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第25回 Manufacturing-Spaceを支える技術
オートサーフェスのCAD面自動変換のしくみ

掲載日:2018/11/12

はじめに

オートサーフェスは、測定したメッシュデータを曲面に自動変換するリバースエンジニアリングのサービスです。対話操作がいらないため、作業者がCADでモデリングする作業(手張り作業)に比べると工数は大幅に削減でき、作業者毎の品質のばらつきを抑えることができます。手張り作業との違いがどこにあるのか知っていただくため、この自動変換の仕組みを簡単にご紹介いたします。

セグメンテーションが大事

手張り作業の場合、画面に表示される形状を見て作業者は形状の特徴を直感的に判断します。ここで形状の特徴とは、具体的にはフィレットや円柱面や球面、あるいは自動車ボディ等に見られる意匠面やアプローチ面と言ったもので、自然界にはあまり見られないものです。これらはフィーチャー(特徴形状)と呼ばれています。

抽出されるフィーチャ

抽出されるフィーチャ

オートサーフェスは、作業者ほど素早くフィーチャーを認識出来ませんが、時間をかけてフィーチャーを的確に抽出して行きます。一般にリバースソフトは形状(メッシュデータ)を複数の部分集合に分割して、共通する特性を持つ領域としてまとめて行く方法をとります。これをセグメンテーションと呼びますが、フィーチャーはこの部分集合(セグメント)に相当します。

セグメンテーションが大事

オートサーフェスはメッシュデータを次の手順で処理します。

  1. 最初にランダムにセグメントを選出し、初期のセグメンテーションとします。
  2. 分割したセグメントはランダムに選出したものなので、正しい共通領域にまとめていく必要があります。まずセグメント単位に幾何要素(例えば平面)を定義します。これをプロキシと呼びます。
  3. セグメントは多数のポリゴンで構成されていますが、中央付近のポリゴンだけを残して、それ以外のポリゴンは現在のセグメントから解放します。
  4. 残した中央付近のポリゴンを出発点として、隣接するポリゴンの中からプロシキとの誤差が最も小さいものを同じセグメントとして取り込むことで、誤差の少ない新たなセグメンテーションができます。
  5. 上記を何回か繰り返すとプロシキとポリゴンとの間の誤差総量は徐々に減少してセグメント位置はほぼ固定して移動しなくなり、人の認識と同様のフィーチャーが抽出されて行きます。誤差総量が減少しなくなった段階でセグメンテーションを終了します。

作業者の手張り作業とオートサーフェスを比較してみると、フィーチャーの少ない単純な形状であれば、手張り作業の直感的な能力が勝っていますが、形状が複雑化するにつれてオートサーフェスが優勢になっていくことが想像できるかと思います。大規模なメッシュデータ(500万ポリゴン以上)や、あるいは内部形状も含んだ複雑なメッシュデータになると、手張り作業はほぼ不可能になりオートサーフェスだけが可能になります。

セグメンテーションから面張りへ

こうして出来たセグメントは、隣接との位置関係が複雑に組み合わされているので境界線が単純に4本で構成されることはまずなく、よって四辺形曲面だけで張るのは困難になります。オートサーフェスでは、トリム曲面(基底面と閉じた境界線ループの複合構成)を用いて面張りをしますが、これは大きな特長です。

トリム曲面の一番の利点はメッシュデータとのフィッティング精度が優れている点です。また後工程のCAD/CAEにそのまま引き継ぐことが出来るので、加工編集しやすい側面もあります。これが非トリム曲面で生成されるとCADでの編集作業は非常に困難なものになります。

フィーチャーを含んだセグメントについては、例えばフィレットならば中心軌道線の位置やR値、二次曲面ならば中心点、回転軸、半径などすべての幾何量が計算されているので基底面の張り方もこの幾何量を基準にするので、手張り作業に近いモデリング結果になります。

セグメンテーションから面張りへ

おわりに

今回は、オートサーフェスを支える技術についてご紹介しました。近年ではCADデータは製品を作るうえで欠かせないものになってきています。しかし、現実問題として、今ある現物のCADデータがない・見つからないことは多々あるのではないでしょうか。

人手ではスキルが必要であったり、時間も手間もかかるSTLデータのCADデータ化作業も、前述の手順をコンピュータで処理することによって高速で品質にブレのない結果を得ることができます。機械に任せられる作業は機械に任せ、人はより高度な作業に専念することができるようになります。

リバースエンジニアリングを仕事に活用したい、自動のリバースエンジニアリングがどの程度使えるものか確認したい。そんなお悩みがありましたらぜひ私共にご相談ください。

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