第20回 見えない品質劣化を見る
データ品質管理サービスお客様事例
掲載日:2018/9/3
2017年9月にサービスを開始したデータ品質管理サービス「CADデータチェッカー」は、現在数多くのお問い合わせをいただいています。
毎月実施中の無料体験も好評をいただき、データ品質改善による効果を実感されています。
今回は、神奈川県川崎市 プラスチック金型 設計・製作 有限会社共伸精機様の事例をご紹介いたします。
図1:自動修正前後のPDQ項目の問題点数
CADデータチェッカーでは9つのPDQ項目に関し、問題点の検出・修正が行えます。
本事例のモデルを検査したところ、9項目合計で2,000を超える箇所(図1)で問題が見つかりました。
これらをCADデータチェッカーで修正したところ、約86%の問題点を自動修正できました。
※取引先とやりとりされる中間モデルデータに1,000以上の問題点が含まれることは珍しくありません。
モデルに含まれる問題点(赤点部分)
図2:自動修正された面
CADデータチェッカーでは、人の目では見つけるのが困難である微小な線や面を見つけ自動修正します。
問題のあった面(図2)に関して、「時間をかけて手動で修正したものと同様の品質であった」、「自動修正の時間も数分のため、残った問題箇所の修正を行う時間を考慮してもかなりの時間短縮が見込める」と評価をいただきました。
CADデータチェッカーは、CADのモデリング作業を効率化し工数削減するだけではありません。
後工程であるCAMのパス作成にも効果を発揮します。
CADからCAMへモデルデータを受け渡しする際、場合によりIGESやSTEPなど中間ファイルを介しますが、その際にもモデルの品質劣化の可能性があります。
本事例では、CADデータチェッカーを活用することにより加工事故を防ぐことができました。
仕上げ経路のCAM計算結果
図3:(左:修正前モデル 右:修正後モデル)
修正前モデルでの計算結果では、問題のある面の箇所を避けるようなパスとなって削り残りが発生していました。修正後モデルでは問題のある面が修正され、削り残りのないパスとなっています。(図3)
本件では発生していませんでしたが、面の状態により食い込むパスが作成されることもあり、重大な加工事故につながります。
「CAM計算後のパス確認時に問題が分かった場合に、CAD工程からやり直しというのはかなりの手戻りのため、予防としても効果がある」と評価いただきました。
今回ご紹介したケースでは、取引先から受領したCADデータをお手持ちのCADに高品質な状態で取り込む場合(下図①部分)と、後工程であるCAMへ不具合無くデータ受け渡しをする場合(下図③部分)の活用方法でした。
CADデータチェッカーの活用シーン
それ以外のケースでは、自社内での別CADとのモデル授受、解析への受け渡し、取引先へのデータ納品の際にも効果を発揮します。これら事例も今後ご紹介していきます。
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有限会社 共伸精機
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