品電機用カーボンブラシ●SpaceーE/5Axisと5軸加工機の導入経緯 東海炭素様におけるシステム活用の歴史は、1998年に品質管理のために製品の精密な検査を行う3次元測定機とMC加工機用の3次元CAD/CAMシステムとしてSpaceーEの前身であるGRADE/CUBEを導入したのが始まりです。そして、2003年にはSpaceーEへ移行し、2013年に導入したのが5軸加工に対応した3次元CAD/CAMシステムのSpaceーE/5Axisと5軸加工機です。 導入について平岩様は、「5軸加工機は、今後大きさで悔やむことがないように、その当時で一番大きな機械を選びました。このサイズの5軸加工機を導入したのは九州の企業では初めてだったようです。そのとき、はっきりとした需要はなかったのですが、他社には真似できないことをやりたいという発想から、将来の可能性を引き出す大きな投資を決断しました」と振り返ります。 また、同社生産技術部課長でCAD/CAM担当の宮下良法様は5軸加工について「5軸加工機の導入当初は、いろ東海炭素株式会社代表取締役平岩 志郎 様5軸加工機で作られる精密なカーボン部品東海炭素株式会社生産技術部課長 CAD/CAM担当宮下 良法 様将来の可能性を引き出す5軸加工

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